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シナリオ(最低5,000文字以上、1万文字未満で作品のストーリー) ※小説というより、ストーリーのシナリオベースで記載しています

これは、今よりもほんの少しだけ未来の話。

地球は突然、異世界とつながった。


それも、複数の異世界と。


とある異世界はゲートと呼ばれる門から異空間とつながり、とある異世界は地中から突如せり上がってきたダンジョンと呼ばれる門から異世界とつながり、とある異世界は海底から出現したタワーと呼ばれる門から異世界へとつながった。


ゲートにダンジョン、そしてタワーは、地球上の至る所に出現。

そしてそこから現れる異世界人たちは、容赦なく地球を侵略し始めた。


異世界人とは、ゴブリンやミノタウロスといったモンスターや、エルフやドワーフといった亜人だけでなく、地球人と見た目が変わらないながらも魔法やスキルを扱う、ファンタジーの世界の住人たちのこと。

そんな異世界人たちに、地球の一般人は容赦なく殺されてしまう。


地球人が脅威ではないと判断した異世界人たちは、地球を我がものとすべく、異世界人同士で争い始めた。

その争いの余波で当然地球人たちも蹂躙されるが、異世界人たちは全く気にもとめない。


自分たちの星でありながら、成すすべもない地球人たちは、決死の力を振り絞り、資源をかき集めて宇宙へと逃げることを決断する。

もはや地球人のことなど眼中にない異世界人たちは、その行動に興味すら示さなかった。

弱すぎるが故に、地球人たちは宇宙へ逃げることが出来たのだ。


そして地球人がいなくなった地球で、異世界人たちは百年以上もの争いを繰り広げてきた。

地球の表層はかつて地球人たちが作り上げた建物や、地球人が生きてきた文化や歴史といった生きてきた証はもう殆ど残っていない。


そんな荒廃とした地球で、やはり異世界人たちも疲弊していた。

複数の異世界で争っていたため、百年以上経った今も決着が着いていなかったのだ。


これには流石の異世界たちも辟易としており、これ以上今まで通りの戦いを続けたとしても、決着がつくのはもう千年はかかるという。

そこで異世界たちは、これ以上無駄な損耗を避けるため、とある提案を出した。


それは、各異世界から代表者を一名選び、代表戦を行うこと。

代表戦の舞台は、当然地球。

 何故なら地球で争うのであれば、各異世界の土地は荒れることもなく、自分たちに全く被害が出ないから


バトルロワイヤル形式で戦い、最後に勝ち抜いた代表一人の世界が、地球の覇権を手に入れれる、というもの。

 ここでいう覇権とは地球という土地の所有権

 各異世界は地球を介して行き来や貿易を行うことが出来るが、そこにかかる関税の設定などは、地球の覇権を手に入れた世界が自由に設定可能


地球という土地だけでなく、そこに付随する莫大な利益を求めて、各異世界は躍起になって代表を選出し始める。


そんな代表戦の準備を進めている最中、ふと何処かの異世界が、こんな冗談を言い始めた。


「そう言えば、元々この地球とやらに住んでいた、地球人はどうなったんだ?」


その一言は、本当に本当に気まぐれで放たれたものであった。

異世界人たちにとって地球人とは、もはや尻尾を巻いて逃げ出した雑魚以外の何物でもなく、今の今まで存在すら忘れていのだ。

久しぶりに聞いた地球人という単語に、懐かしさに地球を侵略し始めた時の思い出話に花が咲く程だった。


そして興が乗っり、こんな話も出始める。


「せめてもの情として、代表戦への参加を地球人にも呼びかけてみたらどうだ?」


それはいい考えだと、異世界人たちは笑いあった

誰もが冗談だと思っていたし、宇宙に逃げた負け犬の地球人たちは絶対に棄権するはずだと考えている。

そもそも、宇宙に逃げた地球人へ連絡する手段がない。


ものは試しだと、とある異世界人が自分たちの言語で、空に地球人向けのメッセージを送った。

 代表戦を行うことと、それも地球人も参加しないか? という内容


反応を全く期待してなかった異世界人たちだが、地球人から空に異世界人の言葉で代表戦に参戦する、というメッセージが届く。

 その時点で地球人が異世界人を想定以上に理解しており、また返信出来るだけの力を持っている事になるが、地球人を舐めきっている異世界人たちはその違和感に気づかない


異世界人たちは驚くが、まぁまた久しぶりに地球人を虐殺する楽しみが増えたな、と笑いあう。

各異世界の住人たちは、自分たちが自分の星も守れずに逃げ出した腰抜けの地球人に負けるだなんて、僅かばかりも考えていなかった。


そしていよいよ、代表戦が行われる日がやってくる。

複数のゲートやダンジョン、そしてタワーから、それぞれの世界から代表者が地球にやって来た。


すぐにバトルロワイヤルが始まるが、地球人の姿が一向に見えない。

怖気づいて、地球にすら降りることが出来なかったのかと、異世界人たちは地球人のことを嘲笑う。


そんな中、誰かが空に煌めく星の存在に気がついた。

 流れ星か?

