赤色に染めて
「まぁ、お疲れさん。だな。明日もまた同じことをしなければならない。気持ちを切り替えて明日からも頑張れ。」
ラズファはそういうと、洞穴を抜け自分の拠点へと帰っていった。
ミシュパハーは残された亡骸を綺麗に片付ける。
穴に投げた時、ふと亡骸と目が合う。その光景がミシュパハーの脳裏に強く焼き付いた。
その瞳は濁っていた。ミシュパハーはこの時、自分の意志とは裏腹に怖い考えが浮かんだ。
自分が自分じゃなくなっていくような感覚に陥っていった。
(これだ、この感じ・・・。前にもあった。だけどわからない・・・。)
次の瞬間、脳が裂けるような痛みに襲われる。ミシュパハーは頭を抑え、うずくまる。
焼けるような痛みの次には鈍器で殴られたような痛みが襲う。
―お前はいつまでも!―
―君は今までで一番―
―どうして悲しい顔をしているの?―
また知らない声が脳に響く。激しい頭痛と記憶にない会話が永遠と続いて吐きそうになる。
痛みがしばらく続いてようやく収まったころ、ミシュパハ―は呼吸を整える。
一息つき、ミシュパハーは池で血を洗い流していた。
池の水を思いっきり頭にかける。ポタポタと濁った水が池に落ちていく。
ミシュパハーは空を見上げた。星空は不気味に輝いていた。
翌朝、ミシュパハーは使命を果たすため、道具を入念に準備していた。
外に出て、盛り上がった土をみてミシュパハーは近くにあった花をちぎり取り、雑に置いた。
(もう僕は、底にどんどん進むだけなんだ。)
ナイフで反射した自分の顔を見つめる。
ミシュパハーは日が沈むのを待っていた。日が沈むまでの間どうやってこれから生きていくのかを考えていた
地面に周辺の地図を描く。次に狙うところは人気の少ない小さな集落
その場所に丸を付ける。
日が沈み、すっかり外は暗くなっていた。ミシュパハーはマスクをつけ目的地へと向かう。
目的地にたどり着くとすでに部屋に灯りはなく、みんな寝床についていた。
窓を破り住人たちを次々と殺していく。
住人は悲鳴をあげる時間すら与えられず、血の海に沈んで行く。
生温かい液体がそこら中に飛び散る。
ミシュパハーは昨日のような躊躇いがそこにはなかった。
ことを終えるとミシュパハーは集落を離れ、遠くから眺める。
家の壁には生々しい無数の血痕が付いている。自身の手も血まみれだ。
ミシュパハーは自身の拠点へと帰っていく。仮面を外し、池で全身を洗う。
独特な鉄臭いにおいが鼻を刺激する。
(何回やってもこの臭いはあまり慣れないな・・・。)
洞穴に戻り集落から盗ってきた食料を口に入れる。
今日襲った集落のところにバツ印をつける。今日の目的は達成した。
次の狙いは自分がかつて住んでいた家の近くの集落。そこに丸を付ける。
食べ終えた後、腹が満たされたのか急激な睡魔に襲われミシュパハーは眠ってしまった。
―新しく来た――だ。ほら、挨拶しなさい。―
―君は本当によくできる子だね―
―将来有望だ―
―なぜそんなに苦しんでいるんだ―
謎の声に目を覚ます。
(まただ、なんなんだこの夢は。一体誰なんだ。)
夢に出てくる人物がわからず頭を悩ませていた。ミシュパハーは眠ったり起きたりを繰り返していた。
(頭がおかしくなりそうだ。)
そしてまた夜が来る。ミシュパハーはよく眠れなかったのかうっすらと目の下にクマができる。
ナイフをしまい仮面をつけ、丸を付けたところに向かった。




