第40話「論功行賞」
「レイフォード領領主の娘、セイラ・レイフォードと申します。国王陛下にお招きいただき参上つかまつりました。招待状はこちらでございます」
「ようこそおいでくださいましたセイラ様。こちらにご記名をお願い致します」
「かしこまりました」
大聖堂の受付で、セイラが今まで見せた事ないような気品を漂わせながら受付を始めている。
その髪は普段と違う髪型に結われていて、ノースリーブの真っ赤なドレスを身につけている。
恵まれた身体のラインと、白い背中と胸元がまぶしいドレスだ。
周囲の視線を自然と惹きつけていた。
「アスミ様、こちらにご記名を」
「分かりました」
一方アスミちゃんはいつも通りの神官服だ。
ただその顔は少し赤い。式典後のパーティーでワインが飲めるのがよほど楽しみらしい。
「……」
緊張気味のレベッカが、アスミちゃんに続いて記名する。
その髪はいつもの三つ編みだが、黒のドレスに身を包みこちらも周囲の視線を集めていた。
こいつも、着飾っていると美人の部類に入るんだなあ……
「はい、ユイト」
「おう」
レベッカが差し出したペンを右手で受け取り記名する。
レベッカが何やら俺の手元をジッと見ている。なんなんだ?
「セイラ様、失礼ながらこの者は……?」
「私の配下の者です。そして魔王の幹部を討ち取った男でもございます」
「し、失礼いたしました!」
俺を胡散臭い目で見ていた受付の男が、さっと佇まいを直し敬礼する。
いや、俺が討ち取った訳じゃないんだけど……説明するのも面倒だしいいか。
着慣れないスーツと履き慣れない靴が窮屈で仕方ない。
髪もセイラに整髪料をつけ整えられ、肌にも何か塗られた。
それでも俺の胡散臭さは抑えられないらしく、衛兵が俺を止めようとし、セイラに俺が魔王の幹部を討ち取ったと言われ慌てて敬礼するという事が数度続いた。
「おお! ユイトさんにセイラさん! 数時間ぶりです!」
そこに大きくてにぎやかな声が聞こえてきた。
水色のドレスを身に纏ったミソラ様だ。その横には黒のタキシード姿のクロカゲも控えている。
「ミソラ様、本日もご機嫌うるわしゅう……」
「堅苦しい挨拶は抜きです! 数時間前にお話したじゃないですか! 堅苦しいのは式典だけで十分です! パーティーで楽しみましょう!」
「ミソラ、式典は大切なものだぞ。それと少し落ち着きなさい」
堅苦しい挨拶をしたセイラの肩をバンバン叩くミソラ様を、クロカゲがたしなめる。
ミソラ様は不満そうな顔をしたが、すぐに佇まいを直し優雅に礼をした。
「では、また後ほど。ご歓談を楽しみにしています!」
「またな」
「はっ! 私めも楽しみにしております!」
「ユイトさんも、また後ほど!」
「あ、ああ……」
去って行くミソラ様とクロカゲに、最後まで恐縮しながらセイラが頭を下げる。
ドレス姿のミソラ様は、簡素ながらもアクセサリーも身につけていて王女の気品が漂っていた。
衛兵や財界の大物らしき人間が、ミソラ様が目の前を通る度に深々と頭を下げる。
「本当に王女様なんだな……」
「何を言っておるのだ貴様は……。まああの通り明るく誰にでも気さくな方であらせられるのだが」
「なあに? アンタ達、ミソラ様とお知り合いなの?」
「ああ、私は父上の会合でお目にかかった事があるのと……この男はつい先ほどミソラ様といっしょに焼肉を食べチュロスを食べていた」
「何それ!? どういう事!?」
「ズルいです! わたしもユイトさんと焼肉食べに行きたいです!」
レベッカとアスミちゃんがそれぞれ食いつきを示すが、セイラは説明する気はないようで会場へ歩き出す。
「ほら、もうすぐ式典の説明の時間だぞ。基本話を聞いて座ってるだけだと思うが、国王陛下や王族の皆様に失礼のないようにな」
「……なあ、やっぱ帰っていいか」
「今更何を言っているのだ貴様は」
「そうよ、どうせほとんど座ってるだけなんだろうから」
「行きましょう!」
セイラとレベッカ、アスミちゃんに腕を引っ張られ、式典会場へと足を踏み入れる。
こうして俺は、初の論功行賞へと臨むのだった。
『闇魔法使い』 クロカゲ・クロイツ
年齢:21歳
身長:184cm
誕生日:3月5日
ジョブ:魔法使い
レベル:100
スキル:格闘 レベル5
身体能力強化 レベル5
炎魔法 レベル5
雷魔法 レベル5
氷魔法 レベル5
風魔法 レベル5
闇魔法 レベル5
念話 レベル5
テレポート レベル5
状態異常耐性 レベル5
好きな食べ物:卵サンド
特技:魔法
趣味:読書・ミソラ様をお仕置きする事
ステータス:こうげき 99+(測定不能)
ぼうぎょ 99+(測定不能)
すばやさ 99+(測定不能)
まほう 99+(測定不能)




