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ただいま





 部屋に人の気配がする。きっとキャロルが起こしに来たんだろう。


 昨日はウィリアムがなかなか出て行ってくれないせいで、寝るのが遅くなった。



「キャロル? もうちょっと寝るから、ごはんは置いておいて」



 キャロルに大事なことを伝えて布団を頭から被った。が、乱暴に布団をめくられる。



「キャロル?」



 キャロルがこんな乱暴なことしたことない。何かあったのかもしれない。私は飛び起きた。




「お兄ちゃん?」

「小夜?」

「お兄ちゃん?」




 目に映る久しぶりの最愛のお兄ちゃんに、ギュッと抱き付くと、お兄ちゃんは背中に手を回して、ポンポンと優しく叩いた。




「お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃん!」




 私の歓喜にお兄ちゃんは、ちょっとだけ口角を上げて、それでもちょっと面倒そうに「あーはいはい」と答えてくれた。



「お前がなかなか降りてこないから、何かあったのかと思ったよ。小夜だったんだな。父さんと母さんが仕事に行く前に顔見せてやれ」

「うん!」



 私はパジャマのままバタバタと階段を降りて、リビングのドアを開けた。その勢いのま叫ぶ。



「小夜だよ! ただいま!」



 トーストとコーヒーとサラダという簡素な朝食を摂っているところだったお母さんとお父さんは、驚いたように目を見開いて、私の後ろのお兄ちゃんを見た。


 


 安心したようにお母さんが駆け寄ってきて私を抱きしめる。



「小夜! 会いたかったわ」

「よく帰ってきてくれたな」




 反対側からもお父さんに抱きしめられて私はサンドイッチの具になった。たぶん卵がと思う。




「すごい久しぶりに帰ってきた気がする! 会いたかったよー」

「ふふ。また硬い卵食べさせられたの?」



 お母さんが揶揄うように私の卵への愛を言った。


「うん。オムライスの上に薄焼き卵がのっかって出てきたの! でもそうじゃなくて、会いたかったよー。なんで自分の家なのに自由に帰れないのー?」

「そうだよな。小夜。ずっとここにいてくれ」

「いたいよー。どうしたらいれるの?」




 そこまで言ってハッと気づいた。お兄ちゃんが一歩引いたところで私たちを見守っている。



「お兄ちゃん! 大丈夫だった!」



 私の自信満々の顔と声にお兄ちゃんは疑ったような目で眉をしかめた。



「なにが?」

「魂入れ替わってるのバレちゃったけど、大丈夫だった」

「小夜? それ本当なの?」

「大丈夫なのか?」




 私は事の経緯を話す。あっちの家庭内ストーカーまじやべぇ、と。



「それ、ウィリアムがどうこうじゃなくて、小夜がボロ出しすぎたんじゃないか」

「……でもさ、こちらの世界って言いかけたり、ここの、とかさ、ちょっとしたことじゃない? なんで、そんなのいちいち気にすんの? 私だったら全然気になんない! 自信あるね!」


「小夜、それで、大丈夫なの?」

「……大丈夫かどうかについては分かんないの」

「……どういう意味だ?」




 私は魔女に会えたことを伝える。少しでもこっちに帰れるヒントを知りたくて自分の情報を出しまくったところ王に警戒されて監禁されそうになったこと。



「王の監禁は免れたけど、ウィリアムに捕まったというわけか」

「うん。これ大丈夫?」



 ウィリアムの言葉だけを信じれば大丈夫だけど、時々見せる狂気を含んだ目に大丈夫とは思えない。



 みんなもどう考えたらいいものかと静かになる。



「ウィリアムの気持ちがどうであれ、小夜も俺たちもあっちの入れ物は必要ないんだから、好きにさせておけばいいんじゃないか? どうせ、帰ってくるときは中身だけなんだし。こっちに帰ってくるのはウィリアムにだって止められるもんじゃないだろ」

「……そうだね。そうだね! ちょっとシャーロットには悪いけど、傷つかないようにだけ頑張るよ」

「小夜……。傷ってどういう意味かしら?」



 お母さんの声が震えている。たぶん怒りで。そうだよね。むかつくよね。



「うん。そのうち、逃げないように縛られるんじゃないかって思うの。手首とか首とかに縄付けられて。痕になると、さすがに体戻った時いたたまれない」

「そう」


 なぜか、お母さんの声が安堵に包まれた気がする。娘が縛られるかもしれないというのに。場合によってはトラウマ級だというのに。



「小夜……、その、ウィリアムの部屋の続き間に寝室を与えられたんだろ? そのへんはどうなんだろう?」



 お父さんがとても聞きにくそうにしどろもどろに尋ねる。



「あぁ。そういう意味か。一度大人になるために協力するって言われたときはビビったけど、ちゃんとお断わりしたら大丈夫だったし、その一件でキャロルが目を光らせるようになって」



