クソガキ
レイダからの怒号をくらい、ミシュパハーはせっせと来た道を戻っていた。
(それにしても最後に出てきたあのバケモノは一体何だったんだ・・・。まさか・・・。)
ミシュパハーがレイダの拠点に入った時に見た ”腕”
そして自分を守ってくれるために出してくれた人の四肢のようなものがくっついた”バケモノ”
目に映ったものを考えれば簡単な話だった。彼は、死体をバラバラにして新しい命を生み出すラズファとはベクトルの違う”狂人”だった。
歩きながらしばらく考え事をしていると、
「おい!ミシュパハー!大丈夫か!!」
前からラズファが息を切らしてやってきた。
「ラズファさん!どうしてここに・・・?」
「爆発音が聞こえてな。何かあったのかと思って・・・。」
「実は―」
ミシュパハーは身に起きたことをすべて話した。
ガスマスクの男に殺されそうになったこと、殺されそうになったところをレイダに助けられたことなど
それを聞いてラズファは驚きを隠せなかった。
「あのレイダが人助け?だと?普段から冷酷な性格をしているあいつからは考えもしない行動だな。」
そう軽く貶すラズファにミシュパハーは少し同情してしまう。確かに嫌いとは言ったものの、ピンチの時に助けてくれた。
すると
「全部聞こえているからな。ラズファ・・・。」
ラズファの後ろにレイダが立っていた。
「おっと噂をすれば。お前も背後が好きだよねぇ~レイダ。」
嫌な空気がひしひしと伝わってくる。。
「ラズファ。お前のところのガキが迷惑で仕方ない。あんまりウロチョロさせるな。邪魔だ。」
様子を見るからにご立腹だった。
「おいおい~俺の大事な息子みたいな存在にそんなこと言うなよ~。かわいい子には旅をさせろっていうだろ?」
ラズファは表情一つ変えずに煽る。
「それとこれとは別だ。俺の敷地内に入ってきたのが許せない。」
「じゃあ入った途端になんで追い返さなかった。”邪魔”なんだろ~?もしかしてその自慢のコレクションとやらを作るのに夢中になって気づかなかったのかぁ~?笑えるなぁ!殺人鬼の癖に!」
「黙れ。」
子どものような喧嘩を始める二人におろおろとするミシュパハー。
「あ、あの。二人とも・・・。」
止めようとするが、二人はミシュパハーのことなんて気にも留めなかった。
「ラズファ。今からでもお前を殺してやってもいいんだぞ。」
「そういう台詞は一度でも俺に勝ってから言うんだな。」
ミシュパハーはため息をつき、その場を後にした。
レイダの拠点とはまた違う道を進んでいくとちょうどいい洞穴を見つけた。
「ここにするか・・・。」
サッと荷物を置き、床に座り込む。
その後、ミシュパハーは誘い込まれるように眠ってしまった。




