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バインドスキルで生き抜くファンタジー世界生活  作者: アブラゼミ
第3章「男の正体」

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第86話「ゲイルとリリー②」

「や、やあリリーさん」


 ゲイルです。

カイル兄ちゃんの弟で、戦士のゲイルです。

突然ですが俺には気になる相手、ううん、好きな女性がいます。

 リリーです。

冒険者ギルドに土日だけ来るリリーです。普段は働いているらしいです。

テーブルの上に杖を置いて、何やらやっています。

魔法の基礎訓練らしいです。


「……何?」


 無視されたらどうしようと思ったけど答えてくれました。

リリーの、夜空を煮詰めたような真っ黒い瞳が俺の目と合います。

化粧っ気のない白い肌、パッツンに切りそろえられた前髪、笑顔になった所を見た事ない無表情。ですがキレイです。派手さはないですがリリーはキレイな女性です。


「クエストについてきて欲しいんだ。これ、前衛職の俺だけじゃ難しそうだから」


 リリーに、クエストの依頼書を手渡します。

ブラッディ・バッドの駆除以来です。

空を飛ぶ相手に俺の剣は届きにくいので飛び道具持ちが必要です。

カイル兄ちゃんやミアに頼んでもいいんですが、今日は勇気を出してリリーを誘ってみました。


「……」


 リリーさんが、クエストの依頼書をジッと見ます。

その横顔もキレイです。リリーはキレイな女性です。

 リリーが顔を上げて、ぼんやりとした顔で俺を見つめてきます。

怖いです。

何を考えてるのか分からなくて怖いです。


「もう1人、誘っていい?」


 リリーが、何の感情も浮かんでない表情でそう言ってきました。




****************************




「『ライトニング』『ライトニング』『ライトニング』……『ライトニーーーーーーーーング』」


 1匹1匹撃ち落としていたけれど、面倒になったのかリリーが棒読みの呪文を唱えながら杖を横に振るい、雷の魔法でブラッディバッドを一気に退治していきます。


「……ん、終わった」

「おう、お疲れ様」


 あっという間にブラッディバッドを退治したリリーがユイトとハイタッチをします。

なんでコイツがついてきたんでしょうか。

いや、リリーにユイトを連れていきたいと主張されたんですが。


「いやー、いつもと安定感が違ったな。やっぱゲイルの盾があるといいな。安心感が違うわ」

「……ん、私もそう思った」


 けれどもユイトが俺をヨイショしてくれて、それにリリーさんが同意したのでちょっとだけコイツが来てよかったと思います。ちょっとだけですが。

と、突然ユイトがコンロやら鍋やらを取り出し水を火にかけ始めます。


「ユイト? 何してるんだ?」

「見りゃ分かるだろ。お湯沸かしてるんだ」

「何でお湯沸かしてるんだ?」

「クエスト達成した後は、いっしょにコーヒー飲むのが俺達のルーティーンなんだ」

「……ん、いつもの」

「ゲイルも飲むか?」

「あ、ああ……」


 俺は、ユイトが組み立てた折りたたみチェアに自然に腰掛けたリリーを見た後、何とも言えない気分になります。

何だか分からないけど……ユイトとリリーって本当に仲がいいんだなと思わされます。

ユイトが淹れたコーヒーを飲みます。

苦いです。いや、普通においしいんだけど苦いです。


「ゲイルさえよければこれからも俺達のクエストに参加してもらうか。やっぱ盾役の安定した前衛職がいると安心だもんな。な? リリー?」

「……ん、私もいてくれた方がいいと思う」

「どうだ? ゲイル」

「あ、ああ……」


 いやそう言ってもらえるのは嬉しいんだけど、できればリリーと2人きりでクエストを受けたいし、毎回この2人の仲いい所を見せつけられるのはしんどいんだけど……

俺は残りのコーヒーを啜ります。

その味は、やっぱり苦かったです。


・ブラッディバッド退治のクエストの報酬

 15万マニー(3人で仲良く5万マニーずつ分けた)

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