表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂川見聞録  作者: ぢだぱぢぴぢぱぢ
4話「砂川、走る」
87/336

[4-29]緊急事態!

 「もう何をやってもダメが元々ってんなら――」深幸くん、咄嗟の決意。突然のアクシデントを抱えた白虎チーム、そしてもう次の流れがバレバレな4話29節。


挿絵(By みてみん)




――[Time]15:15




【笑星】「あー……楽しかったー……!!」

【四粹】「流石に草臥れましたが……」

【信長】「普段使わない筋肉を使った感じがするな」


 退場口で御輿を解体中……


【鞠】「ささささっ」


 アイツは着替えに校舎に走って行った。マントを羽織りながら。


 ……もうちょっと、見ていたい気がしたんだが。


【深幸】「……はは……そっかよ……」


 結局、何もかも、返り討ちの気分だな。


【信長】「深幸?」

【深幸】「何でもねえよ。さ、早くバラバラにしちゃおうぜ――」

【菅原】「茅園! 松井!」


 ……団長が、走ってきた。随分本気で走ってきたみたいで、息が上がってる。


【深幸】「え……どうしました団長? アイツはもう着替えに行っちゃいましたけど」

【菅原】「それも残念だが、それどころじゃない事態が起きているの。臨時会議よ」

【信長】「臨時会議――?」



 ……………………。




【深幸】「はぁっ!? 欠員!?」


 団長、副団長が急遽揃った。


 緊急事態、それは別に複雑じゃない。人員欠如が発生したのだ。


【副団長】「先ほどの部活対抗リレー前編に出ていた陸上部の阿部先輩が、足をやってしまって……」

【信長】「阿部は、確か――」

【菅原】「そう、次の……カップルリレーの出場選手だったの」


 それは……確かに、とんでもない事態だった。


【信長】「そうなると、阿部・大場ペアは欠場……1ペアしか出場できないとすると……」

【深幸】「全チームで計7ペア。最高得点200点を逃せば、確実に100点くらい差が発生してしまう……ただでさえ今最下位なのに……!」

【菅原】「……その次の、最終種目は私たち3年生のクラスリレーだけど……希望的に予想しても、六角率いるB組には勝てないわ。つまり、最高得点の150点を奪われるのはほぼ確定……2位以下の正確な得点配分は非公開だけど、間違いないのは……このカップルリレーで1位を取らなきゃ、私たちは絶対勝てない」

【副団長】「田町・新宿ペアの実力は……?」

【菅原】「正直……厳しいわね。4位を取れればラッキーというくらい。私の調査では朱雀と青龍が強敵なのよ」

【深幸】「おいおい……」


 このカップルリレーで1位を取り、玄武に逆転した状態でクラスリレーに行かなければ、俺たちの優勝は無い。


 俺たちは、こんなに頑張ってきた……だから、そんなアクシデントで欠場を出して負けるなんて、そんな不完全燃焼、絶対嫌だろう。


【信長】「だったらせめて、代打のペアをすぐ作れば……」

【菅原】「過去に沢山例はあるから、実行委員も認めてくれる筈。だけど当然、勝つ為の代打を呼ばなければ結局は最悪な負け。そして、そうなる可能性は……非常に大きい」

【副団長】「ど、どうして……!?」

【深幸】「カップルリレーの最高得点が全種目で一番デカいのは、それだけ難しい種目だからなんだよ。二人三脚、長距離走、障害物走、この3つを同時に練習する日々を重ねないと、この種目相手に太刀打ちできねえ」


 つまり、最も欠場を出してはいけないところだったんだ。


【副団長】「そんな……ここまで、きて……」

【副団長】「…………」

【信長】「せめて大場の足を引っ張らない奴を見つけることができれば……」

【菅原】「大場には既にこの状況を伝えているけど、「阿部くん以外とペアを作るのは、正直嫌だ」と云ってるわ」

【信長】「そんなことを云ってる場合でないだろうに……!」

【副団長】「いやでも……彼氏が居るのに、彼氏じゃない人とカップルリレーという名の種目でペアを作るのは確かに嫌ですよね……」


 云い換えれば、欠場を出してしまった時点で、もう他に太刀打ちできない団員しか居ない俺たち白虎チームは――


【深幸】「……………………」


 ――いや……待てよ。


 居るだろ?


 たった一人、俺は知ってるじゃねえか。


【深幸】「…………団長。もう何をやってもダメが元々ってんなら――」

【菅原】「茅園?」

【深幸】「――俺に、任せてくれませんか?」



 そろそろクライマックス。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