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牢の島  作者: 望月かなめ
10/18

72番

 午後の仕事には、通常通り参加した。もちろん昨日の分身を使って。内容は囚人の仕事場と、体育の見張り。


 ここの牢獄の囚人は、雑巾を縫う仕事をしてる。一針一針、全部手縫いだ。へーえ、囚人でも働くのか。今日初めて知った。


 そういえば昔、こんなこと言ってたダチもいるけど。


『働きたくねー! あーあ、いっそ泥棒して、牢屋にでも行こっかな。あそこなら仕事しなくっても、いるだけで飯もらえるし』


 世の中、甘くないもんだな。犯罪者にも仕事はある。失業の心配はないけど、給料はボロクソに安い。シャバでバイトする方が、よっぽどマシだ。


 あのダチは結局、カタギの仕事で働いてる。大正解だよ。


 72番は黙々と作業して、他のやつには目もくれない。真面目なやつなんだろう。血みどろの騒ぎも起こらず、労働時間は無事に終わった。


 そのあとは体育の時間。この牢獄は、地下に中庭を作っていた。ちゃんと上から、日差しが入る作りになってる。


「囚人にも、気分転換が必要なんだよ」


 副所長が言った。今日の種目は、陸上。庭をグルグル走るだけの、クソつまんねー運動だった。みんな苦しそうじゃん。何が気分転換だよ。


 72番はものすんごいスピードで、車椅子をかっ飛ばした。飛ばしすぎて事故ってた。よけ切れなかった一人にぶつかり、72番も派手に転倒。


 俺たち看守は手分けして、二人を医務室に運んでった。両者とも、全治一週間の入院。72番と巻き込まれたやつ・クルーゲルは、夜の食堂に来なかった。おかげで俺は、顔上げて突っ立ってられた。


 めでたしめでたし。はい! 今日の仕事、おしまい!


「所長!」


 夕食後、俺は所長に駆けつけた。


「囚人名簿、見せてください!」

「はあ? なんで?」


 所長、目がどろーんってしてる。できあがってるな、こりゃ。今は一応立ってるけど、泥酔一歩手前かも。


「朝、約束したじゃないすか。囚人の名前覚えたいんすよ」

「ふぁーあ?」


 あくびで返事すんなよ。あーあ、こんなんじゃ今日はダメっぽいなあ。


「いえ。何でもありません。おやすみなさい」


 切り上げて部屋行こうとした、そのとき。


「おい新人」


 ちょうど副所長が来てた。ラッキー!


「所長はもうお疲れだ。こっち来い」

「はい!」


 副所長は夜の廊下を、すたすたと歩いていった。


「囚人名簿ならこっち、書庫だ。オレも管理職だからな。重要な部屋の鍵もちゃんと持ってる。所長がパーなときは、オレに聞け」

「ありがとうございます!」

「オレがパーなときは、所長に聞けよ。二人ともパーだったら諦めろ」


 頼もしいんだか、何なんだか。よくわかんねーけど、とりあえず今は助かってる。素直に感謝しよう。


「よし、着いた」


 副所長が書庫の鍵を開ける。部屋っていうより、物置みたいな感じだな。机、椅子の一つもない。タンスみたいな箱が、ぽつんと右の壁にくっついてる。


「ほれ」

「ありがとうございます」


 所長は引き出しの鍵を開けて、俺に厚めのファイルを渡した。


「一応、機密書類だからな。持ち出しは厳禁だ。読むなら上司のいるときに、この部屋でだけ読んでもらう」

「はい」

「それにしても、ずいぶん熱心だなあ。勤務時間終わったっていうのに。普通の職場なら、残業っていうんだぞ」


 あ、そっか。言われてみればそうだな。俺は入ってそうそう、上司を残業につき合わせてるわけか。


「すいません、なるべく早く読みます」

「いい。気にするな。勤務時間外だからな。オレは好きにさせてもらう。こっちは勝手に遊んでるから、お前も勝手に読んでいろ」


 そう言って副所長は、注射タイプのヤクを打った。ここの上司は、理解があって助かるな。さて、俺も読もう。


「ホッホッヒ、フェーイ!」


 ハイになった副所長が声を上げる。俺は表紙をめくった。囚人番号6番、グリーニ。14番、ズノゴ。初めのやつらは、みんな入院してる。老衰って書いてあった。死ぬまでここにいる囚人も、多いんだなあ。


