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子供の成長って早いね②


―――そして今に至る。


「まあまあ!なんて可愛らしいお嬢様なのかしら!

このトルソー、腕がなりますわ!」


まてまてまて、情報が追いつかない。

オネエなのは、見た目から想像ついたけど、

まさかの本名トルソー⁉︎

服着せるやつじゃなくて⁈

しかも、声めっちゃドスがきいてるし、

ゴリゴリマッチョやん!


「そうだろう、そうだろう!

期待しているぞっ!トルソーよ。」


娘が褒められてご満悦なパパは、

数分後、オネエにカモにされていた。


「マクロレンス辺境伯?

きっとお嬢様には、最高級のシルクレースを使ったフリルがお似合いになりますわっ!」


ササッと見るからに凝ってそうなレースを広げて見せる。


「ふむ、確かにうちの(むすめ)に似合いそうだ。」


「ほほっ、そうでしょう?

せっかくのデビューパーティーですもの!

着飾らなくてわっ!

―――ああ、こちらのクリスタルを裾にあしらったら綺麗ですわよ、きっと。」


クリスタル要らないっ!


「アクセサリーだけでなく、ドレスにも縫い付けるのか?」


「ええっ!踊られる時にフワッと舞って、

輝く事間違いなしですわ!」


「っそうかっ?」


ダメよ、パパ!騙されないで!


「パ「主役はソフィアお嬢様で決まりですわっ!」…パ、、。」

思いっきり被せられた。

私の方を見てニッコリ笑う、オネエ。

こいつ!分かってやっとる!


「よし!付けてくれ!」


あぁー、気付いてよ!

トルソーとその部下の顔!

良いカモ見つけた!って書いてあるじゃない!


「んんっ、パパ?」

見てなさい、トルソー

これが愛娘の強さよ!


「どうしたんだい?

何か欲しいものがあるのか?」


ねぇよ!

……あら、失礼。

こほんっ。


「ソフィアね、派手なドレスより

シンプルなドレスが欲しいの。……ダメ?」

一人称ソフィアな私はいかがかしら?

パパにはたまらないでしょ?


「そうか、そうか。

じゃあ、シンプルなのも作ろう!」

って、おいっ!

それじゃ意味がない。


ほら、そこの仕立て屋!

目をギラギラさせない!


「ソフィア、派手なの着たくない。

シンプルなドレスだけ欲しい。」

1着で良いのよ、1着で。


「だが、せっかくのパーティーだぞ?」


だめか。でも大丈夫っ。

私には魔法の言葉があるもの。


「マリーが誰かに見初められたら、そのまま婚約もあり得るって言ってました(めちゃめちゃ過大表現)。

――パパは、ソフィアがお嫁に行っても良いのですか?」


「そっ、えっ?ソ、ソフィア?

お嫁なんて何を、、、」


ふっふっふ。

きいてる、きいてる。

動揺が隠せてないわね。

あとひと押しよ!



「ソフィアは、誰とも婚約したくありませんっ。

…そふぃあは、ソフィアはパパと結婚しますっ!」

ババーーーンッ!

どうよっ、助演女優賞もいけるんじゃない?

娘にこんな事言われたら、嬉しくてたまらないでしょ?





――――シーンッ




………あれ?

間違えちゃった?




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