 それじゃキャロルの寝る時間がなくなるから一緒に寝ることにした。さすがに隣にメイドが寝てるのにベッドには忍び込んでこないと思う。



「そうか。キャロルさんにはお礼をしないとな」

「本当ね。体は自分のものじゃなくても経験するのは小夜だもの。怖い思いするのも……」



 お母さんがお兄ちゃんを見上げて、お兄ちゃんが小さい声で「悪かったよ」と言った。



「あぁ、まだ話を聞きたいけど、もう行かないと」

「本当だわ。なんでこんな日に仕事なんか。お母さん明日からしばらくは有休にするわ。だから、小夜またあとでね。絶対いてね」



 そういった両親は私を具にし両サイドからまた抱き着いた。二人のにおいに安心する。



「うん、絶対いるよ。安心して行ってきて」




「小夜は何が食べたい?」

「今日はトーストでしょ? 私もそれでいいよ」

「……卵がなくてもいいのか?」

「うん。その代わりお昼にオムライスの作り方教えてね。私とろりは難しいから私でもできる方法教えてほしい」

「……なんの代わりだよ。いいけど」



 お兄ちゃんと隣り合って座ってマーガリンをたっぷり塗ったトーストをハムハムする。思い出してははっと笑いが込み上げた。


「何がおかしいんだ?」

「ちょっと思い出しちゃって」



 訝し気に聞くお兄ちゃんに私は笑いながら答えた。



「キスリレーされたときね、十人以上だったから唇がピリピリしてきて痛かったの。切実にリップクリームが欲しかったんだけど、どう見てもそんなのが手に入りそうな場所じゃないから、油かマーガリンでもいいって思ったんだ。ははっ」


「……今、お前の口の周りはマーガリンでギトギトになってるけど潤ってるのか?」

「うるおいはするけど、このままでいられないくらいには不快だね!」


 「だろうな」と言いながら、お兄ちゃんはコーヒーを飲む。



「そういえば、私とお兄ちゃんてピロートークしてたんだね」


 「ぶはっ」と、お兄ちゃんの口からコーヒーが噴き出す。


「汚いな」

「ケホッ。お前が、変なこと、言う、ケホッ、から」


 お兄ちゃんはテーブルのコーヒーの汚れを吹きながら、ムセつつなんとか答える。


「だって、ピロートークって愛し合う男女が枕を並べて話すことをいうんでしょ」

「どこで聞いたんだ?」



 私はウィリアムとの話の流れを伝えた。微妙そうな顔になったお兄ちゃんがため息を吐いた。



「愛し合う男女がと言うよりは、愛し合った男女が、だ」

「どう違うの、それ?」

「全然違う。もっと言えば男女に限らない」

「そうなの?」

「そうなの」



 「それと」とお兄ちゃんが懲りもせずにコーヒーをまた口に含んだ。


「小夜が最初に思った通り、家族に質問する類の話じゃない」

「やっぱり? なんかおかしいとは思ってたんだよね。ウィリアムめっ」

「いや、ウィリアムはわりと頑張って教えようとしてくれた方だと思うぞ」

「そうなの?」

「そうなの」



 よく分からないけど、お兄ちゃんがそう言うならそうなんだと思う。


 そういえば、今日はどこも痛くないことに気づく。



「お兄ちゃん、私どこも痛いところないけど」

「あぁ。小夜の作戦がうまくいったんだ」

「うまくいったって、あの小夜の外見を見せて元の姿に戻りたくなる作戦?」

「そう」



 自分で提案しておきながら、それはそれでちょっと癪なこの作戦が実を結んだらしい。


 お兄ちゃんがシャーロットについて話してくれる。



 私に前に教えてくれた、四歳の時の話。あの時私は本当にシャーロットに会っていたそうだ。シャーロットが覚えていたと。


 その時のシャーロットは、最後の面会者、エミリーが来なくなってしばらくした時のことだった。「きっと忙しくて来れないんだわ」「もしかして既に……」と二つの相反する希望と絶望が交互に脳裏に過っていたという。



 最初はやっとお迎えが来たと思った。でもどうやら違うようだ。それでも数十年ぶりの人との会話は会ったことのない人であっても嬉しいものだった。ほんの十分にも満たない時間だった。



