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〓物語の始まり〓
物語の始まりは
気が付くと私は砂浜に倒れていた
痛くてぼんやりする頭で『きおく』を辿る
あぁ
そうか
私は気を失ったのか
ようやく意識がはっきりし始めたころ
太陽が沈みかけていることに気付いた
家に帰らなければ
そう思い
「私は立ち上がる」
だが
まわりに建物がひとつも見当たらない
道路の標識も
舗装された道路も
遠くから聞こえてくるはずの電車の音も
凡てが静まり返っていた
見渡す限り
森が一面に広がっていた
この状況を理解できず
「私は立ち尽くすことしか出来なかった」
どれぐらいの時間がたったのだろうか
遠くから何かと何かを打ち付けるような音が聞こえてくる
それに伴って人の声がする
あぁ
あそこに行けば何が起きたのかが分かるかもしれない
「私はその一心で駆け出した」
このときの私はまだ知らなかった
このあと自分が
これまで知らなかった感情に出会うことを
そして
自分にまとわりつくあの『きおく』の正体を知ることになるとは
思いもよらないだろう
思いもよらないこととは!?
続きます!