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わたしの生きる道  作者: mimuka
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日をまたいでしまうのなら、まだ妥協して途中で止めるということができる。


でも作り上げてしまうのだから、途中で止められないのだ。


「ミホ、アンタも今日は早く帰りなさいよ。そしてミユちゃんにそれ渡して」


「あっ、そだった」


ミホはカバンと荷物を持った。


「じゃあ今日は大人しく、真っ直ぐ帰るとしますか」


「うん。お昼も家族全員で家で食べる予定だし。食べたら寝る。夜まで寝るわ」


「そうしな」


わたしは校舎を出ると、深呼吸した。


「う~ん。秋の匂いがするなぁ」


「ホント。食欲の秋よねぇ」


「…ミホの食欲は年がら年中な気がするわ」


背伸びをして、空を見上げた。


進路が決まったからと言って、楽になるわけじゃない。


これからが本番だ。


手芸についても、人生についても、いろいろあるだろう。


けれどわたしの心には、一本の芯が通った。


今後いろんな苦しみを味わうことになっても、何となく…そう何となく、大丈夫な気がする。


「カナぁ、早く帰ろうよ」


「あっ、うん」


わたしは先行くミホに駆け寄った。


「どうしたの? ぼんやりしちゃって」


「うん。進路も決まったし、とりあえずは…」


わたしは笑みを浮かべ、再び秋空を仰ぎ見た。


「ゆっくり眠れそうだなって思っただけ」




〔お終い〕


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