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バインドスキルで生き抜くファンタジー世界生活  作者: アブラゼミ
第2章「不穏のはじまり」

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第41話「王子達と王女達」

 長ったらしい論功行賞が終わった。

ほとんど座っているだけだった。お偉い方の話を聞かされ続けた。

居眠りしそうになったら、セイラにみぞおちに肘を入れられた。

数分だけ壇上に立たされ国王陛下から表彰を受けた。話はセイラが代表してくれたが、早く終わって欲しかった。

そうして今は、パーティーへと移る。


「セイラ様、ぜひ我が商会とお取引を!」

「セイラ殿、ウチの息子と今度見合いを……」

「セイラ殿!」

「セイラ殿!」


 セイラは商会のお偉い方や貴族達に囲まれ忙しそうだ。

その顔は内心は困っているのだろうが、そんな事匂わせない笑顔で次々相手している。


「んっく、んっく、ぷはーっ! 神の血最高!」


 アスミちゃんはテーブルのワインを次々飲み干し顔を赤くしていた。

一方ワインをサーブするウェイターの顔は青くなっていた。あれ1本、すごい金額がするんだろうな……


「……」


 一方意外と言っては何だがレベッカは借りてきた猫のように壁の花になって大人しくしていた。

男達はレベッカが気になるようだが、話しかけて欲しくないオーラを出されてるせいか、誰も声をかけない。こいつ、黙ってると近寄りがたい雰囲気のある美少女だからな……


「ねえ、これ食べた?」


 レベッカが、何かの食べ物を取ってきて壁の花2こと俺に話しかける。


「いや、食べてない」

「じゃあ1枚食べなさい」


 レベッカが差し出してくる箸を左手で受け取り、何かの肉を取る。

レベッカが俺の手をじっと見てくる。こいつ最近やけに俺の手を見てくるな……。手フェチなのか?


「んっ……。これはスパイスを利かせてグリルしたものだな。味がしっかり浸み込んでいておいしい」

「同じ奴作れる?」

「似たようなものなら作れると思うぞ。まったく同じは無理だろうけどな」

「じゃあ今度作ってちょうだい。これも食べてみて? はい、アーン」

「アーンって……。自分で取ってくるからいい」

「いいから食べなさいよ、はい、アーン」


 フォークに何かの魚を刺して、差し出してくるレベッカの圧に負け何かの魚を口にする。


「んーっ……こりゃ下味にハーブ塩を使ってるな。ショウガ醤油の方が合うと思うんだけどな」

「ショウガ醤油?」

「俺の田舎の調味料だよ。魚の生臭さが消えるんだ」

「へー! 今度食べさせてちょうだい!」

「ああいいぞ」


 その後もレベッカは、皿に乗せた料理をフォークに突き刺せて俺にアーンで食べさせてくる。

数ターンほどやりとりをして、周囲の視線が気になってきたので俺はレベッカに「もう十分」と手で合図し、話題を逸らすように話しかけた。


「なあレベッカ、お前王族って知ってるか?」

「何言ってんの? 知ってるに決まってるでしょ? 王と血が繋がっている一族の事よ」

「そうじゃなくて……。俺、第三王女様の事を知らなかった事をセイラに責められたんだ。第三王女って事は他にも王女がいるって事か? 知ってるなら教えてくれ」

「呆れた。新聞くらい読みなさいよ」

「貧乏冒険者に新聞なんて読む余裕あるわけねえだろ」

「それじゃあこのあたしが教えてあげるわ。あそこにいるのが第一王女ジーナ様。財務などを取り仕切る凄腕の内政官よ。『内政の第一王女』とはあの方ね」


 レベッカが手で示す方に、キリッとした顔立ちの、メガネをかけた金髪の女性がいる。

細身の身体をシンプルながらもセンスのいいドレスに包んだ、いかにも仕事ができそうな女性だ。ただ気になるのが……


「後ろにいるのはなんだありゃ?」

「あれは魔力で動く『人形』ね。ジーナ様のボディガードをしてるんでしょ。魔法使いの里でも10年に1体作れるかどうかっていう特別な代物で、1体数十億マニーはするはずよ」