 珍しいな

 でも、こっちに近づいてくるぞ


煌めく星は、隕石のように地球上に落下。

衝撃波と共に地面を抉り、逃げ遅れた異世界人たちを爆殺した。


何が起こっているんだ? と異世界人たちが慌てる中、その隕石が動き出した。

隕石と思われたそれは、地球人代表として送り込まれたロボット、ズロクローヴェンだったのだ。

その搭乗者である、ツルギ・カマナカは敵(異世界人)を見据え、こうつぶやく。


「地球への帰還を確認。これより、作戦名『Take Back the Earth』を開始する」


地球人は、確かに一度、異世界人たちの脅威から逃れるため、宇宙へと上がった。

しかし彼らは、たった一度も、地球を自分たちの元に取り戻すことを諦めてはいなかったのだ。


そのために彼らは宇宙で国や人種を越え、乏しい資源を寄せ集め合い、異世界人を研究し、異世界人を倒すためだけの兵器、対異世界人用可変型決戦兵器を開発。

 資源が限られている中での開発だったので、文字通り皆の血肉で作り上げたズロクローヴェン

  食料が足りないのであれば自死を選んだり、人体研究が必要なのであれば進んで被検体になる人たちもいた


時を見て地球奪還を目論んでいたのだが、物資の関係でズロクローヴェンを一体しか用意する事が出来なかった。

そんな折、地球で代表戦が行われると知り、地球人たちはツルギを送り込んだのだ。


ズロクローヴェンを稼働させるツルギの元に、巨大なサイクロプスが現れる。

サイクロプスは、宇宙から降ってきて、たまたま何人か殺しただけで調子に乗るなよ、と殴りかかってくる。


ズロクローヴェンに搭載されたAIが、すぐにツルギへ最適解を伝えてくる。


「脅威を確認。可変型(タイプ)『スライム』への移行を推奨」

「可変型『スライム』への移行を承認」


その瞬間、ズロクローヴェンの周りにジェルが噴出。

一瞬にしてズロクローヴェンがジェルの球体に包まれる。


そこにサイクロプスの剛腕が叩き込まれた。

だが、スライム状のズロクローヴェンには打撃が通じない。

衝撃波全てジェルを伝わり、いなされていく。


腕自慢のサイクロプスは、自分の攻撃が通じないことに更に腹を立て、ムキになってズロクローヴェンを殴りまくる。

 でも全く通じていない


それを遠巻きに見ていた異世界人たちが、サイクロプスを笑った。

 地球人如きに手こずるなんて


サイクロプスは完全に頭に血がのぼり、バトルロワイヤルの最終戦まで取っておく予定だった一撃を使うと、力を溜め始める。


そこで、ズロクローヴェンに搭載されているAIがツルギに向けて音声を発した。


「脅威の解析を完了。四肢動物と同様に、肺による呼吸を確認」

「わかった。潰せ」


その瞬間、ジェルから触手が伸びる。

それは殴りかかってきたサイクロプスの腕を、蔦が絡みつくようにして伸びていき、奴の口の中に侵入。

気道を完全に潰した。


呼吸する事ができなくなり、サイクロプスは陸の上にいるにもかかわらず、溺れたように手足をばたつかせる。

口に入ったジェルを取ろうとするも、ジェル状の物体のため掴むことが出来ない。


サイクロプスが必死の抵抗を続ける中、ツルギはズロクローヴェンを操作。


「対異世界人用決戦武装『アンサラー』の稼働を要請」

「機体の状況を確認。状態良好。『アンサラー』、稼働させます」


そして、ズロクローヴェンの右の手の甲から、仕込み刀が飛び出してきた。

だがそれは、刀と呼ぶにはあまりにも肉厚で、無骨な金属の塊と呼んだほうがそれを表現するには適切だと誰もが思うものだった。


しかし、誰にどう思われようとも、これが異世界人を殺すために地球人たちが文字通り心血を注いだものに変わりはない。

故にそれが、サイクロプスの胸部を押し切るように割断出来ないわけがなかった。


ツルギの操作で、ズロクローヴェンが『アンサラー』をサイクロプスの胸に叩き込む。

サイクロプスの肺が押しつぶされ、鮮血が飛び散る。

肺だけでなく、肋骨、心臓、背骨を砕き、えぐれた喉からは、口から侵入させていたジェルが飛び出してきた。


「脅威の排除を確認。可変型『スライム』から、通常形態へ移行します」


元の状態に戻ったズロクローヴェンを操作し、その場から立ち去るツルギ。

