第34話「れべるつー」
「論功行賞で王都に行く事になった」
朝。
俺とレベッカが味噌汁と漬物をおかずに米を食べていると、やって来たセイラが開口一番そんな事を言った。
レベッカはパン派だったが、俺が米を食べているのを見て「あたしもそっちがいい」と言い出し最近はご飯派になっている。
「論功行賞? 何のだ?」
「魔王の幹部リューガを討ち取った表彰だ」
「へえそうか。気をつけて行ってこいよ」
「何を他人事みたいに言っている。貴様も行くのだ」
「はっ?」
セイラの言葉に、俺の頭に疑問符が浮かぶ。
「なんで俺が行かないといけないんだ?」
「決まっているだろう。リューガを討ち取ったのは貴様だからだ」
「いやいやいや、俺は最後に爆発玉投げただけだろ。討ち取ったのはジンジャーだ」
「私もそう思うがジンジャー殿に断られてしまったのだ。となれば貴様が行くしかないだろう」
「何でだよ。それならカイルとかゲイルとかマシュー……は、行かせられねえか」
あの連中が行ったらロクな事にならないだろう。ゲイルやバロンは真面目だがしゃべるのが苦手だし、ミアは自由人すぎる所があるし、ノッシュは最近子供が生まれたばかりだし……
「そういう事だ。消去法で貴様を連れて行く。後はレベッカとアスミ様だ」
「イヤなんだが」
「雇用主命令だ。ついて来い。それと貴様、礼服は持ってるのか?」
「持ってる訳ねえだろ」
「では今から仕立てに行くぞ。式典は1週間後だから超特急で仕上げてもらう」
「オイオイオイ、そんな……」
「金なら心配するな。私が出そう」
「……」
いや別に金がない訳じゃねえんだけど……
「へー! 王都に論功行賞かあ……! これなら魔法使いの里の皆にも……」
「? どうした?」
「……ううん、何でもないわ。服を用意しなくちゃね! クリーニングに出さなくちゃ!」
「お前、服持ってるのか?」
「あたしを何だと思ってるのよ。ちゃんとした服だって持ってるわよ」
いつも同じ服を着てるレベッカなだけに尋ねると、フンと鼻を鳴らして答えられる。
まあコイツ、金持ってるからな。
アスミちゃんは神官だし、神官服でいいのだろう。
となると服を作るのは俺だけか。メンドくせえなあ……
「でもまだ朝7時だぞ。服屋開いてないだろ」
「むっ、そうだな。服屋ではなくテーラーだが、まだ早いか」
「朝飯食うか?」
「いや、いい。もう食べてきた。……それより貴様、バインドスキルがレベル2になったそうだな」
「あ? ああ……、そういやそうだったな」
「私にバインドをかけてみろ」
「は?」
「私にバインドをかけてみろ。レベル2がどんなものか試してみるがいい」
「お前、バインドされたいだけだろ」
「そんな事はない。バインドのレベル2とやらがどんな能力なのか確認しておきたいのだ」
「どうだか……」
「つべこべ言うな、私にバインドをかけてみろ」
「別にいいけどよ」
セイラと会話をしながら、レベッカをチラッと見るが興味なさそうに茶を飲んでいる。
前はセイラにバインドをかけようとする事に反対してたのに、どうしたんだろう。
「『バインド』!」
「ひゃうんっ!」
俺が縄を放り投げると、縄がセイラを縛り上げていく。
恵まれた身体のラインを強調するような、亀甲縛りだ。
後ろ手に縛られたセイラが、床に転がり蕩けた表情を浮かべる。
そして目をカッと見開いてこう言った。
「こ、これがレベル2! なるほど確かにこれはレベル2だ!」
「いや分かんねえ」
俺とレベッカは、セイラを置いて食器を洗いに向かった。
冒険者 マシュー・マカリスター
年齢:26歳
身長:176cm
誕生日:3月10日
ジョブ:槍使い
レベル:41
スキル:槍 レベル5
片手剣 レベル2
格闘 レベル4
回避 レベル3
状態異常耐性 レベル1
好きな食べ物:酒類全般
特技:利き酒
趣味:ナンパ
ステータス:こうげき 42
ぼうぎょ 33
すばやさ 37
まほう 0




