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私は隣の田中です  作者: 秋月 忍
小噺集
59/64

甘党です

メリークリスマス♪


※本編終了、光る海あたりの小噺です。

 今日は久々に、如月とカフェで、お茶をしている。

 ただ単に、勤務中の空き時間なのだけど、如月とふたりだけだから、デート気分だ。

 如月はコーヒー。私は紅茶とチーズケーキ。

 運ばれてきた紅茶を口にしながら、つい疑問に思う。

「ねえ、如月さん」

 私は、如月の手にしたカップをみる。

「ん?」

「如月さん、ブラックコーヒーですよね?」

「ああ」

 如月は、「それが?」という顔をする。

「如月さん、普段はお砂糖とミルク、入れてますよね?」

 前から気になっていた。

 如月は、職場でも家でも必ず砂糖とミルクを入れる派で、外で飲むときだけ、ブラックなのである。

「ああ、そうか」

 如月は苦笑する。

「なんかさ。俺が甘党だってわかると、相手に驚かれることが多くて。面倒になったから、外ではブラックで飲むことにしている」

 なるほど。

 確かに、如月が甘党であった事実には、私も最初は驚いた。

「背伸び、しているのかもしれないな」

 コーヒーの湯気を顎に当てて、如月はそっと肩をすくめた。

「背伸び、ですか?」

「特にマイの前では、大人で、カッコイイ男に見えるようにしたい」

 ニコリと如月は笑う。

 ブラックコーヒー飲める飲めないで、カッコよさが変わるものでもない。でも、如月でも、そんなことにこだわるんだなあと思うと、なんだか可愛いなと思った。

「最初から、超甘党だって、まるわかりでしたよ?」

 クスリと私は笑う。

「甘党でも、辛党でも、如月さんはカッコいいです」

 言いながら。私は、ケーキの皿を如月の前にすすめた。

「ひとくちどうですか?」

 如月は微笑した。

「あーん、とかは、してくれないの?」

 ちょ、ちょっとなんですか? その、クールな外見とは無縁のリクエストは!

 私はカーっと顔が熱くなるのを感じる。

「……そっちの甘いのは、ちょっと私的に、私が無理です」

「マイは、照れ屋だな」

 如月は、全方向に甘党なのだと、私は知ったのだった。



2019/1/15 書籍化されます。 ありがとうございます。


※来年にも、短いお話を更新予定です♪


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