「それでも、もしかしたらまたあの子が会いに来てくれるかもって、希望の一つになったみたいだ。……まぁ、結局そのあと小夜はシャーロットの元に行かないわけだから絶望に変わっただろうけど。まぁ、あいつは何も言わないけどな……」



 だけど、シャーロットは一緒に嬉しい音楽を歌ったその十分を大切な思い出にしてくれていたようだ。鏡で私の姿をみたシャーロットは、あの時の子だと分かって、今までの自分の行いを猛省したという。




「それで、自分の体に戻るための助言を求めてきたんだ」

「……そんなことお兄ちゃんたちが知るわけないのに……」

「あぁ。そう言ったよ。ここは魔法のない世界だから分からないって」



 でも、お母さんもお兄ちゃんもお父さんもシャーロットが出て行って私が戻ってくるなら願ってもないことだ。


「だから、何かヒントになるものがないかと、俺たちはとにかく会話を重ねている」



 その千年前の記憶の中で、曾祖母に害されたことをシャーロットはしっかりと覚えていた。


「『あんなに優しくしてくれていたのに、どうしてこんなことに』って……泣いてたよ。さすがに同情したよ。家族にこんなに残酷な目にあわせられていたのかって」



 シャーロットは、千年の眠りの裏の愛を知らない。ただ害されたことだけがシャーロットの中の真実だ。私はエヴァンズから聞いた本当の理由を伝える。






「そうか、そんな事実が隠されていたんだな」


 お兄ちゃんは心なしか少しほっとしたようにそう言った。


「うん。今度会ったら教えてあげて」

「あぁ、もし会ったらな。でもシャーロットは自分の体に戻る努力をしたいと言った。あっちの自分の体で目覚めてもうこっちには来ないかもしれない。だけど、ウィリアムから聞くことはできるだろうから、少しでも慰められるといいな」


 私のシャーロットにつけられた傷は左手首の切り傷と、左足首の捻挫。もっと酷い、例えば痕に残りそうな傷を負わせられていたら許せなかったと思う。だけど、それも自分の体と勘違いしてしたことだ。そして、千年もの残酷な日々。想像すらできない日々。そんな心の傷があれば自死を望むのも理解できる。




 私はシャーロットと直接会うことができないから何もできないけど、せめてシャーロットの心が少しは慰められればいいと思う。



「それでシャーロットはどう過ごしてたの?」



 お兄ちゃんは私を見てそれは優しい顔で笑う。


「小夜のことを聞きたがった」

「私のこと?」

「あぁ」




 シャーロットは王族の宿命や魔法について話しながらも、私のことを聞きたがったという。「あの異国の天使のような子は今どうしているのかしら?」って。シャーロットはいい子だと思った。



「最初は小夜を害していた罪悪感で小さくなってたけど、そんな関係性じゃ、縮こまって話もまともに聞き出せないだろ? 俺たちとしてもそれは歓迎できることじゃないからな」



 縮こまって恐縮するシャーロットを懐柔するために、みんなとにかく優しくしたという。関わるうちにシャーロットへの同情心も芽生え、心から優しくしたいと思うようになったそうだ。そんな日々を送るうちにシャーロットは、おそらく本来の姿なんだろう。明るさを取り戻していったそうだ。



「『小夜はオムライスが好きなの? 食べてみたいわ』『まぁ、では、このお布団のシーツは小夜が肌触りで選んだのね?』『では、この写真? というものに写っているこの子はどなたなのかしら?』って。小夜小夜って。……たぶん、一瞬でも心を救ってくれたお前の存在はシャーロットにとって特別なんだろうな」