 ジーナ様の後ろをついて回っている大きさ2m以上はある木製の『人形』に、周囲もビビっているようだ。


「王族は皆『人形』にボディガードしてもらってるのか?」

「ううん、ジーナ様だけみたいよ。その証拠にほら、あそこにいるのが第二王子・リオン様よ」


 会場でも一際目を引く、サラサラの金髪イケメンをレベッカが手で示す。

背が高くて足も長くて、着ているスーツも高級品らしい。あのクラスになると嫉妬すら浮かばないレベルのイケメンだ。きっと性格もいいのだろう。

その後ろに、剣を腰に差した女がついている。


「後ろにいるのはリオン様の護衛兼侍女のライラ様ね。貴族の令嬢で、『花剣のライラ』で有名な凄腕の剣士らしいわ。もっともリオン様には護衛なんていらないでしょうけどね」

「どうしてだ?」

「だってリオン様はこの国で3本の指に入る強さをお持ちの『剣聖王子』ですもの」


 レベッカの言葉に、改めてリオン様とやらを見直す。

引き締まっている身体に、ただものではないオーラ。なるほど、確かに強そうだ。

ていうかこの数時間に俺、この国で3本の指に入る強さの持ち主全員知っちゃったんだけど……


「あそこのにぎやかなのが第三王女ミソラ様と、その付き人でミソラ様の婚約者のクロカゲ様ね。説明は不要でしょ?」

「ああ、あの2人はもういい」


 元気で騒がしいミソラ様と、それに振り回されているクロカゲのコンビはもう知ってる。あの男、苦労しているようだ。


「それにしても婚約者か……。ミソラ様は随分あの男に惚れ込んでいるらしいな」

「と、思うでしょ? 実際はクロカゲ様がミソラ様に猛アタックしたらしいわよ」

「マジか?」

「ええ、魔王軍との戦いの中でミソラ様に出会い好きになってアタックし続けたらしいわ。その熱意にミソラ様もクラっと来て国王様を説得して将来結婚する事を約束したんですって。最終的には王妃様が後押ししたみたい。有名な話よ」

「ふーん……」


 あの男、どうやらただ振り回されているだけの男じゃないらしい。

お仕置きうんぬんとか言ってたし、尻に敷かれている関係というよりあの男がリードしてる関係のようだ。


「それであそこでふんぞり返ってるのが第一王子フアン様ね。普段何をしているのか分からないけど、お城で働いてるらしいわ」


 レベッカが目だけで示しているのが、第一王子フアンとやららしい。

1人だけ高い所で、椅子に座ってふんぞり返り、不機嫌そうな顔で会場を見つめている。

その身体はでっぷりと太っていて、顔も第二王子と兄弟というのが信じられないくらい冴えない。リオン様と違い女性達から声をかけられていない。


「その後ろにいるのが護衛なんでしょうけど……誰かは知らないわね。でも王族の護衛につけられるくらいだから相当な実力者のはずよ」

「ああ、そうだろうな」


 後ろに控えている坊主頭の大男からは只者ではない感じがする。

目が合いそうになったので慌てて逸らす。あれはやばそうだ。


「これで全員か? 第二王女様はいないのか?」

「第二王女のエリア様は普段滅多に姿をお見せにならないわ。病弱で外に出られないって噂だけど……。数年前までは健康でよく出歩いてたっていうのにおいたわしい話ね」

「ふーん……」


 会場にいない第二王女と合わせて5人。これで王子達王女達全員らしい。

しかし気になる事が出てくる。


「なんで他の王子王女は金髪なのにミソラ様だけ青髪なんだ?」

「母親が違うからよ。ジーナ様達のお母上にあたる王妃様が病で亡くなられてから国王様と再婚されたのが今の王妃様。その王妃様からお生まれになったのがミソラ様という訳よ」

