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バインドスキルで生き抜くファンタジー世界生活  作者: アブラゼミ
第1章「バインドスキルではじまる男の物語」

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第27話「VSオーガ軍団②」

 オーガ。

それはモンスターの中でも要注意に入るモンスター。

3m超の大柄な身体を持ち、さらには石で作ったこん棒などの武器も扱う。

怪力から放たれる攻撃は、ベテランの戦士系冒険者といえどまともに食らったら致命傷になる危険なものだ。


「ガアアアアアアアっ!!!」

「フッ!」


 そんなオーガの攻撃を大剣で受け止め、受け流し、セイラがオーガを斬っていく。

セイラだけではない。

重装備の戦士ゲイルとノッシュは手に持つ盾でオーガの攻撃を受け止め隙を作り、そこにアーチャーのカイルが矢を放って弱らせた所を槍使いのマシューやアサシンのバロンが仕留める。


「『インフェルノ』!」


 そして魔法使いなのに何故か下に降りてきたレベッカの魔法も、魔法に弱いオーガを焼き数匹を黒炭に変えて行っている。

1人でオーガに勝てるのはセイラとレベッカくらいだが、他の冒険者達は協力しながら2,3人でオーガを相手にしていた。

そんな中、俺は……


「危っ! 危なっ!? 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! 死ぬわこんなの!?」


 無様に逃げ回っていた。




****************************




死にたくない、死にたくない、死にたくない。……生きたくない。

死にたくない、死にたくない、死にたくない。……生きたくない。

相反する感情を抱きながら、俺は戦場を駆け巡る。

煙玉でオーガの視界を塞ぎ、バインドで一匹の腕を封じる。

試しにダガーで突っついてみたが、オーガの肌は硬くてこれっぽっちもダメージを与えられない。すぐに踵を返して逃げ惑う。


「チクショウ! セイラの奴! 何が『貴様は私が守る』だ!」


 悪態を吐きながら、戦いが始まったら真っ先にオーガに突っ込んで行って、俺の事を置き去りにしたセイラを見やると、オーガ3匹を1人で相手している。やっぱアイツバケモンだわ。

とはいえ、さすがに3匹相手はしんどいだろう。他の冒険者連中も疲れが出てきているのか防戦一方だ。重傷者も出始めていて、女魔法使いのミアがテレポートで回収してる。

さきほどからカイルの援護の矢がやんでいる。矢が尽きてしまったのだろうか。


「『トータル・エンチャント』!」


 アスミちゃんの声が聞こえ、俺も含めた冒険者達の身体が淡い光に包まれる。

支援魔法のようだ。重くなりかけていた身体が軽くなる。これなら!

