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ウチの学校の制服はセーラー服だけど、寒かったら上にセーターやブレザーを着たりする。
もちろん学校規定のものだが、最近デザインが近代化したので、可愛いと評判だ。
ちなみに姉もここの出身だが、前のデザインの制服だった為、激しく悔しがっていたっけ。
「おっはよ、カナ」
「あっ、ミホ。おはよう」
ミホは高校からの友達で、気のいいコ。
ずっと一緒にいても、苦にならない。
「何か疲れてない? また徹夜した?」
「あ~、分かる? ちょっと編み物に夢中になっちゃってさ」
「気をつけないと。若い時の肌のダメージは後に響くよ?」
「分かってる。でもやめられなくてさぁ」
他愛の無い話をしながら、教室へ向かう。
同じ2のBの教室に。
「おはよう」
「おっはよ」
わたしとミホが声をかけると、教室にいたクラスメート達がこちらを見て、笑顔で挨拶を返してくれる。
「おはよー。カナ、ミホ」
「おはようさん、二人とも」
ここの生徒は、精神的に落ち着いている人が多い。
街にいるようなギャルは一人もいない。
校則が厳しいせいもあるけれど、きっと精神年齢が高いんだろうな。
高校二年の今、ほとんどのクラスメート達は進路を決めている。
未だに決まっていないのは、ミホぐらいなものだろう。
「ねぇ、ミホ。進路決めた?」
「やなこと聞かないでよ。まだよ、まだ」
わたしの席は窓際の一番後ろの席、ミホはその前だったりする。