表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

第三話

この学園には、学食と売店の両方がある。

昼飯何するか迷う時あるわ〜。

しかし今日は…。

「何で…」

「ん?」

「何で自分の昼代が500円で済んでるのに、友達の昼代に1000円も掛かるんだよー!?」

東が自分の昼である和食セットAを食べながら嘆いている。俺はカツ丼をがっついてる。いや美味いね誰かの奢りは。

「そんなことも在るさ」

「無いからな!!普通は!!」

ちっ!!ウダウダと煩い奴だ。自分から昼を奢りたいと言ってきたくせに。

「まあ落ち着け東。この借りはちゃんと返してやるから」

「あ、いや別にそんなつもりで言ったわけじゃないんだが…」

「全世界にアフロブームがやってきたら」

「返す気無いだろ!!」

何だと!?

「何故言い切れる!!」

「アフロとかもう絶滅危惧種じゃないか!!」

「わかんねーだろ!!もしかしたら明日突然アフロブームがやって来るかもしれないだろ?」

「絶対ない。全くお前は」

「気にすんな。俺とお前の仲じゃないか」

「いやいや、仲って言うけど、俺達まだ1ヶ月しか付き合いないからな?」

「そうか、お前と出会って1ヶ月。つまり入学して1ヶ月か…」

東との出会いは学園に入学して直ぐだ。

入学式が終わり、教室に行ってそこに在った座席表を見て、[藤堂東(とうどう あずま)]をわざと[藤堂東(とうどう ひがし)]と呼んでやったんだ。

それが始まり。

「今考えれば、何で俺お前を[東(ひがし)]と呼んだんだろうな?」

「そんなの俺に解るわけないだろ」

フーム、謎だ。…ま、別に良いだろう。今はデザートだ。

「…大和、お前カツ丼定食食べてその上でパフェまで食うとか」

「心配すんな。普通に食える」

俺は目の前にそびえ立つ巨大パフェを食べ始める。

「くう〜!!甘いものはやはり最高だな!!」

「そりゃよかったな」

やはり学園を卒業したら金を貯めて全国甘いもの巡りをしなくては!!

『助けて〜!!』

「………」

突然頭に響く声。しかし気付いているのは俺だけ。現に東はのんびりとお茶を飲んでいる。

『助けて下さい〜!!裏庭です〜!!』

「………」

『神裂さーん!!』

はあ、仕方ない。行くか。

「どうした?パフェ食べきれないのか?」

「なわけあるか。非常に不服だが、残りはやる。」

俺は立ち上がり移動する。

「え!?は!?ちょ、おい!!いや無理だって!!食いきれねーよ!!」




学園の裏庭。昼の時間もそろそろ終わる頃だからか、人の数は少ない。

そんな場所に来た理由は…

「…この辺か」

俺は周囲を見渡す。

「来たぞー!!」

『ここですー!!』

大きな声を出すと返事が返ってきた。近いな、けど…。

「ここって…‘テレパス’じゃ場所まではわかんねーぞ!!」

テレパス…テレパシー。

つまり相手に自分の考えを口に出さずに伝える力。ヤッホー!!携帯要らずだー!!

何て事にはならない。これはこれで素質がいるからな。

発信者はテレパスを送る相手をイメージして、メッセージを飛ばす。

熟練者はイメージしなくても送れるそうだ。

『えっと、木の上です』

「木って、どの木だよ!!」

周囲にいくらでも木々が立ち並んでいるんだが。

『裏庭の真ん中にある一番大きい木です』

「ああ、そこか」

俺は裏庭の真ん中にある一番大きな木の真下に立って上を見上げ…

『見上げないで下さいよ!!』

ようとしたが、ストップがかかったので止めた。

「見上げなかったらお前が何処にいるかちゃんと解らないんだが」

『大丈夫です。神裂さんの真上にいますから』

「ああ、そーかそーか、って真上!?」

その言葉に俺は驚いて上を見上げる。

そこに見えたのは…

降ってくる女子だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