俺はオーガを引きつけ、3匹ほどに追われながら矢を拾う。


「カイル! これ使え!」

「オ、オウ! スマン!」


 拾った矢をバインド用の縄で束ね、カイルへと放る。

すぐにカイルが苦戦しているゲイルやノッシュ達への援護を再開する。

これで、アイツらは大丈夫だろう。

セイラも……3匹いるオーガの内1匹を倒して均衡を破った。アイツも大丈夫そうだな。

後は、俺を追っている3匹のオーガだけだ。

俺は城壁伝いに走り、オーガ達を主戦場から遠ざける。

懐から取り出すのは、ドラゴンに踏まれても壊れない特注の銀の箱。

その中からとっておきを取り出す。

ピンポン球サイズの黒い玉。

1個20万マニーの爆発玉だ。俺はピンを抜き、追ってきている3匹のオーガの真ん中に向けて爆発玉を放り投げた。

爆発玉は見事に爆発し、3匹のオーガを炎に包んだ。


「……威力が落ちてるな、使わない内に湿気てたか」


 思ったより小規模になってしまった爆発玉の爆発に、俺は独りごちる。

高いからとケチっている間にしけてしまっていたらしい。

それでもオーガ3匹には十分だったらしく、黒焦げになったオーガ達が倒れピクリ共動かない。


「……何かを隠してると思っていたが、随分危ない物を持っていたな。あれは何だ」


 いつの間にか来ていたセイラが、俺に話しかける。

見ると、オーガ達が全滅している。戦いは終わったようだ。


「爆発玉だよ。ちゃんとした正規の冒険者アイテムだ。扱うのが難しくて許可を受けないといけないのと、1個20万するから、使う奴は少ないけどな」

「……貴様、許可は取ってるのか」

「取ってる取ってる。ほれ」


 俺は、冒険者ブックを開いて『爆発玉取扱許可書』を提示する。これがないと爆発玉を扱えないし、そもそも買えない。


「フム……、ちゃんと研修も受けているようだな。しかしなぜこれをドラゴン相手に使わなかったのだ?」

「あの時はアスミちゃんを巻き込んじまいそうだったのと、炎に耐性のあるモンスターには効きにくいんだよ。オーガはそれほどでもなかったようだがな」

「……そうか、分かった」


 ご理解して頂けたようでセイラが、重々しく頷く。


「ユイトさん! お怪我はないですか!」


 アスミちゃんとレベッカが、城壁から降りこちらに駆け寄ってくる。


「俺は大丈夫だ。それより他の奴らを……」

「もう回復魔法かけたわよ。怪我人は多かったけど、この街の冒険者も中々やるわね」

「ああ、立ってる連中は全員レベル30以上だからな」


 疲れてはいるようだが、オーガ相手にしても退かずに立っていた戦士のノッシュやゲイル、ツンツン頭のナンパな槍使いマシュー、大柄で寡黙なアサシンのバロン、リーダーを務める事が多いカイルなどは全員冒険者歴10年以上のベテラン高レベル冒険者だ。……俺と違って。


「しかし、なんで急にこれほどまでのオーガが……」


 倒れている20匹のオーガを見ながら、セイラが不可解そうに言う。


「分からん。ただ、あのドラゴンはこのオーガ達から逃げてホブス山に来てたんだろうな」

「ウム。おそらくそうなのだろう」

「なんでこんな所にオーガが来たのでしょう? しかもこんな数……」

「分かんないわよ。でも全部退治したからいいじゃない」


そんな事を話し合っていると、どこからか1匹のオーガが現れた。

小柄なオーガだ。

小柄といっても2m超はありそうだが、他のオーガ達と比べるとひと回り小さいオーガだ。


「なんだ、まだ1匹いたのか?」

「……」


 小柄なオーガが、セイラに向けて歩みを進め、右拳が握り振り上る。

セイラが大剣で受け止めようと構えを取り……




――寒気がした。




本能が言っている。アレを受けさせてはダメだと。


「ダメだ! 避けろっ!!!」

「っ!?」


俺の言葉に、セイラがとっさに後ろに飛んで、小柄なオーガの拳を躱す。


ズウウウウウン!


 すさまじい音を立てて、小柄なオーガの拳が地面を叩く。


「くうっ!」

「きゃあっ!?」


 すさまじい衝撃に、隣に立つアスミちゃんが吹っ飛ばされそうになる。俺はアスミちゃんの身体を受け止め踏ん張った。

小柄なオーガが叩いた地面には、隕石が落ちたようなクレーターが穿たれていた。

拳を受け止めようとしていたセイラが、呆然とした顔でその痕を見ていた。




「チビニンゲンめ、よけずにくらっていればミンチにしてやったものを」

「しゃ、喋った!?」

「おお、しゃべるとも。オレサマはトクベツなオーガだからなあ」


 明らかに只者ではないオーガ。

特別なオーガを名乗るそのオーガは、他のオーガ達と違い一回り小さいが、赤い肌の肩にある紋章をつけていた。


「キ、キサマ! その紋章は……!」」


 セイラが、紋章を見て警戒を露わに大剣を構え直す。


「オウジョーチャン、このモンショー知ってるのか?」

「知ってるも何もない! キサマ! 魔王軍の者か!」

「おおともよ。魔王様にメーレーされて、コイツらつれてきたってわけよ。しかし、ハナシがちがうな。ヘンキョーの街でたいしたボーケンシャはいないってきいてたのによお。これならサイショから、オレサマがでればよかったぜ」


 オーガが、倒れた同胞を悼むようにその身体を撫でる。


「よくもコイツらをやってくれたなあ、クソニンゲンどもが。オマエらも、この街もメチャクチャにしてやるからなあ」

「そ、そのような事させぬ! そもそもキサマ、何者だ!」

「オレサマがだれかって? いいだろうともよお、メイドのミヤゲにきかせてやるよ」


 セイラの問いかけに、小柄なオーガが天に吠えるようにして自分が誰かを告げる。




「オレサマは剛腕のリューガ、魔王様の幹部の1人よ!!!」

・レベッカの魔法


フレイム・インパクト 炎の塊を相手に叩き落とす。近距離用。

インフェルノ 獄炎の炎を相手に飛ばす。中距離用。

ファイヤーボール 炎の玉を飛ばす初球魔法。ゴブリンくらいしか倒せない。


レベッカが使える魔法はこの3つだけ

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