リンカ
今回は主人公とは別視点です。
私の名前はリンカ。最初から中級職のウィザードになれて、魔力もかなり高い天才!
・・・と、言いたいところだけど運はよかったはずなのに私が覚えられる四元魔法は氷のみ。私は魔力と運はものすごく高いのに、残念ながら命中と体力が少ない。
氷魔法は命中がないと敵に当てられない。つまり私の攻撃は強くても当たらないという残念な状況なのだ。魔力だけの数値でできる炎魔法とかだったらよかったんだけどなぁ・・・
攻撃が当たらないせいでパーティーにも入れてもらえず、今まで受けた依頼は薬草採集だけ。だからレベルも一ヶ月かけてまだ10・・・
そんなわけで今日も薬草採集に来ている。いままでは危険地帯で採集してきたが、モンスターには会わなかった。今回は安全な街の近くの森。なぜ安全なのに依頼したか依頼主に聞いてみたが、5日前ほどにその近くで轟音が聞こえたらしい。そのせいで子供に薬草採集を教える予定だったのだが子供が怯えてしまったらしいのだ。だから今回は安全確認の意味も込めての依頼だそう。
涼しげな森の中で薬草を取ること1時間。目標数の薬草は取れたので、そろそろ帰ろうと思ったが、岩が崩れているのを発見し、私は安全確認も依頼に含まれてることを思い出した。
崩れた岩の前に行ってみると、人が倒れていた!え!こんな状況初めてだから関わらなかったことにしようかと思った。
関わらないのはさすがにダメかな。後でギルドに報告しようと思ってその人の方を向くと、手元に剣があった。よく切れそうな剣だし、どうやら魔法剣っぽい。
魔法剣とは剣を杖がわりにして、魔法を唱えることができる剣のこと。
この人は上級者だったのだろうか。遺品の剣、もらっちゃおうかな!
そう思って剣を持った途端目の前が徐々に暗くなっていった・・・