 そんな私の話を強請るシャーロットに私大好きな私の家族も嬉々として語って聞かせる。愛娘を慕う者に悪い奴はいない。そんな高瀬家家訓ともいえるルールだ。



「お兄ちゃん、今、オムライスって聞こえたけど」

「あぁ、シャーロットが食べてみたいって言うから作ってやった」

「もしかして、他にも何か作ってあげたんじゃないの?」

「あぁ、でも目玉焼きとか……。あ……ハンバーグに乗せたこともあったな」

「ハンバーグ!」



 私は卵がいちばん大好きだけど、卵だけで満足できる体じゃない。お鍋もカレーもおうどんも。何でも食べる。



 私は湿った眼でお兄ちゃんを見る。


「なんだよ?」

「お兄ちゃん、シャーロットの胃袋まで掴んじゃってんじゃないの? 私の胃袋だけじゃ掴み足りないの?!」

「何言ってんだよ」



 呆れた顔でお兄ちゃんがそういった。お兄ちゃんが私以外の女の子にご飯作るなんてなんか嫌だ。お兄ちゃんは私のだもん。





「午後休がとれたのー」


 そういってお昼にお母さんが帰ってきた。私がお兄ちゃんにとろりオムライスの作り方を教えてもらっていた時だ。


「あらあら、小夜がごはん作ってるの? じゃあお母さんにも作ってくれない? 小夜の手作りなんて久しぶりだなー」


 お母さんの言葉だけで私の返事は何一つないけど、私がお母さんのとろりオムライスを作ることになった。



「私。姫なのに」

「あぁ、四人分作ることになったやつか」

「そう」

「なぁに、それ? お母さんにも教えてちょうだい」



 私はウィリアム、キャロル、クロウの分のとろりオムライスを作ることになった経緯を話す。


「あら、大丈夫よ。シャーロットちゃんが帰ってくれるもの」

「なんでそう思うの?」

「だって、そう言ってたじゃない。自分の体に戻る努力をするって」

「……さっきお兄ちゃんにも言ったんだけど、シャーロットの体にシャーロットが入ってるときは仮死状態になってるんだって」



 お兄ちゃんが私を慰めるように私の頭を撫でる。


「俺も言っただろう? 母さんと同じように。シャーロットが自分の体だと思っていたのは小夜のものだったって気づいたんだから。きっとあっちで目覚めてくれるよ」

「……だといいんだけど」




 なんか心がもやもやした。漠然とした不安というか罪悪感。



 私はそんなふうに考えながらもチキンライスを作るためにフライパンに野菜を入れる。お兄ちゃんの目を盗んでニンジンは切らなかったのに、なぜかニンジンが投入されてバッとお兄ちゃんを見た。



「切っといてやったぞ」


 圧のこもった眼力に「ありがと」以外何が言えるのか。



 チキンライスも出来上がったし、次はデミグラスソースに手をつける。お兄ちゃんお手製のあれだ。今日もきのこを混ぜようと冷蔵庫の中を物色した。お兄ちゃんが横からブロッコリーとニンジンと玉ねぎをとる。



 黙ってじーっと圧をかけても、ニンジンをさりげなく冷蔵庫に戻してもニンジンは必ずお兄ちゃんの手元に戻った。ニンジンの自宅はお兄ちゃんの手元なのかもしれない。帰巣本能が過ぎる。


 ぶつ切りしたニンジンと玉ねぎ、湯通ししたブロッコリーを炒めて。温めたデミグラスソースに投入。



 ここからが本番、とろりオムレツ。お兄ちゃんがまずはお手本。牛乳を入れた卵を流しいれてスクランブルエッグを作るようにくるくるする。半熟の状態でフライ返しで半分に折りたたんで、濡れ布巾の上に置いて形を整えたら、フライパンに戻して外側を軽く焼く。それで出来上がりだ。



 フライパンが重たくて、片手で操作できない私にはぴったりだ。



 お母さんは私の手作りを所望なので、お手本通り作る。お兄ちゃんが作ったものに比べるとちょっと形は歪だけど、お母さんは嬉しそうに食べてくれた。もちろんナイフをいれるとふわとろだ。



 次に練習のためお兄ちゃんの分も作る。もう少し上手にできた。これなら王子であるウィリアムに出しても問題ないと思う。



 夜はちょっと早く帰ってきたお父さんが、ちょっといい肉を買ってきた。そう、すき焼きだ。お父さんはほとんど料理しないけど、すき焼きだけはお父さんが作る。



 すき焼き鍋に牛脂で油を引いて、きれいなサシの入った牛肉を一枚引いて、その上にグラニュー糖と醤油をかける。この一番最初のお肉が一番おいしいと思う。お父さんがその一番乗りのお肉を私の溶き卵にのせてくれたので、私は卵を絡ませてお肉を口の中に入れる。



 なんともいえない肉汁とそれに絡む卵のまろやかさ、ちょっと濃い目の醤油がいい具合に混ざり合って私の口の中は天国になる。かみしめているうちに、お父さんは野菜を入れる。すき焼きの割り下を調整してぐつぐつと煮立ってくる。



 春菊もおいしい。えのきも美味しい。日本て最高だよね。




 口の中が美味しくて幸せな気持ちでボーっとしてるとお母さんにお風呂に誘われた。




「久しぶりに親子水入らずでお風呂に入りましょう。背中流してあげる」




 内緒話のお誘いだ。










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