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琥珀色の空  作者: アロマセラP
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1話

俺は人が焼かれるのを何度も見てきた。実際に悪事を働いて焼かれたもの、私欲のために焼かれたもの。焼かれる理由は様々だが俺が一番多く見たのはそのどれでもない。

それは・・・


「あー、いい天気だ」

アドルフは伸びをしながら歩いていた。

「お前緊張感なさすぎだ、これから山賊退治に行くんだぞ」

「あはは、大丈夫だって。お前こそ今からそんなに気を張ってたら山に着く前に疲れちまうぞ」

アドルフはカイににそう返すと彼はまた伸びをした。


数刻歩いた後件の山に到着した。

「ここが山賊がいるって言う」

「ああ」

「この山に居るのは積み荷を盗む悪党共だ。容赦はいらん。皆殺しにするつもりで行け。」

アドルフたちが話していると団長が声を張り上げた。

「みなのもの、行くぞ!」

「おお!」

アドルフたちの周りにいた男達が剣を突き上げて叫んだ。そんな彼らを木の上から見つめる目があった。

「ちっ、修道騎士か」「面倒なことになった」

そう言うと彼は山の中に消えていった。


山の中はとても静かだった。山賊はおろか鳥1羽いないような感じだ。だがそれが逆に山賊がいることを確信させた。

彼らは山の中をゆっくり進んでいき、開けたところで立ち止まった。

「そろそろ仕掛けてくるかな?」

すると草が音を立てて揺れた。

彼らのほとんどがそちらを向いた。それを合図にしたかのように彼らの背後、音がした方の反対側から武器を持った男が飛び出してきた。

「アドルフ!」

アドルフの後ろから男が斬りかかろうとしていた。

「は、甘いね」

アドルフは振り向きざま男の武器を持っている方の腕を切り落とした。

「斬りこみ隊長がそれかよ。たいしたことねえな」

とは言ったものの次から次ぎへと山賊が出てくるのですでに混戦状態だ。

「カイ!」

カイの後ろから男が斬りかかっていた。

だがカイは後ろを見もせずに腰から鞘を抜いてそれを後ろに突き出した。

鞘は男の腹に食い込み、男は悶えながら倒れた。

今だと思いアドルフは倒れた男に斬りかかった。だがそれは横から入ってきた剣に弾かれた。

「くそ、何人いやがんだ」

アドルフは後ろに飛び退き体勢を立て直した。

(こっちにも何人か怪我人が出てきたな)

辺りを見回しながら状況を確認する。

このまま戦い続ければ数の少ないこちらが不利だ。

親玉の居場所さえ分かれば)

アドルフは向かってくる男を払いながらもう一度辺りを見回した。

すると、森の奥の方に動かない人影を見つけた。

「あいつか」

アドルフはそこに向かって走り出した。

「おい、アドルフ!何処へ行く!」

先頭にいた男、団長が叫ぶが彼にはもう聞こえていなかった。


アドルフは人影の近くに来ると木で身を隠しながらそいつを見た。

そいつは布で顔を隠しているので正確には分からないがかなり若いように見えた。

(俺らとそうかわんなくね)

もしこいつがそうならかなりの手練れということになる。

気を引き締めてアドルフは木から飛び出した。

そして柄に手をあてながら

「お前が親玉か?」


「ったく、アドルフの奴」

カイは相手の剣を受け止めながらつぶやいた。

あいつの独断行動はいつものことだし、何か気付いたんだろうが。

「動くならこっちに知らせてからにしろよな」

今はあいつを信じるしかない。


アドルフが剣をいつでも抜けるように用意をして相手をにらむ。すると、

「いかにも、私が親玉だ」

と言いながら立ち上がった。

「え、な」

立ち上がったそいつを見てアドルフは絶句した。

「なんだ?私が女であることがそんなに意外か?」

確かに可能性はあったが…

「何だ?女は傷つけられないとかか?」

「はっ、まさか」

アドルフは剣を抜いた。

「悪は全てたたき斬る。男だろうが女だろうが子供だろうが関係ねえ」

「悪はたたき斬る、か。そうか山賊は悪か」

「あ、当たり前だろ。荷馬車とか襲っておいてなにを今更」

相手の意外な言葉に少しうろたえながらアドルフは言った。

「いやー、こちらも金がないもんでさー」

「イヤイヤ、金が無いからって人を襲っていい理由にはならねーよ」

アドルフはそう言いながら無意識に切っ先を下げていた。

それをみた頭領はニヤリと笑った。

(しまった)

慌てて構え直そうとしたが構えた時には既に相手の短刀が首筋にあった。

(なっ!)

「話に夢中になって気を弛めるとは。まだまだだね、坊や」

「っく!」

アドルフは地面を蹴って後ろに跳んだ。

「お前、何で」

「何で殺さなかったかって?そんなのつまらないからだよ」

「は?」

つまらないから?

「あんたみたいなやつを一撃で殺しちゃったら面白く無いじゃない。あんた、結構強いんでしょ?」

確かにアドルフは修道騎士団の中でも5本指に入る実力がある。それを一目で見抜くとは。

(かなりできるな、こいつ)

アドルフは腰を落とした。

「それじゃあ、始めましょうか」

頭領とアドルフがほぼ同時に突っ込んだ。


「この馬鹿者が!」

アドルフは頬に右ストレートを喰らい後ろに吹っ飛んだ。

「独断行動はするなと何度言ったら分かるんだ!」

アドルフは頬をさすりながら立ち上がった。

「でも、あれが一番いい方法だったと思うんですけど」

「そうだとしてもまずわしに一言言え」

「いや、でも」

「一人の独断行動が仲間の死に繋がることもあるんだぞ!」

「す、すみません」

そう言われると謝るしかなかった。事実、アドルフが抜けた分他の人がカバーしなければならなかったのだから。

「今回は誰も死ななかったからよかったものの。次同じことしたら除名するからな」


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