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私は隣の田中です  作者: 秋月 忍
小噺集
53/64

沢渡くんは、見える人


『青の弾丸』


「沢渡くん、じゃあ、南条が観覧車に乗るところねー」

「はい」

 オレはそう言って、演技に入った。しかし……。

――あ、やっぱり。

 黒くどんよりとしたモノが、ぼんやりとそこにあった。

 何ごともないように、オレは観覧車に乗り込む。

 乗り込んだ椅子の上に、小さな鬼がカッとオレを睨みつけて座っていた。

――ああ、もう嫌や……。

 カメラにうつらないように、そっと九字を切りながら、オレはため息をついた。


『ガケ』


 前乗りしたオレは、今度の舞台になる『ガケ』を見に行く。

――やべえ。

 さすが、自殺の名所だけあって、たくさんイヤーなものが浮かんでいた。

 手に負えない。

「もしもし、如月さん? あ、オレっす。あのですねー」

 オレは、防魔調査室の知人に電話を掛ける。撮影までに、払ってもらえるといいなあ、と思って、宿に入る……もう一度、如月さんに電話するハメになった。


 『監督さんのインスピレーション』


「沢渡くん、こんどの『弾丸』のロケ、○○洞窟ね」

「え? そんなシーン、脚本にありましたっけ?」

 オレは渡された台本をぺらぺらとめくる。

「いやー、ちょっと、下見に行ったついでに観光したら、ピーンときたんだよね」

 監督は嬉しそうにそう言った。

 ちなみに、この監督のピーン。とっても嫌な予感がする。


 そして。


 洞窟に入ったオレは、また、すぐに如月さんに電話した。

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