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壷中天  作者: 木の枝
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暴走

 ひとしきり喚いて、私は床に手をつき、項垂れて息を吐いた。ここでは疲れはないが痛みはある。つい先ほど分かったことだが、そのせいで奇妙なことになっていた。確かに息はそれなりに上がっているが疲労した感じはまるでない。だが、咽喉が痛い。わめき続けたせいだ。声がガラガラになって止めざるを得なくなった。それだけ喚いても苛々は収まらない。おまけに咽喉の痛みでさらに苛々が募る。


 どこかふらふらとした動作で立ち上がり、再びうろうろと歩き出す。休む気にはどうしてもなれなかった。苛々と速足で歩き回っていると、ふと、ベッドの下に本が一冊入り込んでいるのに気付いた。かなり前に投げ出した記憶があるものだ。そういえば、歩き回っていた時によけるのが面倒くさくて何度か蹴とばした記憶がある。見かけなくなったと思ったらこんなところに入り込んでいたのか。一度気付いてしまうと妙に目障りな気がして本棚に戻そうと拾い上げた。その本を取り出したあたりの本棚まで歩いて行く。その本を抜き出した後の空洞を探すが見つからない。


 このことはただでさえ苛々して沸点の下がっていた私の精神に追い打ちをかけ、苛立ちのはけ口を求めた私は、今持っているその本をその対象として認識し、実行した。つまり、手に持っていた本を床に投げつけた。完全な八つ当たりだ。次の瞬間には頭の中は真っ白で、気が付いた時には部屋中に本が散乱し―――――中には破れたページなんかもあった―――――ソファが横倒しになっていた。


 暴れたことで少し苛立ちが収まった気がして、気分が落ち着いた。漸く少し休もうという気になって、寝ようと思った。床に散乱した本はそのまま、その本を踏みつけてベッドに向かう。ベッドの上にも本はあって、それを叩き落として横になった。


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