とある国で断罪婚約破棄が起きたら?
五歳の幼女シェレスティアナは、国の重鎮を招いて聞いてみた。
「そもそも、小説みたいな展開が現実では置きません」
イヌビトのトゥーリは、チビエマの姿のまま耳をパタパタさせながら答える。
「貴族同士の婚約もありますが、一度結んだ婚約を相手の婚約者が不幸になって亡くなったりしない限り、白紙にも破棄にもなりません」
エンジェビトのマノも頷く。
「婚約とは約束された婚姻の証。それを反故にすると言うのは約束を守れぬ無能であると自らアピールすることになる」
リュウビトのドラゴンさんも頷いた。
「もしやられたら噛み砕く?かな?」
マジュウビトの翼狼は笑顔で首を傾ける。
「カンチョー連打からの、急所にホームラン100本ノックだぜダテン」
ダテンビトのカインがどや顔する。
「市中音速で引き回しからの、音速押しくら饅頭エンジェ」
どや顔のエンジェビトのロイヤルも頷いた。
……チビエマ有能過ぎる。
幼女は目を細めるのでした。