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仕事の全ては、父がいてからこそ成っていたんだ。
「父さん…柊さんは何も言わなかったけど、あたしのやることをいっつも支えてくれた。だから子供達にも、何かを強制したりはしたくないの。例え将来のことでも、ね」
「母さん…」
母はにこっと笑った。
「一般的な母親だったら、『ちゃんと自分一人で決めなさい』って言うことが正しいんでしょう。でもアタシはそれで一度失敗しちゃったから、言えないわね」
自分が苦労したことだから、ムリには進路を決めなくて良いと言ってくれている。
「幸いウチは金銭的には余裕がある方だし、カナが納得する将来を決めるまで、養ってあげられるしね。だからゆっくり考えなさい。高校卒業してから決めたって、悪くはないんだから」
「…うん。ありがと」
「カナは上の二人と違って、家事もしてくれるし、家事手伝いでも良いんだからね? アレだったらあたしの仕事のアシスタントとかって言うのもあるから」
そう言ってぎゅっと抱き着いてきた。
「うっうん」
「柊さんや菜摘、菜月もカナのお手伝いだったらいつでも必要にしているから。そっちの就職もあること、考えておいてね?」
「わっ分かった」
…でも四人にはお手伝いなんて必要ないだろうなぁ、と言うのは口には出さずにいた。




