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昨日の敵は今日の友か?~1話~

初投稿です!稚拙な文章申し訳ない!起承転結も気にせず自由に書きました。不定期だけど頑張りたいと思います!

 


  息を整えて交差点は気をつけてゆっくり渡る。

  曲がり角に差し掛かり、その先はもう学校まで一本道。


  小路の数十メートル先に校舎が見えて、生徒達が慌ただしく門をくぐっている。

 

「急がないでいいぞお!怪我しないようになあ!」

  筋骨隆々の怖そうな教師が校門前で注意を促している。


  私はいつの間にか立ち止まっていた。

  耳を澄ますと住宅街の生活音が聞こえる。

  今日という日の始まりを告げてるかのような心地よい音が好きだ。


  その小径の両脇は草花で彩どられて、優しい風に揺られながら息づく。太陽の輝きを浴びて光と影のコントラストが生まれ、より鮮やかなシーンを作り出す。

 



 まるで生徒達を歓迎しているかのようでとても美しい。

 暑さというアクセントは余計だが。


  「しあわせの小径って感じかな」

 

(どうか……今日が、この瞬間も、1寸先までも幸せな時間でありますように)


  私は心の中でおまじないをかける。

 

  「そこの女子!なにぼっ〜としとる!?ウチの生徒か!?」


  「ひっ!?ごめんなさい!!」


  駆け足になるも「走るなー!」とやんわり叱られ、流れるように挨拶をした後、その足ですぐに職員室に向かう。

 

 コンコン。


「失礼します。おはようございます」

 扉を開けるとひんやりしたエアコンの風が流れてきた。

  「やあ。君、もしかして転校生の朝倉さんかい?俺は東だよ!!」


  そわそわしているとすぐに私が入るクラスの担任が駆け寄ってきた。

 

 

  そして今日の一日の流れが説明されたのだが……頭に入ってこない。

  その先生は少し変わっている。

 漫画でしか見ないようなかなり長い髪が特徴的で、イケメン高身長でスーツを肌が見えるくらい着崩して、まるでホストのようなゴージャスな身なりで驚く。


 


「大体わかったかな?まあ今回は転校生1人だけど緊張することはないよ!!オレがついてるぜ!!アイムウィズユー!!」


「はっはあ……?」

 ちょっと喋り方にも癖はあるが、にっこりと微笑んで緊張を和らぐようにしてくれている気がしないでもない。

 だが頭には入ってこない。


  「すみませんやはりもう1回説明お願いします」

  「ホワッツ!?ハプン!!?」


 どうやらSHR【ショートホームルーム】中に自己紹介と軽い自己PRをしなければならないが、転校生への質問タイムなどはとくに設けないらしい。(別の学校では質問タイムがあった)


「そしてこのクラスはね、このクラ…スは…」

  「え?」

 話の最中、クラスメイトの印象の話になると、何故か急に言葉が途切れて顔が強ばる。



  少し間を挟んだが、言葉を濁して話し出す。


「個性的なクラスだよ!!うん、そう個性的……基本、愉快ないい子達だから気にしないでいいよ!」

 

 個性的で愉快?……なんかちょっと引っかかるなあ…


  そして一通りの事を聞いてから、先生と一緒に教室に向かった。

 

 移動の最中、先生は何故か自分が脚フェチというのをずっと語っていたが、私は自己紹介前の緊張でそれどころではなかった。ていうか普通に気持ち悪い。

 

「さあ?ここだよ子猫ちゃん?」


  あっという間に教室につき、まず先生が先に入る。

 私は合図があるまで扉の前にて待つ。


  ドクンドクンと脈打つ心臓が徐々にうるさくなっていく。

 やっぱり何回転校しても自己紹介だけは慣れないなあ。


「OK!みんなぁ!ジャストモーメントプリーズ!!おーい!入ってきてくれるかな?」

 

 大きな声と同時に扉が開いて、先生のウインクの合図で中に入る。なんか変な汗かいてきた…

 

 

  ゴクリ… と喉が鳴った気がする。

  クラスメイト達の目が私に集まる。


「じゃあ自己紹介してもらおうかな……名前は黒板に書いてね!」


  私は震えながらもチョークで小さめに名前を書く。


「朝倉朋花です!よろしくお願いします!」

 そして笑顔をニコリとする!!よし!バッチリ!!


「ん?えーと。趣味とか好きなのものも一つ言おうか?」

 

  しまった!!

  自己PRを言うことをすっかり忘れていて動揺する。



「その……えーと……」

 

  頭がパニックになる。

  俯いてなんとか思い出そうとするも、何も思いつかなくて真っ白になる。

 

「あっ!あぅ…」

 

  何だっけ何だっけ…!?早く喋らなきゃ!!

