[7-13]寄り道
「結局、僕は、何がしたかったんだ――?」四粹くん、独自に行動開始。さあ、次は誰がやられる? な不穏バクバクな7話13節。
――[Time]8:30
【四粹】「はぁ……はぁ……」
足の怪我を無視することはできず、交通機関を用いてもだいぶ時間が掛かってしまった。
息があがっている。
怪我が影響して単純に体力が落ちたというのもあるし、焦りを禁じ得なかったというのもある。
……僕は、焦っていた。
【四粹】「早く――処理、しなければ」
さもなければ、会長が、辿り着いてしまうのではないかと。
――恐ろしい人だった。
あれだけの凄惨な事件が起きても尚、会長はペースを崩さない。ミマ島でのアクシデントでも思ったが、一体どんな経験をすればあの土壇場であれほどの適応力を発揮するに至るのか。
……真理学園、だからなのか。
【四粹】「だとしても、ダメだ」
この先に、踏み込んできてはならない。
学園とは全く違う……本物の世界に、皆さんを巻き込むわけにはいかない。
【四粹】「血の掟……か」
暫く口にも耳にもしてなかった概念。
村田さんの姿は……まさにその枝を示していた。
会長の状況処理力は、僕の想像している以上だ。急がないと、会長が踏み込んでしまう前に――
――[Stage]玖珂家
【四粹】「――玖珂さん!!!」
…………。
【四粹】「玖珂さん……? 玖珂さん……!?」
……居ない。
気配が全く無い。
【四粹】「……電話に出ないし、転職先もまだ決まっていないから、寝ていると思ったのだけど――」
――姿も見えないし、アルスすらも無い。
玖珂さんは――消えていた。
【四粹】「ッ――まさか……玖珂さん――」
――嫌な想像がどんどん、駆け巡る。
【四粹】「……ダメだ……そんな事は、絶対ダメだ……ボクが、ボクが此処にいる――!」
……焦ってはダメだ。
迷っている暇は無い。これ以上、犠牲者を出す前に――
【四粹】「……クソ――!!!」
制服を脱ぐ。
……これで、僕はただの玖珂四粹だ。そう云い聞かせて――再度、外へ。
【四粹】「……何やってるんだ、僕は」
まさかこんな……とも。
だけどソレよりも、分かっていたのではないか?
――いつか、こうなるんじゃ……とも。
僕の結末など、分かっていた。なのに結局皆に、村田さんに迷惑を掛けてしまって。
――救いようのないほど罪深い存在の僕は、もうこれ以上生きていてはいけない、ということだ。
【四粹】「……結局、僕は、何がしたかったんだ――?」
どうして、僕は……生きたんだ――?
……僕のことなど、いい。それよりも、せめて……皆さんのことは。
紫上学園は――!
――[Time]18:00
――[Stage]霧草区
【鞠】「…………」
疲れた……。
【ババ様】「何か、目まぐるしかったの」
【鞠】「同感としか」
抑も朝ご飯食べてないし。しじみが足りない。
そのまま村田大事件の文脈で、警察さんや駆けつけてきた記者さんにガンを飛ばして情報規制かましたり、事件跡や情報をどう一般学生から突き放して誤魔化すか計画立てたり、もうこれだけで午後まで持ってかれて雑務あたりは限界になっていた。プラス私は元々予定にあった出張打ち合わせを何気ない顔でこなしたわけだ。
それから一応戻ってきたら、会計と書記がいて、また村田大事件の話題で会話に華を咲かせていた。因みに野球部は強制休日になったそうだ。流石に練習できるメンタルではなかったということ。書記も疲れてたし。
ってことで2人に強制帰宅を命じたところで、私も帰路に着いたのであった。私そういやお昼ご飯も抜いてた。多分ヤバいんだろうけど、ここまで来ると逆に案外大丈夫な感じすらしてくる。お腹空いてないわけがないんだけど、食欲が叫んでるってわけでもないというね。ランナーズハイみたいなもんかなコレ。
【鞠】「……帰りますか」
と、呟きはしたものの。
メイドは忙しいから、タクシー捕まえるなり鉄道利用するなりするんだけど。
……何か、迷ってる私が居た。
【ババ様】「どうした?」
【鞠】「…………」
……どうせランナーズハイ、なんだし。
もうちょっと、今日を続けてみようか――
ハリウッドのサバイバル系はガチで怖くてトラウマになります。ファイナルシリーズとか。




