責任
レイダとミシュパハ―。ラズファとガスマスクの男。それぞれ激しい攻防戦が繰り広げられていた。
「どうしたクロ―フ!さっさと立ち上がれ!お前はじわじわいたぶって殺してやる!それとも、もう終わりとは言わせないよな?」
レイダはミシュパハーを吹き飛ばし、壁を粉々にさせた。
ミシュパハーは瓦礫の山をかき分け、レイダを見上げる。体力も限界に近付いて来ていた。
ダメだ!ここで死ぬわけにはいかない・・・!
と心の中で思うものの、体は言うことを聞かなかった。ぶつかった衝撃の痛みで呼吸がうまくできない。
レイダは乗っていた化け物を消し、ゆっくりとミシュパハーに近付いていく。
「あの時お前も一緒に消しておけばと思っていた。だが、こうして見つめながら殺していくのも、悪くない。どうだ、何も動けないまま俺に少しずつ殺されていく気分を、味わうのは。」
レイダは持っていたナイフで、手始めに左腕を刺す。ミシュパハーは大きな悲鳴を上げた。ドクドクと赤い血液が溢れ出る。
「いいぞ!もっと喚け!クロ―フ!俺と同じように苦しめ!」
レイダは非常に興奮していた。ミシュパハーはもがき苦しむ。左膝、右膝、右腕と次々に刺していく。
ミシュパハーの周りは血の海が出来ており、出血多量で今にも死にそうだ。
「止めをさしてやる。」
レイダがミシュパハーの心臓めがけて刺そうとしたときだった。
―ドスッ―
レイダの口から大量の血が吹き出る。
「なんとか・・・間に合ったな。」
ボロボロになったガスマスクの男が結晶の剣で体を貫いていた。
「油断したな。レイダ。」
レイダは驚いてガスマスクの男の方へ振り向く。
「な・・・。貴様・・・。」
「教え子をこのような形で手にかけたくはなかったがな・・・。」
その表情はどこか悲しそうだった。
「はっ・・・。戯・・言を・・・。」
「相変わらず、生意気な奴だ・・・。」
ガスマスクの男の奥の方を見るとラズファは既に息絶えていた。それを見たレイダは大きく笑った。
「ふっ・・・。そうか・・。俺たちは、負けたんだな・・・。」
オッドアイの男はゆっくりと結晶の剣を抜く。レイダの周りにも、血の海が広がっていた。
「最期にお前に託そう・・・。」
踏ん切りがついたレイダはそう言うと手の中で小さな球体を作り、ミシュパハーの体に埋め込んだ。
途端にミシュパハーの体が光る。
なにかを察したのか、ガスマスクの男は止めず、ただじっとその光景を見つめていた。
光が消えるとレイダは、ミシュパハーにもたれるように倒れ、動かなくなった。
―目を覚ませアレン。まだやることは残っている。あの日俺が殺した両親は本当の両親ではない。俺たちの父親は・・・
ホシェフだ。―