 とりあえず、入院中のは読み飛ばそう。たぶん、あんまり関わんない。今、働ける程度の囚人をチェックだ。30番、チェニー。うん、ここからだな。


「オオオオッ、ヤッホー!」


 ハイの副所長がシャツを脱ぐ。俺は番号と名前だけ見て、どんどんページをめくってった。45、ギュロス。58、ジェムスン。69、マイソン。


 70番、ギルム。ここで俺は鼓動を感じた。もうすぐ、あいつの番がくる。71、クィリア。そして、念願の。


『囚人番号 : 72

 氏名 : アンリ・スノー』


 看守もビビる、囚人のボス。入ってすぐに下克上した、最年少のシャットコール。名前はアンリか。


『罪状 : 殺人1件、幼児虐待多数』

「キョエエエエエエエッ!」

「うわあああああああっ!」


 こんなタイミングで叫ばないでください、副所長! めちゃくちゃビビったじゃないすか! あー、死ぬかと思った。心臓がめっちゃドキドキしてる。


 副所長はズボンまで脱いで、パンツ一丁で踊ってた。もっとうるさくなりそうだな。耳栓がほしい。とにかく読むぞ!


『備考等』


 そこからは、びっしりと経歴が書いてあった。






『1995年 (0歳) グランツェ孤児院にて保護。出生地不明。


 2008年 (13歳) 孤児院院長、アリス・クレール氏を刺殺。現行犯逮捕

 

 同年      若年者牢獄入居(刑期20年)


 同年      乳児および幼児への虐待容疑により再審 

         懲役20年→終身刑(若年者措置あり)


 2009年 (14歳) 暴行のため、若年者牢獄を追放。一般牢獄へ移送

         

 2010年 (15歳) 暴行のため、一般牢獄を追放。ガリアス牢獄へ移送』






 若年者措置(じゃくねんしゃそち)ってのは確か、若者への恩赦的なやつだよな。20代までならこの措置で、ちょっとだけ刑が軽くなる。


 それでも終身刑かよ。虐待だからな、当然っちゃあ当然だ。けど不思議だなあ。孤児院の人は、アンリ止めなかったのか? ひょっとして、ガキの頃から最強とか。


 考えるだけで身震いした。副所長はノリノリで、誰かにケータイかけてる。


「しょーちょーお! あっそぼーよ! 今、管理室にいてさー! 新入り呼んでトランプしなーい?」


 仕事のときと、全然口調が違う。所長とは、かなり仲いいんだな。


「ティムも来るー? わかった!」


 副所長は電話を切って、また踊り始めた。さて、読もう。


『備考 : 先天性肢体不自由(両足)、右目・舌の欠損、自傷癖あり』


 自傷、か。ついついそこに目が止まる。やっぱり腕の傷は、リストカットだったんだな。意外と精神まいってる? 捕まってから病んでるのか、もっと前から切ってるのか、どっちなんだろう。


 車椅子なのは、生まれつきだったんだな。じゃあ、目と舌は? そこだけ「先天性」の文字がない。事故ったりでもしたのか?


 ぼーっと考えてたそのとき、でかい足音がした。ノックもなしにドアが開く。


「こんばんはーあ」


 千鳥足の所長と、ボトル持ったティムだ。ティムの顔も、ちょっぴり赤くなってる。二人とも飲んでたんだな。


「おーっ! おっ疲れさまー! パーッといこうぜェーイ!」


 副所長はパンツ一丁で、堂々と笑ってる。俺もハイになりすぎて、道端に全裸で寝たことがあった。気づいたら、なぜか裸! って感じで、全然記憶がなかったな。


 あの途中を客観的に見ると、こんな感じなのか。うわっ、自分でも引く。


「ポーカーやりましぇん?」


 ぐでぐでな声で所長が言う。俺はティムに訳した。完全にボランティア通訳だな。


「ポーカーだって」

「ありがとう。いいね! ジュリーはしないの?」

「悪い、ちょっとこれ読むから」

「ガリ勉かよ!」


 は? ガリ勉? 俺は軽く舌打ちして、ページをめくった。勉強呼ばわりかよ、うっせーな。今夜はもう訳さねーぞ、ティム。困っても知らないからな。


 俺は勉強が嫌いだ。「右手使え」って言われる飯と、同じくらい嫌いだ。「(つと)」めを「()」いて「勉強」だろ? 俺、努力とか頑張るとか、あんま「勉め」ないんだよ。それから「強いる」ってのが大っ嫌い。自由がねーじゃん。