「なるほど」


 国王陛下の隣にいる王妃様は確かに青髪だ。

1人だけ母親が違うから髪が青いらしい。


「で? あの中の誰が次の国王になるんだ?」

「第二王子リオン様よ。国王様はジーナ様を跡継ぎにしたかったらしいんだけど、ジーナ様が固辞されて『自分はサポートに徹したい。リオンを国王にして欲しい』って言ったらしいわ。噂話だけどね」

「なるほど」


 あの第一王女は優秀そうだが表に立ちたいタイプじゃなさそうだし、カリスマ性があって、人もよさそうな第二王子を王にしたいというのは納得だ。第一王子や第三王女は、王に向いてなさそうだし……


「フウ、やっと抜け出せた……」


俺達の元に疲れた顔のセイラがやって来た。

ようやく商人や貴族達から解放されたらしい。

駆けつけ一杯と言わんばかりにシャンパンを呷る。


「お疲れ様、大人気だったわね」

「まったくだ。こういう役回りは兄上の仕事だというのに、私に聞かれても商売の話など分からぬし、見合いをするつもりもないというのに……」


 シャンパンを飲み干したセイラがなぜか不満そうな顔で俺を見る。

何だ? 俺にあの連中を蹴散らせとでも言うのか? 無茶言うな。

と、何やら周囲が騒がしい。

見るとライラという侍女を付き従えた第二王子リオン様がこちらに来ている。


「セイラ、久しぶりだね」


 鈴が鳴るような美しい声で、リオン様がセイラに声をかける。


「リオン様、ご無沙汰をしております」


 セイラが、キレイなカーテシーでリオン様に挨拶する。


「リオン様はやめてくれ、私とセイラの仲ではないか」

「そうおっしゃられましても……。こういう場ですし……」


 なにやら親しげなセイラとリオン様を見ていると、むずむずした物を感じる。


「なあ、あの2人知り合いなのか?」

「子供の頃から知ってるらしいわよ。詳しい話は聞いた事ないけど、いっしょに遊んだり剣の稽古をした仲ですって」

「ほーん……」


 意外というほどではない話をレベッカから聞かされ、俺はうなづく。

貴族と王族だし、そういう事があってもおかしくないだろう。

そしてどうやらこのリオン様、セイラにただの友人以上の感情を抱いているようだ。


「俺、ちょっとお手洗いに行ってくる」

「あたしも食べ物取りに行ってくるわ」


 俺とレベッカは、気を使ってそんな事を言いながらその場を離れる。

セイラは何やら言いたげに俺達を見たが、何か言われる前にその場を去る。実際お手洗いに行きたくなってたからな。

お手洗いに向かう途中で、ワインをガッパガッパと空けている未成年がいたがスルーする。

その横でウェイター達が『お客様! もう勘弁してください!』『これ以上はどうか!』と泣いていたがスルーした。




………

……




「ふう、やっと落ち着いた気分になれたな」


出す物を出してスッキリした俺が、ハンカチで手を拭きながら廊下を歩く。

こういう式典も、着慣れないスーツも窮屈で仕方ない。そもそも場違いだし……



「あの……」


 と、誰かから声をかけられる。


「魔王の幹部を討ち取られた、冒険者の方ですよね?」


 そこにいたのは、金髪の儚げな雰囲気を漂わせた、可憐な美女だった。

『剣聖王子』 リオン・キングズベリー


年齢:23歳

身長:182cm

誕生日:6月17日

ジョブ:ソードマスター

レベル:100

スキル:片手剣 レベル5

    両手剣 レベル5

    槍 レベル5

    格闘 レベル5

    回避 レベル5

    身体能力強化 レベル5

    跳躍 レベル5

    状態異常耐性 レベル5

好きな食べ物:ローストビーフ

特技:何でも得意

趣味:剣の手入れ、剣の収集

ステータス:こうげき 99+(測定不能)

      ぼうぎょ 99+(測定不能)

      すばやさ 99+(測定不能)

      まほう 99+(測定不能)

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