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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(勇気の証)「戦う覚悟、生まれた勇気」

作者: 希望の王

このお話の舞台は、タイトル:世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(絶望と再生の物語)「あなたが見ている世界。それは、本当に本当の世界ですか?」(R15)(完成版)(挿絵80枚以上)(本編)の世界の中のお話です。


【結衣・トレント・ヘクマティアル】


「私が力をあげるのは守るため。私の体は1つしかないから。」


「私は、夫のものです。私は、夫に屈服しており、服従しており、心から隷属しています。」


アストレア王国女王


王立心療科病院トラウマ・PTSD・性暴力被害者救済科(魔獣セラピー専門科)院長


(希望する女性は、王族であるヘクマティアル家に入家できます。)


アストレア王国諜報機関イグニシェール盟主


世界防衛機関盟主


世界防衛軍最高司令官


顔の入れ墨は、夫のものという証


「私を、あの地獄の掃き溜めの記憶から救ってくれたのは、旦那様です。」



【アストレア王国への移住と暮らしについて】


移民は、戦闘技術を習得していること:剣術、射撃、体術、魔法など何でも良い。


アストレア王国は、多神教のみ許している。結衣がいる異世界は、神の国であり、そこには多様な種族がいる。スライム、ゴブリン、人、ドラゴン、九尾の狐、魔物など。


アストレア王国の言語は、日本語。


国民へは毎月10万ベルのお金を支給。(日本の円がベルになっただけ。)


インフラ、部屋代、食料、医療、衣類、雑貨などの費用は、実質無料である。


国営スーパーには、金色の指輪が売っています。私は、金色の指輪を着けています。その意味は、「私とあなたは、繋がっている」という意味です。


世界防衛軍の任務は、強制ではなく、志願制です。(派遣先が、激戦地の場合)


現在のアストレア王国軍の最大戦力は、3億5000万人(職業軍人)



【転生制度】

結衣の幻想魔法によって、貴方様が作った獣人の女の子のデザインの貴方様のための体をお創りして、貴方の魂を転生させます。貴方様の性別は、不問。


創造条件:転生後は、結衣・トレント・ヘクマティアル直属遊撃隊に所属すること。永久にやめられません。注意すること。肉体は、体術特化型。銃弾無効化。



【勇気の証】


挿絵(By みてみん)

榊原あきと


挿絵(By みてみん)

転生して【ゆずりは】となった榊原あきと


榊原あきとは、【ゆずりは】というオオカミ耳の獣人の少女に転生し、結衣・トレント・ヘクマティアルが運営する王立魔法高校に通っていた。病院のベッドの上で、アニメの世界のような平凡な日常を夢見ていたあきとにとって、学園生活はかけがえのないものだった。親友のエマと笑い合い、他愛ない話をする時間は、彼にとって初めての、色鮮やかな日々だった。


王立魔法高校は私服制度で、生徒たちは思い思いの装いで学園生活を送っていた。魔法という特別な力を持つ生徒たちが集うこの場所は、活気と希望に満ち溢れていた。しかし、その平穏は突然、終わりを告げる。


けたたましい非常ベルが鳴り響き、校内放送が騒然とした声を伝えた。「緊急事態発生!繰り返します、緊急事態発生!ただちに体育館へ避難してください!」


何が起こったのか理解できないまま、【ゆずりは】はエマと共に体育館へと向かった。しかし、その時、急に尿意を催し、エマに「ちょっとトイレに行ってくる」と告げて、その場を離れた。


体育館へ続く廊下を歩いていると、前方から黒ずくめの男たちが現れた。彼らは鋭い武器を手に持ち、明らかに尋常ではない雰囲気を漂わせている。【ゆずりは】は危険を察知し、身を隠そうとしたが、すでに遅かった。男たちは次々と体育館になだれ込んでいく。


嫌な予感がした【ゆずりは】は、急いで体育館に戻ろうとした。しかし、体育館の扉を開けた瞬間、彼は目を疑う光景を目にした。


体育館の中央には、黒ずくめの男たちが多数の生徒たちを取り囲み、鋭利な武器を突きつけていた。そして、そのうちの一人が、見慣れた栗色の髪の少女の首に冷たいナイフの刃を当てていた。エマだった。彼女の顔は恐怖で蒼白く染まり、小さな体が震えている。テロリストたちは、結衣に対して身代金とダイヤモンドを要求している。


【ゆずりは】は、足がすくみ、全身が凍り付いたように動けなかった。まさか、自分がトイレに行っている間に、こんな事態が起こるとは夢にも思っていなかった。結衣直属遊撃隊として転生したものの、それは遠い世界の出来事のように感じていたのだ。人相手の殺し合いなど、考えたこともなかった。せいぜい、スライムのような魔物を退治する程度だろうと想像していたのだから。