 



「あー、あ、あ、あたしは脚フェチ!?あっ!!いや!ちがくて!お菓子フェッフェ!?違う!!!いや、ちがますっ!!その!お菓子作りがトクーイでぃでぃーす!」


  シーン……。

  教室が凍りついた気がした。



  .....失敗した……。


  異様な空気の中、私はプルプル震えていた。


 


「うん。じゃあ、廊下側の1番後ろの席が空いてるからそこに座わりなさい」



 先生は何事もなかったかのように指示する。

 

  私は早歩きで席に座るなり、すぐ手で真っ赤になった顔を覆い隠した。


 ああ!!失敗した!失敗した!!やってしまったー……

  オオオ、オレ!オレがついてるって言ったじゃん!

  ちょっとくらいフォローしてくれても!

 

  さっき、脚フェチの話聞いたから頭に残ってたんじゃん!…絶対やばい奴と思われたよ……どうしよ。終わったよ……。


  私があれこれ考えてるうちに、いつの間にか出欠が取られていた。

 せめて顔と名前を覚えようと思い、恥はとりあえず心の奥にしまっておくことにした。

 

  ゆっくり深呼吸をして少しだけ落ち着きを取り戻す。

 

  次々と名前が呼ばれていき、クラスメイト達は「はい」と淡々と返事をしている。

(皆、凄いオシャレだなあ……可愛い子ばかりだし)

 まじまじと見るのも失礼なので、こそこそと見ていたのだが、どうやら私みたいな所謂、なんちゃって制服や学校指定の制服は少数派なように見える。

 さっきの自己紹介といい、クラスから浮いてしまいそうで不安しかなくなった。


 そして、スムーズに出欠を取られていたのだが、先生はピタリと名前を呼ぶのを止めた。

 

 (ん?なんだろ?)先生を方に目をやると小刻みに体を震わていた。


  そして恐る恐る名前を呼ぶ。

 

「さ、さいごう…さん」

 

 しかし、返事はない。

 

  誰だろう?と私は周りを見渡そうとしたその瞬間だった。

 左隣で椅子が後ろにガガっと下がる音がすると、その女子生徒は勢いよく立ち上がって開口1番言い放つ。


「うがががああ!!!!!!.......子々孫々!!末代まで呪ってやるぅぅぅ!!!!」


 突然の甲高い大きな叫び声にビクゥッ!!っと身が竦み上がって、キーンと耳鳴りが起る。

   

「え?え?え??」

  理解不能な事に私だけ度肝を抜かれパニックになる。

 

  更にその隣の女の子の身なりを見て驚愕する。


「え!?裸!?は??いや?葉っぱ??は?」

 

  西郷さんはとにかく露出度が高く、上着も着てなければ下着も葉っぱ1枚という謎の格好だった。


 補足すれば胸には黒いハート型のニップレスようなものを付けて最低限は隠しているが……

 


 この教室には大勢の人がいるにも関わらず、その子は何一つ気にする素振りもなく、仁王立ちしているという異様な光景が広がっている。

 

  クラスメイト達が無反応なのもすごく不気味だった。


  「うわ、胸すっご……うわ〜、すんごいぼよんぼよんしてる」

  あまりのことに私は心の声がダダ漏れて1人騒いでいた。

 

  私のそこそこ大きい胸の倍以上あるであろう、信じられないくらい豊満な巨乳。


  奇抜な格好にも驚かされるが、見れば見るほどとにかく全てにおいて派手だった。

 

 目が青く、髪はブロンドの長いウェーブヘアに、彫刻のような美しく整った顔。女性では珍しいくらい鋼のように鍛えられた筋肉と、スラッとモデルのような長い手足にプルンプルンのお尻。


  お尻もバカみたいに丸出しだが、立ち姿をよく見るとTバックらしきものがチラッと見えた。

 

  これがこの学校では認められてる私服なのだろうか。いや、私服なんだろうか?なんなんだろうか?

  凄い……自由すぎるでしょ校風……

 


「その、出欠続けるぞお…」

 

 静寂の中、先生はやっと出欠の続きを取ろうとするも……。


「タッセル!タッセル!タッセルゥ!」

 

 西郷さんは先生の声を遮るように食い気味に叫び出した。

  そして、ハート型のニップレスの真ん中に付いている紐をちょんちょん触って揺らしている。

 一体なんの意味があるんだろう……ていうかなんなのこの人ほんとに。


「あ、うん。タッセルな…じゃあ、つぎぃ〜」

「タッセル!!タッセルゥ!!!!!!」

 

  尚、続くことに戸惑いながらも先生はとりあえず宥めるように相槌を打ち、謎の声高の訴えにもめげず出欠を取り続ける。


 

