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壷中天  作者: 木の枝
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 ここには、考える時間だけはいくらでもある。ベッドに蹲った体勢のまま、これまでの自分の思考と行動を思い返し、気付いたことが一つある。私は確かに人と関わることは苦手だ。だが、人そのものが苦手なわけではない、ということ。ならば。―――――ここから、出ようか。


 ふと浮かんだ考え。しかしすぐに首を振った。私が他人を遠ざけようとしたのは“私”に嘲笑されるのを防ぐためと、他人に私が、“私”が見ているのと同じように見えているのではないかという妄想に取り憑かれたためだ。どちらも理由は“私”に集約する。“私”の存在さえなければ、私は人との関わりが苦手だなどと思うことはおそらくなかっただろう。私の中で“私”の存在は大きすぎる。今更無視できるほど軽くはない。でも。―――――このままここにいることができるだろうか?


 今は落ち着いているが、おそらくここにこのままいればまたあの苛立ちに襲われるだろう。苛立っては暴れる、を繰り返すか? それに、最初のうちは暴れることで苛立ちを解消できても、その根本的な理由が解消されない限り、苛立ちは一時的に静まることはあっても消えることはないだろう。そしていつかきっと狂う。それが嫌ならば。―――――出るしかない。


それでもやはり、“私”は怖い。外に出れば、また“私”の嘲笑に耐え、逃げる日々が戻ってくる。―――――出たくない。


 思考は堂々巡りを始める。出るべきだという思いと、出たくないという思いが、ほぼ等量。このままここに留まり、人知れず狂っていくか。それともここから出て“私”を恐れながら一生を過ごすか。―――――決められない。


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