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目覚めの時 ♯9

2200年1月12日


天照内にある大ホールにほぼ全てのクルーが集まっていた。

「ナラ副隊長、あれから10日が経ったけど隊長は大丈夫でっしゃろか。」

「…1週間って聞いてたけど何も音沙汰がなかったし。隊長のことだから大丈夫だとは思うけど。カルフまた語尾変えたのね…。」


長らく碧狼の安否がわからずにいたオルトロス隊の面々は少し不安になっているようであった。

「隊長の事なら大丈夫さ。簡単にくたばる人ではないだろ。」


イーターは持ち前の明るさでみんなを鼓舞している。

隊から少し離れた所では、エマが銃の手入れをしていた。

「みんな集まってくれてありがとう。」


喧騒の中大ホールの扉を開けて入ってきたイーグル艦長は開口一番にみんなへ向けて言葉を発した。

イーグル艦長の登場に辺りは静けさを取り戻し始める。

イーグル艦長の後ろからはキング司令、李広と楊貴妃、ネレアーとセレネー、そして碧狼が順に登場した。


「早速だが以前君達に話したP・Cの細胞を取り込む件の結果について報告する。まあ私が説明するより見た方が早いだろう。碧狼隊長頼む。」

「了。」


心配そうに碧狼を見つめるナラを他所に、碧狼は目を閉じ集中している。

数秒後、碧狼の体は狼のように変化し目は碧から金色に変化していった。

呆気に取られる面々をよそに、ネレアー、セレーネーが碧狼に襲いかかる。

鉄を壊す程の力を持つ二人の振り下ろしを、碧狼は両手でガードし、返す手で二人の手を掴み2階へと投げ飛ばした。

そして人間ではあり得ない跳躍力で二人を追撃する。


「よし、そこまでだ。」

イーグル艦長の声により3人の動きは止まる。


「見ての通り、実験は成功だ。碧狼隊長はP・Cの細胞を取り込み力を手に入れることができた。」

状況を理解したクルー達は一斉に歓声を上げた。歓声を制するようにイーグル艦長は手を挙げ、続けて言葉を発する。

「細胞の取り込み…いやあえて獣化と呼ぼう。この獣化という言葉は碧狼隊長が名付けた。」


微動だにせず休めの体勢を取る碧狼の横で李広は少しつまらなそうな顔をしている。

「獣化で得たのは身体能力だけではない。碧狼隊長が取り込んだ細胞は狼だがその特性が副産物として備わっている。だがこの力にもデメリットがあり活動時間は1日1時間までとなっている。それ以上やると体に深刻なダメージが出てきて最悪死ぬ可能性がある。これは碧狼隊長が実際に体験したことだ。ただし当初は30分しか活動できなかったこともあり活動時間自体は伸びている。今後より細胞が定着し、それに耐えうる体を手に入れることができれば更に活動時間は伸びるだろう。」

「…今までのことを総括すると隊長は死にかけたってことででっしゃろ。」

「言ったろ。そう簡単にくたばる男じゃないって。」


カルフとイーターが話している後ろでは、エマがうつむき震えていた。

レンメルの仇を取ることができる力を持てるという事実にエマは喜び勇んでいるようであった。


「この結果を得て我々は3ヶ月後に地球へ降下し、本格的に地球奪還作戦を行うこととする。」

イーグル艦長の作戦始動に湧き上がるクルー達。


「戦闘員の希望者は李広の元へ集まるように。準備が出来次第手術を順に行う。…ただし最初の1週間は死ぬほど辛いぞ。」


キング司令の言葉に怯む者は誰もいなかった。誰もがみんな故郷である地球を奪還する為に、力にすがるのであった。

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