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もう…子供でいられる時間は少ない。
わたしはもっと、成長しなくてはいけないんだ。
「カナぁ。いるぅ?」
「母さん? いるよ、入って大丈夫」
母が扉の向こうから、声をかけてきた。
「あっ、悪いけど開けてくれない? 両手塞がっているのよ」
「うん」
何かを持っているんだろうか?
わたしが扉を開けると、母はトレーに紅茶とケーキを載せて立っていた。
「試作品、作ったの食べてみてくれる? 紅茶もオリジナルのブレンドを作ってみたの」
「わあ! 美味しそう! うん、食べる食べる」
わたしはトレーを受け取り、テーブルに置いた。
クッションを床に置き、母にすすめる。
「母さん、座って」
「うん。さっ、食べてみて」
「いっただきまーす」
母の試作品は、ロールケーキ。
黄色のスポンジに、クリームは茶色。クリームの中に四角く、小さな黄色のが見える。
フォークで一口食べると、笑顔がこぼれた。
「美味しーい! コレ、サツマイモと栗のロールケーキ?」
「うん。サツマイモをスポンジの生地にまぜて、栗のクリームにリンゴの角切りを入れてあるの」
「あっ、このシャリシャリ、リンゴなんだ。栗の甘さがリンゴの酸っぱさと合ってて、スゴイ美味しいよ!」
それにサツマイモのスポンジの風味が良い。
三つの味が引き立っているのに、邪魔しあっていないのがスゴイ。
「コレ、ネットで販売するの?」




