2話 やっちまったのじゃ!
「転生神様!」
「なんじゃい騒々しい」
朝から天使の訪問である
めんどいのぉ…
「例の女性の事なのですが…」
「あー、例の…」
妻帯者と知らず知らずの内に浮気していた事になり(事実じゃが)、痴情の縺れで亡くなってしまった女性
取り敢えず乙女ゲーっぽい世界に送っといたんじゃが…
「大変なことになっています!」
「何!?」
急いで女性を送った世界を覗いてみる
すると…
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「そっちいったわよ!アリア!」
戦闘中の冒険者だろうか…
二人組の女性が映っている
狼型の魔物は活発そうな女性から逃げ、大人しそうな女性の方へ接近していく
「あらあら、うふふ」
するりと、音が鳴ったような…
飛び出した魔物は正中線で二つになり、女性を避けるように地面に落ちる
「相っ変わらず見えないわね、あなたの剣筋」
「あら、鍛練の賜物よ?」
和気藹々と、魔物の死体の前で会話する女性。その内の一人、おしとやかな女性にどこか見たことがあるような面影を感じる。一体あれは誰なのだろうか」
「いえ、現実逃避しないでください。あなたの放り込んだ転生者です」
「…嘘やん」
おかしい、彼女が転生してからまだ「五年」しかたっていない
それに基本セットを渡している筈で…
「あっ…」
目録を見ると、本来渡す筈だった「君もなれる!ヒロイン基本セットまじかる☆とかれふ」の数が減っていない!
そして…
「やっちまったのじゃ!」
「対魔王専用装備だーくねす☆ふぉーすかりばーん」一式が代わりに減っていた
「ど、どうしようかのぉ!どうしようかのぉ!」
「神よ、落ち着いて!」
「落ち着けるか!あの妙にひねくれた転生知識もった奴じゃぞ!…まさか本気で勇者になってハーレムを」
「いや、女性だから流石に農民から寝取ったりは…それにあの世界は魔王居ないから平気なのでは?」
「魔王は、な…!」
あの世界には「魔王は」居ない
ただ…
「邪神がなんか封印されておった気がする」
「なんっっってとこに転生させてるんですがハゲ!」
「いやじゃからこの基本セットを…まて、誰が禿じゃ!」
「あー、それは良いですから。それで、その基本セットあげてどうするつもりだったのですか?」
「いやこれ、愛とかチッスとかで邪神を封印出来ちゃう魔法の知識やら膨大な魔力やらが詰まったセットでな、それでイケメンとイチャイチャとか出来んじゃろうかと」
「チッスとかきめぇ(トラウマを刺激するような事はやめてあげてくださいよ…)」
「漏れとる漏れとる」
「おっと失礼」
とにかくこれは…
「様子見じゃな!」
それに、なにやら面白いことにもなってるようじゃ