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プロローグ

お騒がせしてます!

現在かなり手探り状態で大幅修正中です!

序盤はプロローグということにしたほうがテンポいいと思いました。

終わり次第次の話も書きます。

よろしくお願いします。


 




「朝倉朋花ですよろしくお願いします……よろしくお願いいたします?あれ、おかしいかな」


  ポカポカの白い朝日が窓から気持ちよさそうに入ってきている。


 天然のスポットライトが私を照らす。



 しかしそんな事にも目もくれず、自室の全身鏡に映る自分を睨みつけながら、勇気を奮い立たせる呪文を唱えるかのように自己紹介の練習していた。



 まだまだ気怠い暑さが残る夏休み明け。


 今日は転校先への初登校日なのだ。






 高校に入学して数ヶ月経った時のこと、私は急な父親の仕事の都合で引越しが決まり、受験を血と汗と涙を流し頑張って乗り越えたにも関わらず、早々に学校を転校することになった。




  まだ友達もできて間もなかったのに、毎度の事ながらなんとも大変迷惑な話である。


 その友達ともあっという間に疎遠になってしまって、また一から関係を築いていかなければならないので気が重かった。





 いい加減練習にも疲れてきたな。



 持ち物チェックも念入りに何回も行った。



 身だしなみチェックはそれ以上だ。


 短時間にお風呂に5回も入り、体を清めて、入る度にお肌の手入れも歯磨きもした。


 そして重要なのは髪。

 ロングの黒髪で手入れが大変なので、綺麗に保つ維持費はバカにならないのだが、そこは両親の脛をかじることにしている。


  キューティクル整えるのに命をかけ、意地でも綺麗に見せたい。ドライヤーのテクもアイロンのテクも日に日に成長している気がする。

   


「ふー、もういいかな。……じゃあそろそろアレの出番だね」


 クローゼットを開けておそるおそるあるモノを取り出す。




「ふふ、これさえあれば私は無敵!」


 ……それは制服である!


 一気に不安を吹き飛ばすかのように不敵な笑みを浮かべた……気がする。




 今回の学校は制服と私服どちらでも選べるという生徒の自主性を尊重した自由な校風なのである。



 私服を無限に選べるのは確かにいい。だが私は学校指定の制服でもなく、あえて自前の制服を新調した。


 購入後すぐにクリーニング出して数日前に受け取ったばかり。


 なので、まだ、ビニールを外してない真っさらな状態のものにいよいよ袖を通す。


 シワがないパリッとしたカッターシャツにスカートと胸のリボンは青色のチェック柄で合わせ、そして白のVネックのダボッと着れるニットのベスト。





「ふふ、素敵。.........仕上がりも完璧だね!」


 全身鏡を覗き込み思わず見惚れてしまう。



 くねくねしながらシワにならないようにセクシーなポーズを取ってみたり、その場で軽く回り綺麗なヒダのスカートをヒラヒラと優雅に揺らす。



 ピタリと止まりキメ顔。



「あー、これもうモテちゃうかな?


 カーストトップになっちゃうかな?


 ふひひ、高嶺の花になっちゃうのかな〜?」


   


 コンコン。




「なーに気持ち悪いこと言ってんの?ドン引きなんですけど」






 ドアをノックした音に思わずビクっとなり振り向くと、


 いつの間にかドア前にお母さんが真顔でこちらの様子を眺めていた。


「びっくりした!!なっなんで勝手に入ってきてるの?ノックくらいしてよ!!」








「いや今したし?さっきから何回もしてたわよ。それより、ちょっと高嶺の花は意味わからなすぎない?」








「え?やだ!どこから声に出てたの?心の叫びだったのに!!」








「全部声に出てたわ!!おっちょこちょいがっ!!!このナルシスト内弁慶娘!!!共感性羞恥でお母さん死にそうよ!!」






「おっ!おだまりなさい!!」




 恥ずかしさで顔真っ赤にして、気が動転して変な口調にもなっている。


 もう無敵とは程遠いな。




「もっ、もうなによ!!内弁慶ってなんなのよ!……てゆうか何しにきたの!?」




「何ってお弁当持ってきたのよ。もう時間でしょ?」




 少し気だるそうにあくびをしながら勉強机にそっとお弁当を置く。




「やだ、もうそんな時間なの!?」




 不安と緊張がハチャメチャに押し寄せてくる。




 .......表情が強ばるがふと思いつく。








「ねえ、お母さん?」








「ん?どしたの?」








「.......その〜あのね?ちょっと髪編んでくれない?可愛くヘアアレンジしてほしい!

