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NewLifeOnline  作者: Umi
第1章 酔いどれの鬼たち

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第11話 “聖炎”

 ――“東の平原”


 僅かな月明かりに照らされた平原は、昼間とは全く違う様相であった。多くのプレイヤーたちがモンスターと戦っていたその場所は、大量のモンスターによって占拠されており、プレイヤーの姿は僅かしか見受けられない。

 平原を跋扈するスライム、ラビット、ウルフたちは、積極的にプレイヤーを探し、集団で襲い掛かっている。

 そして夜限定で出現するスケルトンとヒトダマもまた、スライムたちと同じ密度で湧いていた。


「わぁ! こんなにモンスターが湧くなんて、目的のモンスターを探す手間が省けていいね!!」


 サキは刀を抜いた。

 そしてモンスターと戦うべく、夜の平原へと駆け出した。


 駆け出してから十数秒、彼女は4体のスケルトンに囲まれていた。


「いきなり4体のスケルトン……どのくらい強いのか、確かめさせてもらうよ!!」


 サキは正面に立つスケルトンに狙いを定め、駆け出す。彼女が動くのに合わせて、スケルトンたちは連携の取れた動きで攻撃を仕掛けてくる。

 正面のスケルトンは棍棒を横に向けて、刀を受け止める体勢をとる。しかし彼女は足を止めることなく、スケルトンへと刀を振り下ろした。刀が棍棒に当たる。そして木製の棍棒ごと、スケルトンの頭を真っ二つにした。

 仲間がやられたのにも拘らず、残ったスケルトンたちは一斉に襲い掛かる。そこに連携という概念は存在しておらず、あるのはエゴであり、各々がやりたいように棍棒を振り下ろしていた。


「チームワークのチの字もないなぁ……まあ一番最初のマップだし、弱いのは当たり前か。“春風流・乱れ桜”」


 桜が舞った。そう錯覚するほどに美しい太刀筋、的確に急所を突く斬撃は、スケルトンの頭を斬り落としていく。これが現実の実戦であれば、彼女は全身に血を浴びていただろう。

 しかしここはゲームであり、彼女が浴びたのは無機質な音声による通知だ。


『職業 【聖女】がLv6からLv7に上がった』


「ふぅ、聖女のレベルが上がったのは良いけど、スケルトンの骨片が2つしかドロップしなかったなぁ……単純計算で10体倒せば5つ集まるけど、そう簡単にいかないよなぁ……考えている時間は無駄だよね! 集まるまで戦い続ければいいだけだし!!」


 ここから先の方針を決めたサキは、再び夜の“東の平原”を駆け回る。

 彼女としては先に“スケルトンの骨片”を集めるつもりだったが、次に接敵したのは3体のヒトダマの群れだ。


「これがヒトダマ……なんだか不思議な感じだなぁ」


 彼女の目の前に現れたヒトダマというモンスターは、空中に火種が浮遊して、燃えているような――まさに火の玉が浮遊しているだけの姿かたちをしている。

 ヒトダマたちは空中をゆらゆらと上下しているだけで、攻撃してくる様子がない。


「そっちが攻撃してこないからって、私は容赦しないよ! “春風流・一閃”」


 サキは一瞬ヒトダマをテイムしようかとも悩んだが、特に仲間にしたい理由が浮かばなかったため、倒すことに決めた。

 未だに空中を上下しているだけのヒトダマに斬りかかる。刀の軌道は、1体のヒトダマを確実に捉えていた。しかし手応えはなく、ヒトダマの方を見ても、攻撃した個体はピンピンとしている。それどころか、攻撃した側であるサキの体力が削れていた。


「……もしかして物理攻撃が効かない?」


 サキの予想は的中していた。ゲームやファンタジーに触れている人間であれば、ゴースト系統が物理無効を持っていることにすぐ気付けるだろうが、彼女はそういったものに触れて来なかった人間だ。それでもすぐに物理無効に気付けたのは、剣士としての鋭い勘を持っていたからなのだろう。

 ヒトダマが物理無効であることに気付いた彼女は、これまで回復にしか使って来なかった【神聖魔法】を攻撃手段に転じさせる。


「……お祓いには神聖な力が効くって言うよね。“聖炎(せいえん)”」


 サキは聖なる物について、いろいろと考えてみたが、オリンピックの聖火しか思いつかなかった。そして聖火を遠距離攻撃として行使するのではなく、近距離攻撃としての行使、つまり刀に聖なる炎を纏わせる魔法、“聖炎”を創り上げた。


「行くよ。“春風流・一閃”」


 ヒトダマの下へと駆け出す。

 斬撃は刀身が見えぬ速度で振るわれた。しかし聖なる炎の残り香が、その美しい軌道を魅せてくれる。

 一連の流れで一撃ずつ攻撃を喰らったヒトダマたち。それぞれが一撃でポリゴンへと変えられた。


「燃える刀ってカッコいいよね」


 若干の中二病を患っていたサキは、“聖炎”にロマンを感じていた。



 ――1時間後。


「満足したし、帰ろうかな」


――インベントリ――


スケルトンの骨片 レア度2 品質E ×5


ヒトダマの残滓 レア度2 品質E ×3


――インベントリ――


「ステータスはどうなったのかな?」


 夢中で戦闘を楽しんでいたサキは、途中から通知に目をやらなくなったため、どれだけ成長したのか分かっていなかった。


――ステータス――

人物

 プレイヤーネーム サキ

 種族 人間

 体力 1642/2100

 魔力 460/5000

 職業 聖女Lv8

 スキル 刀術Lv7 薬術Lv2 神聖魔法Lv2 テイマーLv2 魔力増加Lv5

 称号 礼儀正しい人 規格外 ギルドマドンナのお気に入り 優しきテイマー

装備

 頭

 上半身    普通の服

 下半身    普通のズボン

 靴      普通の靴

 武器     初心者の刀

 アクセサリー 

魔法

聖炎 ヒール エクストラヒール 聖女の祝福 テイム


――ステータス――


「ずっと上がってなかった、【神聖魔法】のレベルが上がってる!」



魔法は極めて柔軟に使用することができます。



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