 いるんだよなあ。ちょっと本読んでるだけで「勉強?」って言ってくるやつ。好きでやる読書と、勉強をごっちゃにすんじゃねーよ。楽しい読書様への侮辱だ。


 でも、これって読書か? 小説を読むのとは、ちょっと違う気がする。けど俺は、心のどっかでワクワクしてた。あの72番を、少しは知れるかもしれない。不謹慎かもしれないけど、気になるんだ。


 つまり興味本位、面白半分。怖いもの見たさ、ってやつだな。読書じゃなけりゃ何だろう。「調査」? うん、それがいい。今俺は、調査の真っ最中なんだ。


「よっしゃー! ワンペア!」

「強いれふねー。イグリすぁん。わたくしなんかあ、一枚もお」

「アハハ。所長、ついてなーい! え? おい新人、フルハウスう? ひゃああああ!」


 泥酔所長とハイの副所長が、はしゃいでても気にしない。グシュヒュヒュ、ってティムが笑う。不思議な笑い方だけど、気にしない。


 そんなことより72番、アンリ・スノーだ。あとの囚人の名前は、明日以降にチェックする。さて、他に何かないか?


 なーんて思ってたら、煙が目の前を横切った。臭っ。ポーカー三人組をちらっと見たら、ティムが堂々とタバコ吸ってる。おい、ここ書庫だぞ。燃えたらどうすんだ。


 けど所長も副所長も、全然注意しない。二人とも自分のカードに夢中だ。ティムは携帯灰皿を出して、新しいタバコを出してる。ゴミ処理すればいい、ってもんじゃないと思うけど。


 ま、いいや。上司様も叱ってないし。全く、めちゃくちゃな職場だな。兄貴が見たら「堕落してる!」って怒りそう。


 でも、俺にとっては都合がいい。新人のバイトが、個人情報ガン見できるんだからな。よし、続き読もう。


『性格は極めて凶暴。囚人・看守の別なく刺す』


 これは所長の言ったまんまだ。でも、たったそれだけ。詳しくは書いてない。あと気になるといえばなー、生年月日だ。


『生年月日 : 1995年8月8日』


 へえ、夏生まれか。だからどうってこともないけど。そういえば今日って、何日だっけ? 確か7月8日だったな。ちょうど一か月後じゃないか!


 俺は名簿を閉じて、ひと月後に二五になる囚人を思った。アンリ・スノー。こいつ今まで、どんな気持ちで過ごしてたんだろ。さっきのページによると「暴行」しまくってたぽいし。やっぱ荒れまくってんのかな。


 アンリは一三歳で捕まってる。俺も一三のときは荒れてた。アンリほどはしなかったけど。とにかく家や周りが、ウザったくて。それから、恐くて仕方なかった。確かヤクにはまったのも、あの頃だったな。


 よく暴れる動物、威嚇(いかく)する獣ほど、内心は怯えている。昔、どこかの誰かが言ってた。何かの本だったかもしれない。


 とにかく初めて聞いたとき、納得したのを覚えてる。俺は怒られるたびに、いっつも怒鳴り返してた。わめいてないと、暴れてないと、自分がつぶれそうだから。言う方はどう思ってるか、知らない。けど俺には、生きるか死ぬかの戦いだった。せっぱつまってた。


 その傷や息苦しさを、ヤクやセックスが癒してくれる。そんな気がして溺れまくった。実際、そうでもなかったけど。ヤクは副作用? が出るし(フラッシュバックっていうらしい)、セックスは人とのぶつかり合いだから、厄介なこともしょっちゅうあった。


 でも、ないよりはマシだったと思う。もしセックスがなかったら? 別にいい。ヤクがついてる。じゃあ、ヤクがなかったら? 破滅だ。どうやって逃げればいい。ひょっとしたら俺も、殺人してたかもしれないな。


 アンリはとんでもないやつだ。乱暴で冷血。もしかすると、頭も壊れてるかもしれない。吐くほど寝返り打ってたし。俺は世間的に見れば不良だけど、その中じゃまだ平凡寄りだ。アンリと俺は全然違う。


 でもアンリの罪は、他人事(ひとごと)に思えなかった。まさかこいつも、何かに怯えてるんじゃ。そりゃないよな。どう考えても、アンリが圧倒的に強そうだし。


 けど、本当に強いなら、どうして子供に虐待を? ていうかちょっと待て。


 俺はさっきのページを開き直した。確か捕まったとき、アンリはまだ一三だよな。アンリ本人もガキじゃないか。うーん、見れば見るほど謎が深まる。なんだか、小説の探偵になったみたいだ。ただ俺は、名推理とかできないけど。


 なんていろいろ考えてた、そのとき。


「イェッフー!」


 俺の頭に、何かがポンって乗っかってきた。ん? 何だこの白い布。ハンカチともちょっと違うし。まさか!