戦闘区域から離脱する意味合いもあるが、彼には目的地があった。


「過去に人類が遺棄した、地下の発電施設に向かう」


それは、まだ地球人が地球に残り、異世界人に対抗しようとしていた遺産だった。


ズロクローヴェンは通常形態で稼働するには問題ない動力を積んでいるが、より強力な可変型への移行を考えると、ツルギとしては動力を確保しておきたいという狙いがある。


発電施設へ向かう中、ツルギはサンドワームに狙われる。

サンドワームは地面の中を縦横無尽に動きながら、巨大な体とトラックすら丸呑み出来そうな口を使い、他の異世界人をも飲み込んでいく。


そんな中、同じくサンドワームに追われている異世界人の魔女と出会う。

そしてその魔女からツルギは共闘を申し込まれる。

彼女はとある異世界の第一皇女で、何事もなければそのまま自分の世界を治めることになっていた。


しかし第二皇女の策略で、自分たちをまとめる事になる皇族は最強であるべきと、出たくもない代表戦に参加させられていると告げる。

 第二皇女の企みとしては、第一皇女が勝てば自分の世界が潤い、負ければ自分が異世界を支配できるので、どちらに転んでも自分のためになる


自分は代表戦の勝者になるつもりもなく、最終的に棄権するので手を組みたいという。

 今すぐ棄権しないのは、ここで自分の世界に戻ったら何も出来ずに帰ってきた皇女と言われ、第二皇女が他の家臣を巻き込んで下剋上をするのが目に見えているから

 魔女としては、ツルギが代表戦の勝者になった後、自分の異世界を優遇する約束をしてくれればいい

  そうすれば手ぶらで自分の世界に戻ることもなく、自分のメンツも保てる

  第二皇女も自分を廃すれば地球の恩恵を受けれなくなるので、手出しできない


ツルギは魔女からの共闘の申し出を受け入れる。

しかし、すぐに信じることが出来ない。

ツルギは役に立ってみせろといい、魔女は魔法でサンドワームからツルギたちを認識できないようにして見せる。


すぐに魔法の効果が切れるので、早く移動しようと言われ、魔女の後についていくツルギ。

ズロクローヴェンから、人間の表情だと嘘をついている可能性が高い旨の警告を受けるが、わかっている、と言いながら、魔女と共に行動する


地下の発電施設に向かうまでの間、サンドワームだけでなく空からグリフォンや道中エルフの騎士に狙われる。

なんとか彼らを退けつつ、ツルギは魔女と共に地下の発電施設まで辿り着く。


施設に入り、エネルギーを補充している所で、サンドワームがやってくる。


魔女は慌てながら、充電はやめてすぐにサンドワームと相対しようとツルギに言う。

だがツルギは、そんな魔女を冷たく突き放す。


「もういい加減、お前の猿芝居は見飽きた」


そこで魔女は態度を変え、自分がサンドワームとぐるだった事を告白する。

 魔女が語った彼女の異世界の事情は、本当の事


魔女はツルギだけでなく、他の異世界人にも同じ様に共闘を持ちかけていたのだ。

 サンドワームだけでなく、グリフォンやエルフにも


魔女から何処で気付いたのか問われ、ツルギは最初からだと答える。


「魔法でサンドワームから逃れるすべがあったのにもかかわらず、追われているのがそもそもおかしいだろ」


魔女は自らの詰めの甘さを恥じ入り、次はもっと上手くやる、という。


サンドワームをけしかけ、ツルギを殺そうとした所で、ズロクローヴェンのエネルギーの充電が完了した。


「脅威を確認。可変型『サラマンダー』への移行を推奨」

「可変型『サラマンダー』への移行を承認」


ズロクローヴェンが変形していき、爬虫類の様に四足歩行となる。

全身から炎が沸き起こり、サンドワームが破壊した発電施設の金属を溶かしながら体を延長させていく。


ツルギは巨大化したズロクローヴェンを駆り、サンドワームと激突。

死闘の末サンドワームを打ち倒し、魔女も倒す。


ツルギは地上に戻り、異世界人を倒して地球を取り戻すべく、代表戦を戦っていく。


今後ツルギはもっと大規模な連合を組んだ異世界人や、神の如き力を持つ異世界人と戦っていく。

更に宇宙から地球人が送ったズロクローヴェンの強化パーツが届いたりしながら、戦いは続く。

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