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入学準備とお茶会

長くなってしまったので、分割します。


王妃様の爆弾発言の後、シルヴィア姫も合流して

お茶会を楽しんだらしい。


らしい、というのはアルからの話である。

気付いたら宿屋に戻っていたから、間の記憶がない。

私以外の人間が王妃様の提案に賛同し、盛り上がったようだ。

焼き菓子と紅茶を静かに楽しんでた(ように見える)私は、

たまに相槌を打ちながら、お開きになるまで終始聞き役になっていたとアルは回顧していた。


全く記憶にないわ。

お菓子も紅茶の味も覚えてないし、

何に相槌を打ったのかしら?


「アル、私ちゃんとご挨拶して帰った?」


「ええ、皆様にご挨拶してらっしゃいましたよ。

帰りは城門まで、アレン殿下が見送りに来て下さいましたし。」


まじか。


「そう、良かった?わ。」


良かったの?


「はい、心ここに在らず。とお見受けしましたが、

恐らくどなたも気付いておられないでしょう。

さすが、僕のお嬢様です。」


褒められているのかしら……

まあ、いっか。


「あと、どんな会話をしていた?

思い出せないの、一体何に相槌をしたのかしら。」


「………」


まさか、やっちゃった?

天使が黙るなんてっ。


「あ、アル?」


「そうですね、()()()()()()()()ですよ。

とにかく今日はお疲れでしょう。

明日朝一で帰りますから、もうお休み下さい。」


―――ニッコリ


なんだ、問題なかったのねー。

安心したわ。


「そうさせてもらうわ。

おやすみなさい。」


「おやすみなさいませ、お嬢様。」



――――――――


――――――



「ああ、執事さん。

ちょうど良かった。今アンタを呼びに行こうと思ったんだよ。」


宿屋の女将が、ソフィアの部屋から出たアダルベルトを

呼び止めた。


「どうされました。」


「なんか表に、アンタのお嬢様に用があるって人が来ててね。

身なりは良いし、貴族様だろうね。

お嬢様の知り合いかい?」


「……さあ、まだ下にいらっしゃるんですか。」


「そうさ、だから行っておやり。」


「分かりました。ありがとうございます、女将。」


崩しかけた襟をキュッと整えて、階段を降りて行く。



「にしても、愛想のない執事だねー。

まだ子供だってのに、ニコリともしない。

顔は良いのに残念だね。」


足音が聞こえなくなった2階の踊り場で、女将はポツリと呟いた。



―――――――


――――


「お待たせしました。」


「いや、ソフィア嬢は?」


「申し訳ありません、クラーク様。

お嬢様も先程まで、クラーク様をお待ちになっていたのですが、お疲れが溜まっていたようで……」


申し訳なさそうな表情でアダルベルトはジルに言った。


「……そうか。

さっきも最後の方は少しぼうっとしていたからな。

心配だな、様子を見たいのだが?」


「申し訳ありません。もうお休みになられているので。

お嬢様も、あまりお疲れの姿は見せたくないでしょうから。」


「残念だが、仕方ないな。

じゃあ、コレを渡しておいてもらえるか?

お茶会の時にコレを貸すと()()()()んだ。」


「ええ、()()()()()()()

お嬢様も喜ばれます。」


「ああ。また来月、楽しみにしていると伝えてくれ。

お大事に。」


「かしこまりました。

本来はこちらからお伺いするところ、有難うございます。」


「かまわないよ。

またな、執事君。」


1冊の本をアダルベルトに預け、

名残惜しそうに、ジルは宿を後にした。





「うーん、どうしたものかな。コレ。

お嬢様には何とお伝えしようか。

まぁ、でもいっか。僕のお嬢様は優しいから、ね。」


その顔には、ソフィアに向ける笑顔も、

ジルに見せた困り顔もなく、ただただ無表情に本を見ていた。







―――――1ヶ月後


「また、この日が来てしまったわ。」

城門を前に、憂鬱な気分になる。

でも今回は前泊で、しっかり休めているし、

ヘアオイルと、ローズウォーターをたっぷり使った化粧水も持ってきた。

事前準備はバッチリよ!


前回のお茶会の後、ジルが私を訪ねて来たらしい。

分厚い教養本を持ってきてくれたみたい。

私のマナーがなってないって言いたいのかしら。


だけど、ジルの持ち物なだけあって

かなり役だった。今日は前回ほど恐くないわ。

ありがとう。

さすがに彼に化粧品を送っても喜ばれないだろうから、バートンに頼んで文房具を買ってもらった。

確かに、文房具とは言ったけど

何故レターセットなのか解せない。

流行りなのかしら。

バートンなら間違いないよね。うん。



同じメンバーで始まった、お茶会は楽しかった。

前と違って焼き菓子の味も堪能出来ている。

婆やさんのお茶は最高ね。


勿論、アルのも大好きよ。

アルったら、婆やさんの淹れ方ガン見しちゃって。

私の為に、味を覚えようとしてくれているのかしら。

すごく真剣に見るものだから、

微笑ましそうに、ゆったりとした動作で覚えやすいように動いてくれる、婆やさんは素晴らしいと思う。

あとで予備の化粧水あげよっと。


「楽しかったわ。また来月も集まりましょうね。」


あ、決定なんですね、はい。


「そうしたら、シルヴィアは部屋に戻って勉強なさい。そろそろ先生が来るわ。

アレンは皆んなで制服を仕立てて来なさい。

ジル、頼めるわね?」


それって私も含まれてる?


「お任せ下さい。」


「宜しくね。

護衛はアレン付きの者を3人、それからバレないように5人。計8人つけるわ。」


そうよね、普通王子は外出られないよね。

結構ゆるいな、この国。


「ソフィアさん、マリアさんも制服まだでしょう?

彼らと一緒に仕立てて来ると良いわ。

慌てて作りると間に合わなくなるもの。」



ついにグラ学の舞台に立つのかぁ。

嬉しいような、悲しいような。


まず、私が入るのは

グランディア学園12歳〜14歳の部。

だいたい小6から中2までの貴族のみが通える、

歴史や作法など、貴族に必要な要素を学ぶ機関。


ヒロインが登場するのは、

15歳〜17歳の部になってから。

中3から高2 くらいね。

この部になると優秀であれば貴族も平民も関係なく入れる。

ほとんどは貴族で平民は1割いたら良い方だけど。



で、着きました。

仕立て屋さん。


「まあ、まあ!

皆様お揃いで!私、嬉しいですわっ、オホホホ!」


お前か!トルソー。






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