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私は隣の田中です  作者: 秋月 忍
おまけ編
40/64

桔梗からのクリスマス

完全なる、おまけ編です。クリスマスっぽくエロギャグです。


オカルトは一切ありません。作品イメージを大事にしたい方はご覧にならないほうがいいかもしれません。

 今日はクリスマスイブ。

 如月はあいにく残業であり、私はひとり先に帰って、クリスマスのお祝いの支度をすることになった。誰かと一緒にクリスマスをするなんて何年ぶりだろう。

 私の部屋にはオーブンがないが、如月の部屋にはオーブンがある、ということで私は桔梗とともに、ローストチキンを作ることにした。

 とはいえ、他人の家の台所は使いにくく、私は結局、自分の家と如月の家を往復しながら、テーブルを整えていく。あとは、チキンが焼き上がるのを待つだけだ。

「マイちゃん、あのね、私、プレゼントがあるのだけど」

 桔梗がいたずらっぽい瞳をクルクルさせて、そう言った。

「何?」

「あのね、まず、お風呂入ってよ」

「は?」なぜに、今、風呂に入る必要があるのだろうか?

「いいじゃん。クリスマスだもん。悟さまが帰ってくる前に入っておいでよ」

 桔梗の言葉に、私は顔が赤くなる。

 そりゃあ、クリスマスイブに恋人(!)と約束したら、まあ、その……お互い大人だから、ご馳走食べてさようなら、では、ない――とは思う。

「なら、家に帰って入ってくるよ」

 私がそう言うと、「えー、だって、光熱費の無駄じゃん? 悟さまは帰ったら、当然入るから、もうお湯、張っちゃったし」

 式神のくせに、桔梗はやけに所帯じみている。

 それにしたって、男性の家で、風呂に入るということはこっぱずかしいのだが、なんとなく桔梗に押されて、私は、家に着替えを取りに戻って、如月の家で風呂に入ることにした。

 基本、間取りや浴槽設備は同じなので、多少の戸惑いはあったものの風呂は、気持ち良かった。

「マイちゃん、タオル置いておくねー」

 脱衣場から桔梗の声がしたので、返事をして。私は、風呂から上がった。

「え?」

 置いてあったはずの着替えが、別のモノにすりかわっていた。

 赤い、セクシーレースのパンティとブラジャー。ノースリーブで、首元に白のフワフワのついた、赤いミニのタイトなワンピース。トナカイの角のついたカチューシャ。

――イタイ! イタイよ! これはっ!

 私は慌てて桔梗を呼ぶが、式神さんは雲隠れしてしまい、出てきてくれない。

 いつまでも素っ裸でいるわけにもいかないし、私は諦めて、とりあえずそのサンタガールの衣装を身にまとう。

――如月さんが帰ってくる前に、着替えてこよう。

 こんなクリスマスを心待ちにしてイベントに浮かれているような衣装は、どう考えても、私のキャラではない。恥ずかしすぎる。

 私は、慌てて玄関へと向かった。

 ガチャリ。

「ただいま?」

 絶妙のタイミングで、扉が開いて、如月の目が丸くなる。

「えっと、あの、桔梗に……」

 私が慌てて言い訳をしようとすると、グイッと如月に手を引かれた。

「メリークリスマス」如月はそう言って、私を抱き寄せた。

「プレゼントはサンタさん自身がいいな」甘いテノールの声で囁かれて。

 もはや、着替えに行くとは言えず……イブの夜は更けていった。


本当は、活動報告に書こうと思ったのですが、若干、エロいなあと思って、こちらに投稿。

いつものオカルトストーリーをご期待なさった方、いらっしゃいましたら、ごめんなさい。

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