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3. 俺はどうやら、地獄にいるらしい
「ようこそ!地獄へ!死者の皆さん!」
え??えーーーっと、地獄?この俺が?生きていたときは、自分でも思うくらい良い奴だっていう自信あるんだけど。それなのに、地獄?階段登っているおばあちゃんの荷物運んであげたこともあったぞ?まあ、運んだからといって、天国だとは限らないけど。それでも、地獄?ぜってぇーーー間違ってる。というか、俺本当に死んでたんだ、死後の世界って本当にあるんだな。そう、思考を巡らせていると、
「うんうん、そうだよね、混乱する気持ちはわかるぞ!!」
また、あの赤髪の女の子の声だ。そういえば、この子はなんなんだ?と疑問に思いながらも一度落ち着いて、あたりを見回してみると、みんな何が何だかわかっておらず、叫んでいる人や、泣いている人までもいる。そりゃそうだよな、いきなり、あなたたちは死んでいて、ここは地獄です!って言われても訳わかんないよな。俺もだ。
「今から、地獄の説明をします!」
そう女の子が言うと、ざわめきが一瞬にして静まり返った。