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わたしの生きる道  作者: mimuka
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3

けれど姉のことについては、わたしとの血のつながりをより強く感じてしまうので、両親には何も言えない。


アトリエにつながる引き戸を、わたしはドンドンと叩いた。


「おねぇ、朝だよ? 朝食できたよ」


「えっ! もう朝?」


中からはハイテンションな姉の声が返ってきた。


…どうやら徹夜で仕事をしていたらしい。


やっぱりわたしの姉だな。


変なところで感心しながら、ケータイをポケットから取り出し、時間を確認する。


「うん。六時半」


「ヤダぁ!」


引き戸の向こうから、


〈ガッシャン ゴロゴロッ!〉


という不吉な音が聞こえてきたので、両耳を手で塞いでやり過ごした。


「キャーッ! 売り物がぁ!」


「片付けたら来てね」


無情にも姉を見捨て、わたしは本宅に戻った。


そして今度はリビングを通って廊下に出て、地下一階へ下りる。


そう、ウチには地下がある。


ここには季節外れの物や、使わない物を入れたりする部屋の他、書斎や兄の部屋もある。


兄の部屋の扉を叩く。


「おにぃ、朝だよ。朝食できたよ」


「ああ…もうそんな時間か」


か細くも、はっきりとした声が返ってきた。


扉はすぐに開き、ぼんやり顔の兄が出てきた。


「…シャワーを浴びたら、行く」


「分かった」


兄と共に廊下を歩く。


ちなみに三年前に改築して、地下にもおフロ&トイレが作られた。


これは兄の為に、だ。


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