テロリストのリーダーらしき男が、下卑た笑いを浮かべながらエマの服に手をかけた。恐怖でエマの目から大粒の涙が溢れ、悲痛な叫び声が体育館に響き渡る。周りの生徒たちは、恐怖で身を縮こまらせ、声も出せないでいた。


挿絵(By みてみん)


【ゆずりは】の心臓は激しく鼓動し、耳鳴りが止まらない。自分がほんの少し目を離した隙に、親友が辱められようとしている。あの優しい笑顔が、今、絶望に歪んでいる。


その瞬間、【ゆずりは】の内奥で何かが弾けた。結衣の言葉が蘇る。「私が力をあげるのは守るため。私の体は1つしかないから。」そうだ、自分は結衣直属遊撃隊なのだ。この力は、エマを守るために与えられたものなのだ。


【ゆずりは】の体に宿る驚異的な力が、静かに覚醒していくのを感じた。アニメ鑑賞で無意識のうちに培ってきた戦闘のイメージが、鮮明に脳裏に浮かび上がる。


【ゆずりは】は、震える足に力を込めて体育館に踏み込んだ。その瞳には、先ほどの怯えはもうなかった。決意の色が宿っていた。


「やめろ!」


挿絵(By みてみん)


【ゆずりは】の叫びは、体育館の騒然とした空気を切り裂いた。テロリストたちは、突然現れたオオカミ耳の少女に驚き、動きを止める。その隙を逃さず、【ゆずりは】は信じられない速さで駆け出した。


鍛えられた獣人の脚力が、地面を蹴り上げ、風を切る。テロリストたちが反応するよりも早く、【ゆずりは】はエマに近づき、彼女を拘束していた男に体当たりをした。男は体勢を崩し、ナイフを取り落とす。


「エマ、大丈夫か!」


【ゆずりは】の声は震えていたが、その瞳は揺るぎなかった。エマは涙ながらに頷いた。


【ゆずりは】の勇敢な行動に、最初は怖気づいていた生徒たちも、自分たちが持つ魔法の力に気づき始めた。魔法使いである彼らは、決して無力ではない。恐怖を押し殺し、一人、また一人と立ち上がり、それぞれの魔法を発動させ始めたのだ。


炎が燃え上がり、氷の刃が舞い、風の塊がテロリストたちを襲う。未熟ながらも、必死に戦う生徒たちの姿は、テロリストたちを徐々に追い詰めていく。


【ゆずりは】は、目にも止まらぬ速さでテロリストの間を駆け抜け、体術と、アニメで見たアクションシーンを応用した動きで、次々と敵を倒していく。銃弾が【ゆずりは】の体を捉えようとするが、その皮膚は鋼のように硬く、弾丸はまるでゴムボールのように弾き返される。


挿絵(By みてみん)


激しい攻防の中、体育館は魔法と怒号が飛び交う戦場と化した。多くの生徒が傷つき倒れたが、その目は決して諦めていなかった。自分たちの学園、そして仲間を守るという強い意志が、彼らを奮い立たせていた。


そしてついに、最後のテロリストが倒れ伏した。体育館には、生徒たちの荒い息遣いと、安堵の涙が溢れた。事件は、多数の負傷者を出しながらも、生徒たちの勇気と魔法によって解決したのだ。


エマは、【ゆずりは】に駆け寄り、抱きついた。「ありがとう、【ゆずりは】…ごめんね」


【ゆずりは】は、エマの温かさに安堵しながら、首を横に振った。「エマは悪くない。俺、いや、私がもっと早く気づいていれば……」そして、体育館を見渡した。傷つきながらも、互いを支え合う生徒たちの姿があった。その光景を見て、彼は改めて自分が結衣直属遊撃隊の一員であることを自覚した。この力は、自分にとって大切なものを守るためにあるのだと。


エマの首筋に残る痛々しい赤い線。仲間の傷ついた姿。それらは、【ゆずりは】の胸に深く刻まれた。以前の【ゆずりは】の瞳にはなかった、強い光が宿っていた。それは、恐怖を乗り越え、勇気を持って戦い抜いた者の、誇り高き輝きだった。彼の眼は、もう二度と揺るがないだろう。大切なものを守り抜くという、固い決意に満ちていた。


【学校生活のエピソード集】


① 魔法の授業:ドラゴンの赤ちゃんの絵写し


王立魔法高校の午前の授業は、実技と座学がバランス良く組まれている。【ゆずりは】にとって、魔法の実技は未知の領域であり、毎日が驚きと発見の連続だった。今日の魔法の授業は、「初級召喚魔法:ドラゴンの模写と召喚」。


教室の中央には、ホログラムで投影された可愛らしいドラゴンの赤ちゃんの姿があった。つぶらな瞳に小さな翼、まだ頼りない爪。生徒たちは、配布された特殊なインクと羽根ペンを使って、その姿を羊皮紙に写し取っていく。単に見たままを描くだけではない。魔法のエネルギーをペンに乗せ、線の濃淡や強弱で、ドラゴンの持つ魔力や生命力を表現するのだという。