 なんかさ?凄い転校生がきたぞ!?みたいなさ?


 あー、あとさー、香水とかも貸してよ!全身からフェロモン的なの醸し出したいんだよね!


 それから乳液、化粧水がもう空だから今日買っといてくれない?」






 こいつまじか?と言わんばかりに唖然とした表情になる母だが、それを察しても私は喋り続ける。






「だってさ?初日はバシッと決めたいじゃん?

  いい女をアピールというか、舐められてたまるか!

  みたいな?

  ほら!なんというかただものじゃねえなこいつ!

  みたいな?

  芋臭い女ってバカにされたくないしさ。

 とにかくただもんじゃなくしてよ!!」


「どんなけただものじゃなくなりたいのよ!?

  何しようがあんたはあんたでしょ!」


 やれやれと深くため息をつく母。


 



「バカなこと言ってないで早く行きなさいよ! 大体もうそんな時間ないでしょ!」




「え?時間を惜しんでる場合じゃないじゃん!?」 




「惜しめ!!!初日から遅れて恥晒す気!?」



「なんでわからないのかなあ!?

  順風満帆な学園生活に送るためには絶対に必要なんだ よねえ?

  私とお母さんがアルゴリズムを組むことでゲノム細胞進化だよ!!」






「ほんとあんたようわからんこと言って人を言いくるめようとするんだから。……もういい、あんたの好きなお菓子作り一生禁止にするわ」






「ごめんなさい。今すぐ行きます」


 



  しかし、そのすぐ後に母がどこかへ外出した。そのタイミングを見計らって、玄関前の棚の上にとりあえずお弁当を置いてから、母と父の部屋に侵入して化粧品などを漁る。






「ふふ、借りるだけ借りるだけ〜♪」


 手に取った香水ではっとする。




「これもしかして制服シミになっちゃうんじゃ?あれ?そもそもどうつけるんだっけ……?携帯でお母さんに聞く……いやネット検索……ああ、やば!?時間やばあ!」


  刻々と時が進み焦るものの試行錯誤は続く。




「そ、そうだ!ヘアフレグランスなら問題ないか!あれ?髪の内側?外側?タイミングは!?

 そもそも手入れしたから既に良い匂いだし!?


  あ〜どうしよ!制服も良い匂いさせたいな……」


 後から後からあれもこれも気になり出してきた。


 なんでさっきは思いつかなかったのか……




 若者に悩みは尽きないものである。




「いけない!急がなきゃ!」


  雑に香水の香りを身に纏わせてる。

慌ててドアを開けた途端に、もう夏も終わりなのに響きたわる蝉時雨。


 生ぬるい暑さを切り裂くように私は全力疾走する。




 猛然と走っているのにどこかシナプスは暴走気味でわくわくしていた。

 学校への道順はまだ覚えたばかりでまだまだ新鮮な発見がいっぱいあるからだ。




 思わず入りたくなる外観がピンクで可愛いパン屋さんや、少しレトロでオシャレな雰囲気が漂う雑貨屋さんも素敵。


 もし友達ができたら行ってみたいな。



  (気に入ったよこのコース!私が決めた!私だけの通学路!)と、道すがらずっと心の中をときめかせていた。




  ここには長く留まってもいいと思う。

 

たくさんの人に読んでもらい感動してます!

ありがとうございます!

今回は少女漫画を意識して書きました。

クスリとでも笑ってもらえれば幸いです!

ではまた!

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