フラッシュバック
ある日、いつものように死体の処理をしてるとカランと金属のようなものが落ちる音がした。
手に取ってみると、ドス黒い血に染まったペンダントのようなものだった。
好奇心が勝り、恐る恐るそのペンダントを開けると、両親とその子供の写真のようなものが写っていた。
ミシュパハーは当時の光景を思い出し、ペンダントを落としてしまう。
ミシュパハーの中での家族は自分の存在を狂わせるそのものだった。
「その家族のことが気になるのか?」
声がするほうへ顔を向けるとラズファが立っていた。
「その家族はみんな死んだ。だが俺が全員殺したわけではない。父親とその子供だけが死んでいた。母親が俺に殺してくれと頼んできた。だから殺しただけだ。まぁ、”母親も家族のもとに逝けたのならそれでいいんじゃないか”と俺は思うんだがな。」
そう言うと乱雑に手袋を脱ぎ捨てた。
最後の一言で、ミシュパハーの心は完全に壊れてしまった。
「そうだよね。みんなで死ねば幸せになれる。でも僕は許さない。みんな・・・僕と同じように辛い運命をたどればいいんだ。」
と小さくつぶやく。だがラズファはそれを聞き逃さなかった。
ゆっくりと口角が上がっていく。
ラズファがミシュパハーの近くに駆け寄り、手を肩に置く。
「俺のやっている仕事場に来るか?一緒に幸せそうなやつを殺すんだ。」
悪魔のささやきのようにと耳元で話す。
ミシュパハーは完全に洗脳されていた。
「僕も、幸せそうなやつを殺したい。許せない。皆、僕と同じように苦しめ!」
拳を強く握りしめ、憎悪に満ちていたミシュパハ―だった。
手に取っていたペンダントは割れてしまい、ミシュパハーはそれを投げ捨ててしまった。
ラズファはその光景を見て自分自身が非常に興奮しているのがわかった。
「そうだ。全部捨ててしまえ。最初からなかったようにな・・・。」
その日はラズファと一緒に片付けたのだった。
それから毎日少しずつミシュパハーは殺しの基礎を学んだ。
一通り教えるよりも実際に見てもらったほうが早いといい現場へ向かうこともあった。
ただ、それはミシュパハーがさらに堕ちていく火種となった。
また気をつけなければいけない人物がいると言うこともそこで知った。
ーガスマスクをつけた左目が白目の男ー
その男は非常に厄介でラズファも手を焼いているらしい。一目見ればわかるとのことだった。
見つけたら戦わずにすぐに逃げろと忠告された。
こうしてミシュパハーは目的の人物を殺すのが日常になっていき、いつしかそれが快感に少しずつ変わっていった。




