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現状を整理します!

あの感動に打ち震えた出会いから数ヶ月が経った。私は相変わらず尊い推しに対して感動に打ち震えている。

私の護衛騎士となったグレースはどんな時でも私の側についてくれる。

(ガナルは部屋の外で待機していた。

恐らくこれが普通の距離感だと思われる)

そう、どんな時でもだ。

朝起こしに来るのもグレース。

着替えを手伝おうとするのを追い払って、

(私はもう思春期の女の子だ!)

朝食のセッティング、一度私に食べさせようとあーんをして来たが、心臓が持ちそうになかったのでやめさせると、今は何故か給仕をしている。

勉強の時も私のすぐ側にいる。

昼食も、夕食も。

ベッドメイキングまでやってくれる。

あれ!?これ全部侍女の仕事なんだけど!?

これでは明らかに過剰勤務だ。

ブラック企業もいいところだ。

グレースの身体が心配になった私はお兄様に現状を相談した。

するとお兄様は呆れたような顔をしたが、

「まあ、一緒にいる方がより守りやすいこともあるだろう」

と諦めたように言った。

その後、お兄様から話を聞きつけたグレースは私に嘆願した。

「姫様のお役に立てるのが私の至上の幸せでございます。どうか私から幸せを奪わないで下さいませ」

捨てられた子犬のような目で推しから見られたら断れるわけがない。

というわけで私の心臓は毎日悲鳴をあげているのだ。


ここで「あなたと夢見る愛に願いを」略してあな愛について振り返っておこう。

現実逃避だと思うことなかれ。

平たく言ってこの国の王子(私のお兄様)の婚活パーティーに16歳のヒロインが呼ばれてそこで皆とも出会っちゃうというゆるゆるストーリー。何とめちゃくちゃな話かとは思うけれど。

これは王子の婚活パーティーであると同時に、同年代の有望株の婚活パーティーでもあるのだ。集められるのは国有数の貴族の令嬢たち。(ヒロインは例外だが)

隣国のチャラ王子、シェリエールも攻略対象に入っていた。これはアルベインを訪ねてきたシェリエールがヒロインと出会うというとんでもシナリオ。

ご都合主義も真っ青だね!

しかしここにきて原作のゲームとズレが生じている。

まず、私のお兄様。

ゲーム中では妹姫の私、クリスティーナと不仲だったが恐らくそんなことはない…と、思いたい。

未だに子ども扱いして頭をぐしゃぐしゃにしてくるけどね!

お兄様にもう婚約者が出来てしまえば安心なんだけど、その気配は残念ながら全くない。

次にチャラ王子、シェリエール。

これまた作中ではクリスティーナと冷え切った仲だったが、未だに文通が続いている。

最近はいつ婚約者にするのかとうるさい。

まあどうせチャラい冗談だろうし適当に受け流しているが。

これで実は嫌われてました、とかだったら結構辛い。

あ、前に私が開発した魔法電池(私命名。何故か不評)にシェリエールは大層驚いていて、これは余りにも大きな発見だということで、ヴァレンティン王国とアミュール王国との間で秘密兵器として秘されることとなった。

結果的にこの二国の繋がりは大層強固なものとなった。これも作中とは異なる。

ツンデレ魔術師、リヒト。

作中ではヒロインに会うまでは誰に対しても心を開かず、魔法漬けの毎日を送っていたが、最近のリヒトはまるで私のお兄ちゃんを通り越してお母さんみたいだ。

危なっかしいから大人しくしてろ、とか。

オレの目の届かないところでは何もやらかすんじゃない、とか。

一体私を何だと思ってるんだ。

騎士団長ガナルには何と婚約者がいる。

おいおいおい攻略者!と思った私だったが

本人は幸せそうなのでまあいっか。

そしてグレース。

グレースは……うん。

上記に述べた通りですね。

原作では嫌々ながらクリスティーナに仕えていた筈なんだけどなー?

これで実は嫌がってましたとかだったら私は迷わずグレースを病院へと連れて行く。

と、こんな風にだいぶ作中の流れとは違って来てしまっている。

この変化がどのように影響するかとても不安だ。とりあえず私が今出来ることは魔法の腕を磨いて、皆と仲良くすること!それだけ!


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