【ゆずりは】は、真剣な眼差しでホログラムのドラゴンを見つめた。前世の記憶にはなかった幻想的な生き物。その鱗の輝き、息遣いまで感じられるような精巧なホログラムに、ただただ見惚れてしまう。


隣の席のエマは、慣れた手つきでスラスラとペンを走らせている。時折、【ゆずりは】の描く線を見て、「もう少し、尻尾の付け根を意識してみて。魔力の流れが滞るわ」とアドバイスをくれる。エマは魔法の才能に恵まれており、いつも【ゆずりは】の良き親友だった。


【ゆずりは】は、エマの言葉を聞きながら、もう一度ドラゴンを見つめ直した。言われた通りにペンを動かすと、先ほどまでぼやけていたドラゴンの輪郭線が、少しはっきりとしてきた気がした。指先から伝わる微かな魔力の感覚を頼りに、ゆっくりと、丁寧に線を描き進めていく。【ゆずりは】にとって、絵を描くこと自体初めての経験ではなかったが、ドラゴンの愛らしさを表現するのが難しかった。


授業の終わり頃、なんとかドラゴンの姿を羊皮紙に写し終えた。【ゆずりは】の描いたドラゴンは、まだまだ拙いものだったが、それでも確かに、そこに命が宿っているような気がした


挿絵(By みてみん)


② エマとの昼食

昼休みになると、【ゆずりは】はいつもエマと一緒に学食へ向かう。今日の【ゆずりは】のトレーには、肉の味がするキノコのパスタと、サラダが乗っている。アストレア王国の食事は、異世界の食材をふんだんに使っており、どれもこれもが【ゆずりは】にとっては珍しいものばかりだ。


「今日のパスタ、美味しいね!」


エマは、頬いっぱいに頬張りながら言った。彼女のトレーにも、山盛りの肉の味がするキノコとサラダが乗っている。


「ああ、本当に。ここに来てから、色々な食べ物を試すのが楽しいんだ」


【ゆずりは】は、パスタをフォークで巻き取りながら答えた。病院では、味の薄い栄養食やインスタント食品が多かった【ゆずりは】にとって、温かい手作りの料理が毎日食べられるこの人生は、ささやかな幸せだった。


二人は、午前の授業のことや、最近街で流行している音楽の話など、とりとめのない会話を交わした。エマの明るい笑顔と、屈託のない話をする声は、【ゆずりは】の心をいつも和ませてくれる。前世で孤独だった【ゆずりは】にとって、エマは初めてできた、かけがえのない親友だった。


学食の賑やかな喧騒の中、二人はまるで姉妹のように、 近くで寄り添って食事を楽しんだ。そんなささやかな時間が、【ゆずりは】にとっては、何よりも大切だった。


挿絵(By みてみん)


③ 女子更衣室での着替えの気まずさ

午後の授業が始まる前、【ゆずりは】は体育の授業で使うためのジャージに着替えなければならなかった。女子更衣室の扉を開ける瞬間、いつも【ゆずりは】の心臓の鼓動は早くなる。獣人の少女【ゆずりは】として転生したものの、その魂は紛れもない男性だった榊原あきと。女子ばかりの空間で着替えることに、どうしても慣れることができないのだ。


更衣室の中には、すでに数人の女子生徒が着替えを済ませ、談笑している。彼女たちは、【ゆずりは】の存在をまったく気にする様子はない。この学園では、様々な背景を持つ生徒たちが共に学んでいるため、他者の個性を尊重する雰囲気で構成されているのだろう。それでも、【ゆずりは】にとっては、彼女たちの不用心な振る舞いが、逆に自分の異質さを意識させてしまうのだった。


できるだけ早く、人目を避けるように自分のロッカーに向かい、ジャージを取り出す。【ゆずりは】は、背を向けて屈み込みながら、手早く私服を脱ぎ始めた。周囲の女子生徒たちの声や動きに、どうしても耳が傾いてしまう。彼女たちの中に混じっていることが、まだどこか現実のことではないような気がするのだ。


着替えを終え、安堵しながら更衣室を出ようとしたその時、背後からエマの声が聞こえた。「【ゆずりは】、どうかしたの?顔が少し赤いよ?」


振り返ると、エマが心配そうな表情でこちらを見ていた。【ゆずりは】は、咄嗟に言葉に詰まってしまう。本当のことを話すわけにはいかない。


「う、うん、 ちょっと暑かっただけだよ。早く行こう」


【ゆずりは】は、少し強引にエマの手を引いて、更衣室を後にした。背中に感じる、エマの優しい視線が、少し痛かった。【ゆずりは】は、いつかこの気まずさから解放される日が来るのだろうかと、心の中でそっと呟いた。


挿絵(By みてみん)

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