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NewLifeOnline  作者: Umi
第1章 酔いどれの鬼たち

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第14話 “北の平原”

 夜が明け、朝日が昇る頃、サキたちは“北の平原”を訪れていた。そこは昼間の“東の平原”に比べるとプレイヤーが少なく、モンスターの密度がかなり高くなっていた。


「見たことないモンスターがいっぱいいるなぁ」


 サキの視線の先には、突進が脅威的な威力を誇るワイルドボア、毒を付与してくるポイズンスネークが大量に湧いていた。ここに毒はないが高速移動で翻弄してくるスピードスパイダーというモンスターも生息していると、事前にギルドで調べたことで知っているが、彼女が見た限りではそれらしき影は見られない。


「そうですね。強そうなモンスターがいっぱいいますよ!」


「とりあえず、一番近くにいるワイルドボアと戦ってみようかな」


「きゅう!」


 カグヤの体力が尽きてから12時間経過しているため、既に再召喚している。

 サキはカグヤと共に、背中を向けて雑草を食べているワイルドボアへと奇襲を仕掛けた。


「……」


 サキは首へと刀を振り下ろし、カグヤはワイルドボアの後ろ脚を蹴り飛ばした。

 しかしサキの刀は厚い筋肉によって振り切ることができず、後ろ脚はカグヤの蹴りではビクともしていなかった。攻撃を受けたことで、サキたちの存在に気付いたワイルドボアは、一瞬で距離を取った。


「……突進が来るから、気を付けて」


「きゅう!」


「フゴッ!」


 地面を何度か蹴りつけ、助走をつける。そして一気にトップスピードになり、ひとまたたきの間にサキたちの目の前まで来ていた。


「速っ!?」


「――ゅぅ!」


 あまりの速さに驚きで言葉が出なかったが、身体は反応していた。反射的に横へと転がり、ワイルドボアの突進が直撃することは避けられた。しかし体勢を立て直すための時間を許してはくれない。


「どこかで攻勢に移らないとなぁ」


 サキたちの間を走り抜けたワイルドボアは既に突進の構えをしていた。そして二度目の突進が行われる。一瞬でトップスピードに到達する健脚は脅威的だが、一度見せた攻撃に対して無策でいる程、サキは甘くない。


「“春風流・居合斬り”」


 サキは突進が当たらないギリギリで横にズレた。そして横を通り過ぎるワイルドボアに合わせて抜刀する。彼女の筋力のみでは斬れなかった太い首も、ワイルドボアの脅威的なスピードが乗れば、斬ることができた。

 頭と身体がお別れしたワイルドボアは、突進の勢いが尽きる前にポリゴンとなって消えて行った。


「ふぅ、いい感じに勝てたよ」


「サキお姉さん、すごい強いですね!」


「まあ、小さいころから刀に触れてきたからね」


 そんな話をしている間に、別のモンスターが近付いて来ていた。


「シャァァァ」


 草むらから突然姿を現したポイズンスネークは、牙を突き出し、サキに噛みつこうとしていた。初心者用の革装備しか着ていないため、噛みつかれれば毒状態になることは確実だ。


「……仕方ないよね」


 サキは腕を突き出した。

 ポイズンスネークはそれを好機として、口を広げて目一杯喰らいついた。

 牙が突き立てられたところが、紫色に変色していく。そして彼女は体力が削られていくことを感じていた。


「……これで逃げられないよね」


 サキは自身の腕にぶら下がっているポイズンスネークの首を反対の手で掴み、腕から引き離した。

 そして震える手で刀を抜き、ポイズンスネークの首と身体を斬り離した。


「はぁはぁ」


「大丈夫!?」


 サキは段々と震えが強くなり、どんどんと体力が削られていった。


『スキル 【毒耐性】を獲得した』


 【毒耐性】のスキルを得たことで、身体の震えは収まったが、体力は変わらず削られていた。


「大丈夫だよ、私は聖女だからね。“キュア”からの“ヒール”」


 状態異常を回復させることができる“キュア”によって、サキの身体から毒の状態異常は消えた。しかし削られた体力が回復するわけではないため、“ヒール”を使うことで削られていた体力も回復させた。


「ふぅ、そろそろ森の方へ進もうか」


「きゅう!」


「はい!」


 サキたちは“北の平原”を進み、“北の森”を目指して歩いて行く。何回かワイルドボアとポイズンスネークとエンカウントすることがあったが、一度勝てた相手なため、余裕で勝つことができた。

 余裕が出てきたサキたちだが、未だにスピードスパイダーと出会っていないため、警戒心を欠くことはない。


「なんでスピードスパイダーと会わないんだろう?」


「そもそもの数が少ないとか?」


「うーん、ギルドの本で見た限りだと、そんなことは書かれていなかったけどなぁ」


 サキと幽霊少女は、スピードスパイダーとエンカウントしない原因について話し合っていた。

 彼女がギルドで得た情報では、確かにワイルドボアやポイズンスネークと比べると、スピードスパイダーの湧く割合は少ないとされていたが、ここまで極端に少ないとは書かれていなかった。


「――っやっと出会ったと思ったら、ボロボロじゃん」


 遂にスピードスパイダーがサキたちの目の前に姿を現した。しかし8足あるはずの脚は5足しか残っておらず、全身がボロボロになっていた。まるで強敵に襲われたかのような様相をしている。


「……これは、きっとイレギュラーだよね」


「私でも分かります。ここで一番強いはずの蜘蛛が、ここまでボロボロになるわけありません!」


「きゅう!」


 そしてスピードスパイダーがボロボロになった原因が現れる。


「――オーガ」


 サキたちの目の前に現れたのは、赤くて分厚い皮膚、強靭な筋肉、額から生える2本の小さなツノ、右手で引き摺っている金棒、それは初心者が多い街の周囲で出現してはいけない強モンスター――オーガだ。


「グラァァァァ!!!!!」


 あまりの叫びに、反射的に耳を塞いでしまう。

 耳を塞いでいたら抜刀することができない。その一瞬の隙の内に、オーガは目の前まで来ていた。


「まずっ――」



 tips

・現状発覚しているファスター周りの出現モンスターと強さ

 “東の平原”

ウルフ>ラビット>スライム

 夜

スケルトン≧ヒトダマ>ウルフ>ラビット>スライム

 “東の森”

ゴブリン

 “北の平原”

スピードスパイダー>ワイルドボア>ポイズンスネーク


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