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バインドスキルで生き抜くファンタジー世界生活  作者: アブラゼミ
第2章「不穏のはじまり」

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第59話「ストリートライブ」

「アスミちゃん、次はどこに行く?」

「服屋さんに行きましょう。夏物を用意したいので」

「アスミちゃんは普段神官服でしょ? 夏物の服着る機会あるの?」

「あります! 神官だってたまにはオシャレしたいんです!」


 あたしの隣で街を歩くアスミちゃん。

その服はいつもの神官服だ。

アスミちゃんと知り合って5年になるけれど、この子がオシャレな服を着ている姿は見た事がない。

一体誰のために、オシャレしたいのやら。


「それにしてもこの街って、意外といいお店多いのよねー」


 さっき入った靴屋にしてもそうだし、ご飯屋さんにしてもそうだけどいいお店が多い。

ムジカさんの防具屋も、酒臭いけど腕は確かだし。あたしも防具を作ってもらった。


「セイラさん曰くいい店じゃないとすぐ潰れちゃうそうです。領主様の経済政策が下手だそうで……」

「ああ~」


 ここでも出てくるダメ領主の話に、あたしはセイラの苦労を思う。

大学を出てこの領内を収める手伝いを始めて2年目。

領民の流出が止まらない、父上が庶民の意見を聞かないという愚痴を聞かされ続けたので相当ストレスが溜まっているようだ。

だからといって、バインドで解消しようっていうのは納得できないけど……


「アレ? 何だか人だかりができていますね?」

「ホントだ? なんだろう?」


 広場の前にできている人だかりを見て、あたし達は足を止める。

何かを待っているようだ。

しばらく見ていると、突然拍手が沸き起こりギターの音が轟いた。


「えっ!? 何これ!?」

「魔法です! 魔法で音を大きくしてるんだと思います!」


 普通のギターじゃこんな大きな音鳴らないのに、聞こえてくる音に驚いていると、耳がいいアスミちゃんが両手で耳を塞ぎながらあたしの疑問に答える。

魔法ですって? 多分風魔法の応用だと思うんだけど、一体誰が……


「レベッカさん、あれミアさんじゃないですか?」

「え? あ、ホントだ」


 アスミちゃんに言われ、ギターを弾いているのがミアだと気づく。

ギターの前には謎の箱がある。多分魔道具だ。あれとミアの魔法で音を大きくしているのだろう。

ギターを弾いていたミアが歌い始める。

ギターも歌も、中々の腕前だ。

アスミちゃんの歌にも、勝るとも劣らないかもしれない。

集まった観衆がノリノリで手拍子したり指笛を鳴らしたりしている。

ただその歌の歌詞が……


「♪どうしてどうしてどうしてどうして ねえ、気づかないの

 ♪こんなにこんなにこんなにこんなに もう、思ってるのに」


 5曲くらいずっと、ハードロックなのに甘々の恋愛ソングだ。

パワフルな歌声とのミスマッチ感がものすごい。観客にはウケてるけど……


「なんか、色々こじらせてるミアっぽいわね」

「ですね」


 あたしの感想に、アスミちゃんが同意する。

最近話しかけられて、リリーといっしょに買い物行ったりしたけど、服屋で頑張って個性を出そうとして空回りしてるミアを思い出し、あたしは嘆息する。

個性なんて、頑張って出すもんじゃないのに。

ずっと昔の、魔法使いの里にいた頃のあたしを重ねてしまう。

歌もギターも上手いんだから、自分らしい歌を作ればいいのに。

今のミアは、背伸びして無理してる子供みたいだ。


「終わったら声かけましょ、アスミちゃん」

「そうですね。ミアさんとお茶でもしますか」


 こうしてあたし達は、ストリートライブが終わった後ミアに声をかけて3人でお茶をした。

意外とちゃんと許可を取ってたりしているらしく、おひねりで結構な額を稼いでいたミアに奢ってもらった。

ミアは、すごく上機嫌だった。

・冒険者達のアスミの印象


 カイル「天使」

 ゲイル「天使」

 ノッシュ「天使」

 ミア「カワイイ顔して中身は大人。でも時々子供っぽい」

 リリー「いい子だとは思う」

 バロン「妹に似てる」

 マシュー「好きと嫌いの中間がなくて極端そう」

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