「ハーララ、ヒエーッ!」


 ハイになった副所長が、でかい声で踊り狂ってる。今度は全裸だ。じゃあ、もしかして! 


 改めて布を見直すと、純白のブリーフだった。


「うげっ! ちょ、何するんすか! 副所長!」

「アンギャー! ゴオオオオオオ!」


 ダメだ、会話にならねえ。


「ふぁっふぁっふぁ」


 所長はまぬけな声で、ニタニタ笑ってた。ティムはタバコくわえて、こっちに手話を送ってる。


「ドンマイドンマイ」


 ドンマイじゃねー! ったく、どいつもこいつも!


「お前らああ!」


 俺はもっかい書類を閉じて、ポーカー組の方に向かった。敬語? 礼儀? そんなの海に捨ててやる。


「俺も混ぜろ! 酒だ! 酒くれ!」

「え、ありゃ」


 俺は所長のボトルをひったくった。この野郎、さっき笑いやがって。悔しいから仕返ししてやる。あークソ、まずい。


 勢いで酒ひったくったけど、そういや俺、甘いカクテルしか飲んだことなかった。あとチューハイ。がっつりした飯がありゃ、ビールくらいはいけるんだけど。つまみなしのウイスキーは、きつかった。


 ああ、もういい! とにかく騒ぐぞ! 今日の調査、おしまい! 俺はボトルを置いて、言った。


「おいティム、火貸して」


 ティムがライターとタバコを出す。俺はライターだけ取って、ポケットからヤクを出した。タバコみたいに、火つけて煙吸うタイプ。


 でもタバコと違って、味も臭いもないんだ。完全に無味無臭。苦くないから、お子ちゃま味覚の俺でもいける。そのぶん危険っちゃ危険だけど。違法だし。


「ドラッグ? やめろよ」


 ビビった顔でティムが言う。ハイハイ時間切れー! もう火ついてますー! 煙出てますー! どうしようもー! ありますぇーん!


「お前タバコ吸ってたろ俺はタバコ苦手なんだ煙臭いし。俺は臭くて迷惑お前はヤク酔いで迷惑。迷惑迷惑でお互い様だほっとけ」


 俺は超早口(早手?)で喋り終え、ゆっくりと煙を吸った。ふー。体にしみる。嫌なことも今日の疲れも、全部消えていきそうだ。


「さっきは火ありがとな。ポーカー、混ぜてくれる?」


 今度は落ち着いて言った。ん? ティムはポカーンってしてる。あ、口で喋ってた。悪い悪い。気持ちよくって、ついつい頭がバカになってた。


 俺は手で言い直す。次はティムもわかってくれた。気づいたら、副所長もおとなしく座ってる。


「よし、もうワンゲームだ」


 冷静な声で、副所長がカードを切った。全裸だけど。とりあえず人の言葉にはなってる。


「ぱはーあっ!」


 所長は残りの酒をガブ飲みして、寝た。ゴロンと寝っ転がって一秒、さっそく寝息を立てている。


 副所長はいったんカードを置いて、所長の腹に自分の服をかけてた。へえ、けっこう優しいんだな。服っていうか、ズボンだけど。


「グシュヒュヒュヒュ」


 ティムが笑う。どうしたんだ? 急に。まだゲームは始まってないぞ。あ、俺のヤクの煙、吸っちゃったかもしんない。このヤクには、ハイになる作用もあるからなあ。俺もちょっとノッてきた。


「よし! 始めるぞ!」


 副所長がカードを配る。カード同士がこすれる音でも、たまんねえ。マジでワクワクしてきた。あー、ヤクがキマってんな。


 自分のカードを見るだけでも楽しい。ワンペアもない、めちゃくちゃなやつだけど。そういえばアンリの人生、半生もめちゃくちゃだったな。


 まーいいや! 俺はいったんアンリを忘れて、ポーカーに集中した。今は全部バラバラだけど、この先変わるかもしれない。フォーカードの可能性も、〇じゃないからな。

※補足 : ポーカーを知らない人のために

ポーカーとはトランプゲームの一種です。カードの強さ弱さを競って、ギャンブルに使われることも多いとか。


この話で出た用語を、ざっと説明しますと……

ワンペア : ドベ2的存在。最弱ではない。

フルハウス : かなり強い

フォーカード : ものすっごく強い。ほぼ最強。

という感じです。


さらに気になる方は、各自調べてみてください。



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