表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏の娘たち(ニャンズ(≡^.^≡))

作者: 鰯田鰹節

夏の娘たち(ニャンズ(≡^.^≡))




うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。





最近、ネコちゃんのナイトルーティーンが甘々化している。


夜中の1時くらいまでは、クーラーがほどよく効いているリビングのソファーなどで丸くなって寝ている。


その後、おもむろに私のお布団へやってきて、私の顔を叩く。


「ナァ。(ぺちッ!)」


ー痛い…。


これを、私が彼女を撫でて抱き寄せるまで、延々と繰り返すのである。


IQ1億あるはずなのに、要求の仕方が原始的…。




必ず、コネコちゃんのごはんのお皿周りとキッチンを見回りする。


1粒でもカリカリが落ちていたら見逃さない。

食べる。

カピカピのさつまいもも食べる。


夜ごはんを食べても、なお小腹が空いている時は、おやつの入っている引き出しを自分で開ける。


漢字の「一」の向きになっている取っ手に前足をかけ、反動をつけて、引き出しをガラガラと開ける。

そして、中のおやつを食べ散らかす。


これを、私がお風呂に入っている隙にやる。


IQ1億すぎる。


ちなみに、この時、IQ1しかないコネコちゃんは、ご相伴にあずかることもできず、ただただその鮮やかな盗っ人の手口にポカーンとしている。





野菜もよく食べる。


ネコちゃんが子猫の時代、災害が起きてキャットフードが手に入らなくても、なんでも食べられるようにと色んな食材を与えて手作りフードをあげていたのだ。


好きなのは水菜、人参、さつまいも。

嫌いなのはかぼちゃ。


でも一番好きなの、たぶん、パン。

私はパンが好きではないので食べないのだが、夫がパンを食べてると盗っ人スキル全開で奪いに来る。


パンの食べこぼしがないか、夫が夜ごはんを片付けたあとも徘徊する。





昼間は、クーラーが強すぎる時があるみたいだ。


勝手に押し入れを開けて、ヒラリと跳び、押し入れの天袋でスヤスヤ寝る。


でも、こっそりコネコちゃんにおやつカニカマをあげようとすると、パヤパヤしながら目をシパシパさせて、ふにゃふにゃ状態で押し入れから出てくる。

そして、自分もカニカマを爆食いする。


コネコちゃんも、押し入れの上の段に興味はあるのだが、ネコちゃんのように運動神経が良くない。

とび上がれないため、コネコちゃんは下の段をしばし探検する。なぜか満足そうに出てくる。





ごはんの時間になると、コネコちゃんはネコちゃんに飛びかかっていく。


「プルャー!」

と両手パンチで挑んでいく。


しかし、目を完全に瞑ってしまっているので、かすりもしないどころか、ネコちゃんに100倍くらい叩かれる。


「ナァァァァッ!!!」

と目にも止まらぬ速さでネコちゃんはコネコちゃんを殴りまくる。


コネコちゃんは、ごはんだとテンションが上がってしまうのだろうか?






このコネコちゃん、ごはんをわけわけして食べる癖がある。


一口しか食べない日もある。


そんな日は、電子レンジの中にお皿を入れておく。

出しっぱなしにしておくと、ネコちゃんに全部食べられてしまうためだ。


仕事から帰宅した夫が、残りのごはんをあげる。

この時、コネコちゃんは完全に目がハートで、


「プルャ〜♡♡」


と夫の足にスリスリしながらごはんをねだる。


夫のことが大好きなのである。


日常面倒を見ているのは私の方のはずなのに、なんでだよ。






しかし、コネコちゃんは、IQが1しかないので、ごはんを完食したことを忘れる。


もうごはん全部食べたのに、電子レンジが開く音がすると、


「ピエェェェッ!」


と鳴きながら走ってくる。


…いや、あなたさっきごはん全部食べたでしょ。

これはママのごはんあっためるのよ…。


でも、IQが1しかないので、最後の最後まで、自分がごはんをもらえると思って自信満々でいる。


私が電子レンジから私のごはんを取りだして、着席し、食べだしてもなお、まだ私に張り付いている。

完全に私の足にしがみつき、


「ピエェェェーッ!」


と泣く。

だから、あなたのごはんじゃないのよ、これは…!


仕方ないので、私のごはんを鼻に持っていき、においを嗅がせてあげると、


「これ、ちがうでち…!」


と裏切られた表情をする。

そして、プイッと離れる。


だから、違うって言ってるじゃん…!!





コネコちゃんは、お水で遊ぶ。


うちは、ネコちゃん用のウォーターボウルとコネコちゃん用のウォーターボウルを並べて、ごはん台の上に乗せてある。

その、どちらのウォーターボウルにも手を突っ込み、水をバシャバシャし、周りを水浸しにする。


何が面白いのか、よくわからないが、コネコちゃんは楽しそうである。

しばらく水遊びを楽しむ。


私はその後、バスタオルで床をふく…。


コネコちゃんなりに、涼んでるんだろうか。






コネコちゃんはIQが1しかないため、体温調節が下手である。

もともと長毛種で暑がりだ。


廊下のドアをしめていれば、リビングの中にクーラーの冷気がこもるから涼しい。


なのに、なぜか、廊下のドアを

「ばぁーん!」

と開けて、そこで寝る。


ドアを閉められない絶妙なポジションで寝る。

※冷気の通り道ではあるから、確かに涼しいところではある。


かと思えば、テレビ台の下で、ヘソ天になり、

「暑い…暑いでち…。」

と寝言をいいながら、うにゃうにゃと寝ていたりもする…。

※ここは涼しくない。






毛づくろいをしている時、指を差し出すと、ネコちゃんはグルーミングしてくれる。

ちゃんと私の手だということを理解しながら、優しく舐めてくれる。


コネコちゃんは、自分の体の一部だと勘違いしながら舐め続ける。

「ん?いま何かちがうもの舐めた気がしたでち???」

とたまに不思議そうな顔をするが、構わずご機嫌に毛づくろいを続行する。


コネコちゃんは目を瞑りながら毛づくろいするので、私の手に本当に全く気づかない。


ネコちゃんの方が舌がザラリとしている。

コネコちゃんの方が滑らかで痛くない。





春、私が復職した時、帰宅すると玄関の前で2匹とも待っていてくれて、それはそれはすごく嬉しかった。


今、出戻りとなった私のことも、2匹とも大歓迎してくれていて、なんだか救われる気持ちになる。


「どんなママでも愛してる。お仕事できないママでも愛してる。」

って、許してもらえているようだ。

本当にこの子たちには感謝しかない。





夏風邪を2週間も引いていたが、そろそろ困っていた咳も止まりそう。

咳が完全に止まったら、体力作りのためにジム通いを再開する。


ジムから帰ったら、きっと娘たちは玄関に飛び出してきて、おかえりおかえりとニャーミーニャーミー言ってくれると思う。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんにちは。 咳が落ち着いてきたとのこと。 本当に良かったです。 ジムは無理せず、ゆっくり再開してくださいませ。 これだけ暑いんですもの。 そりゃ水遊びもしたくなりますよ。 拭く方は大変だと思いま…
 ネコちゃんの起こし方は原始的かもしれませんが、 頭が良いので一番効率がいいやり方をしているのかもしれませんね。  そして、野菜を食べるのはびっくりです!!  私の処の猫ちゃん達は見向きもしない…(汗…
ネコちゃんのスキル…! でも夜中はママに甘えちゃうんですね〃▽〃 かわえぇ… コネコちゃんがおやつ盗りのご相伴にあずかれないのが切ないです^^; でもそこがかわいい♡ ママはママだからね♡
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