 なんなんだろ ……というかあの紐がタッセルって言うのかな…

 その後も地獄のような時間は続いたが、先生はなんとかやり遂げる。

  西郷さんは何をそんなに熱く伝えたかったんだう。

 当然のようにクラスメイト達の名前は頭に入ってこなかった。

   



  SHRが少し早めに切り上げられ、1時間目が始まるまでに10分近くあった。


  この間に転校生である私に声かけてくれる人が数人はいるかなと願っていたのだが……


  教室はずっと静かだった。


  どうしよう……

  自分からは話しかけづらいし、というか自己紹介の醜態と諸々の騒ぎで、頭が少し混乱気味で頭を抱える。

 

  「ちょっとあなた……大丈夫か?」


  隣からその声は確かに耳に入ってきていたのだが、うだうだした考えに掻き消される。


「これ、生娘」


 ん??生娘???

  今度は謎のワードが頭にガツンと割り込んできて、はっと声の主に目を向ける。


  西郷さんは偏見持った言葉とは裏腹に、曇りなき青い眼でこちらを凝視していた。

 

  (うへっ!?私に言ってる?え?待って、どうしよう。こわ!)

  思いがけない事態におろおろして挙動不審になる。

 


「これ生娘!返事をせぬか!!これぇえええ!!!」


「ひいぃ!!あにょ!!わわわ、ワタクシのことでしょうかか?」

 

「うぃ」


  やはり生娘とは私のことで、それより威圧感が凄まじくて、生まれたての子鹿のように震えてしまう。


  ( ひええええ!誰か助けて!!)

 

「名をなんという?」

 

  なんと、ついさっき自己紹介をしたはずなのに聞かれたのだ。

 

 (あっ、でも……支離滅裂だったからしょうがないのかな?よ、よーし!)

 

「あさ、ああ、朝倉朋花です。よ、よろしくです」

 

「なるほどね」

 

  何がなるほどなのかはよくわからないけど、無事覚えてもらえたのかな。


「ともーん星人と名付けよう!!」


「え!?」


  もしかして、あだ名って事なのかな?いきなりだなあ。ま、まあ、陽キャな人は名前聞いてすぐ付けるのかな…この人派手で陽って感じだし。

 

 しかし、何故に異星人扱い?

  戸惑いながらもとりあえず受け入れるのだが……

 

「どうした?とももん??」


「ええ!?」


 ともーん星人はどこ行った!!?あだ名が数秒で変わったってこと!?

  まっ、まあ呼びにくかったしね。こっちほうが可愛いし!しょうがない、しょうがない……


「ともじろうはさ?」


「ええっ!!????」

 

「むむっ?どうした?」


「あっ、いえ、その……なんでもありません」


 もうなにがなんだか……

 


  でも、一番に話しかけてきてくれたんだよね。

変なあだ名つけられたしすごい怖いけど。

 

  この場合?私も話振ったほうがいいのかな。こっちもあだ名付ける??うーん。わかんない殴られそう。……あっ!そうだ!

 

「さ、西郷さん、その格好ってコスプレなんですか?」

  思わず1番気になることをド直球で聞いてしまった。

  「コスプレだと?」

  「は、はい……」

 

 ゴゴゴゴゴゴ。



  謎の緊迫感ある擬音語が聞こえてくる気がする。

  やだ!もしかして殴られちゃうの!?


  「ゴゴゴゴゴゴォ!」

  「いやあんたが言ってたのかい!!」

  「なに!?」

  「あ!?いやその……」

  思わずツッコミが……

  「貴様!この格好がなんだと言うんだ!!」


  「ひっ!?あの、そのサンバのコスプレかなあなんて?……思ったりしちゃったかなあなんて」


  「これはタンガでもなければ、背中にコステイロも背負ってないし、頭にカベッサも被ってない!!」


  コス???カベ???またよくわからないワードがたくさん出てくる。


  どうしよどうしよ、怒ってるなあ……ん??


  「あ!?その股間の葉っぱの名前知ってる!イチジクの葉だよね?わかった!アダムとイブのコスプレだ!!」


  「アダムとイブがこんな卑猥なニップレス付けてるか!これはコスプレではない!!いい加減にしろ!!」


  「ええ!?」

  なんか理不尽!?ていうかエッチなの自覚あったのかあ。


  それはそうとまた怒らせちゃった……転校初日でなにやってんだろ私。

 

 

  会話はここで途切れたというか、1時間目の授業がちょうど始まった。

 

  私史上最も長い10分がやっと終わったのだ。

  一寸先は闇とはよく言ったもんだ……

 

 そして、長い長い悪夢のような2日間はまだまだ始まったばかり。


 

 







読んでくださった皆様ありがとうございます。これからもがんばらせてもらいます!!

追記

色んな人に読んでもらえて恐縮です!!すんごく嬉しいです!なんとか読みやすいように直して続編書いていきたいです!

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