プロローグ的な物語の説明
この物語を始める前に、一つだけ知っておいてもらいたいことがある。それは生活の一部であり無くてはならないもの、『炎』についてだ。
炎。それは物質が酸化する時に起こる反応である。
炎と聞くと火傷と言う単語が頭に浮かぶ人も多いだろう。そう、炎は熱いのだ。なぜ熱いのかと言うと、物質が酸化する時、熱エネルギーと光エネルギーを放出するのだが、この時に放出される熱エネルギーが高温になるためである。
一概に高温と言っても、酸化する物質によってそれぞれ温度が違う。例えばタバコの火だ。タバコの火は最大で高温になった時850°Cの熱を発する。さらに身近なものだと、ガスコンロやガスバーナーなどは1700°C、マッチをつけた瞬間の温度は2500°Cだ。太陽の黒点の温度が3000°Cなので、マッチをつけた瞬間は太陽の黒点よりも少しだけ低い温度が出ていることになる。
このように日常的に扱っている物からこんなにも高温が出ているのかと思うと、次にマッチをつける時や料理をする時に少し意識を持って慎重に扱うように心がけようと思うだろう。
しかしだ。
長々と炎の温度の話をしてきたが、この物語は『火の扱いに気をつけよう』と言うメッセージを読者に伝える話ではない。ならば、なぜこのような、読んでいるうちに眠くなりそうな文章を書いたのか。
それは炎よりも熱い物などあるのか? と言う問いを読者に投げかけたいからだ。
先程も書いた通り、炎の温度は酸化する物質によって変化する。自然現象で一番高い温度は、新しく生まれた星が、爆発する時に出す1億°C。これよりも熱いものなど、はたしてあるのか?
はっきり言おう。答えは、ある、だ。
しかしそれはごく抽象的な考え方のもので、読者の受け取り方によっては熱いとは思わないかもしれない。むしろ、背筋が凍るほどに冷たく感じるものなのかもしれない。
しかし、この炎よりも熱い熱量を持ったなにかは確実にあるのだ。そしてこの物語はその『なにか』についての話である。