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神様から貰ったもの

今回は長いです。ラストなので張り切りました

 目を覚ますと、リンカが目の前で泣いていた。俺は異変に気づく。いつもなら真っ暗な場所にいるはず。なのに今回は演説台の上に居た。

「リンカ、なんで泣いているんだよ」

俺が聞いてみると、リンカが驚いた顔をして

「ま、まだ生きていたんですか!」

・・・まだ生きていた?俺は手を見てみる。そこには感触もあるし、神経が通っている事が分かる。いつもなら真っ暗な場所で何の神経も無いまま会話しているはずだ・・・


 さすがに俺も気づいた。俺は・・・俺が今操っている体は・・・かつての、死ぬ前の俺の物だった。と、目の前のリンカが折れた剣で刺そうとしてたので腰にあったナイフ・・・恐らくさっきのデュリィの物だろう。それで弾く。

「俺はユウタだよ。どうやら、元の体に戻ってきたみたいだ」

「そんな話しが信じられるとも!?」


 どうやらリンカは俺が殺されたと思ってかなり怒っているようだ。なら、ここは俺の考えを言ってみよう。

「多分だけど、スーさんから貰ったリザレクションが剣が折れた瞬間に発動して、魂は折れた剣ではなく、元の体に戻ったのだろう」

「そ、そんな!なら・・・あなたは」

「だから俺はユウタだよ。信じるか信じないかはリンカに任せる」

「私とスーさんの名前を覚えているし、信じますよ!」

そう言って抱き着いて来た。

「よかったぁ・・・本当に死んじゃったのかと・・・」

「見事に大丈夫だったな・・・多分リザレクションの影響だろうが、胸に貫いた傷が消えてる」

「本当ですね!あ、さっき剣を抜いておいてよかった・・・」

「ふふ、剣刺さったままだったらあっさりまた死んでたな」

「私のおかげですね!」

「そうだな・・・ありがとな、リンカ。と、まだ俺達の仕事は終わってないぞ」

「あぁ!そうだった!あの兵器を止めないと!」

「あと・・・言いにくいんだけどリンカが抱き着いてるの皆に見られているんだぞ?」

「あ・・・」

リンカが振り向くと、驚いた顔をした冒険者達。突然の急展開についていけないのだろう。そりゃ俺だって急に戦ってた男女が抱き着いていたら驚くわ。リンカは顔を真っ赤にして・・・

「っー!そういうのは早く言ってくださいよ!とりあえず兵器壊しますよ!」

「そうだな・・・でも今の俺はグラディエーターだから大した魔法使えないんだよな・・・攻撃系の魔法は無理みたいだ」

「大丈夫ですよ!私がここから壊します!メニュー!ほら見てください!」


 リンカのステータスを見るとLV70の文字が。

「どうやらユウタさんを倒した時にレベルが10も上がったみたいです!」

「まぁ・・・アンデッドだし経験値は入ったのか・・・」

と、俺がさっき弾いた折れたフリージアをリンカは拾って・・・

「これを使って魔法を撃ちます!杖には及びませんが・・・素手よりはマシなはずです!」

「そうか、頼んだよ」

「はい!」


 ふと折れた理由が頭の中に浮かんで・・・

「あ、待て!確か俺が闇と氷の魔法混ぜたらこの剣折れたぞ!」

「えー!今から丁度それをやろうと・・・」

「ここは氷魔法で壊すしかないな」

「え・・・氷魔法ですか?ユウタさんのステータスがプラスされていない今、命中が・・・」

「今のお前はレベルが高いし大丈夫だ!賭けてみろ!」

「わ、わかりました・・・」


 リンカが魔力を集中させる。

「・・・よし!アイスラッシュ!」

それは冷剣フリージアを使っていた頃より小さくも、しっかりと尖んがった兵器の元にぶつかり、尖んがった先っぽが折れた。

「やったぞ!よくやったリンカ!」

「当たった・・・」


 リンカは自分の技が当たった事に驚きを隠せないようだ。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







 あの事件から一週間が経った。あの時熱狂した冒険者達や、住民は危なそうな人はスーさんや、帝国の兵士が止めたらしく、他の人達も未練の俺がやられたときに、魔法が解除されたらしく、幸い怪我人はデュリィ以外出なかった。ちなみに抱き着かれていたのは皆魔法を解かれたばかりで、パニックになっていたらしく、スーさんぐらいしか覚えていない。


「いや、まさかねーユウタ君がかっこよく決着をつけた後にリンカちゃんと抱き着くとはね~」

スーさんがニヤニヤしながら言ってきた。

「その言い方だと俺が抱き着いたみたいになってるじゃないですか」

「なっ、その事については突っ込まないでくださいよ!あの時本当に安心してつい・・・」

「ま、こうやって平和に雑談ができるだけで幸せじゃないのー?」


 確かにスーさんの言う通り、こうして2人ではなく、今度はちゃんと3人でこうして話せる時点で幸せだ。

「この国、これからどうなるんでしょうかねー」

「どうやら共和国になるらしいよー」

実は、魔法が解けた後でも女帝は兵器を作った罪があったし、未練の俺を雇った理由もやっぱり図星だったらしい。


「大統領は誰になるんでしょうか?」

「んー?デュリィさんがなるとか聞いたよ?」

「あいつかよ・・・あいつあんまり強そうじゃなかったけどな」

「「それはユウタさん(君)が強すぎるだけでしょうが!」」

・・・声を揃えて言われてしまった。

「ま、まぁリンカもウォーロックになれたしよかったんじゃないか?」

「よくないですよー!上級職になったからまたレベル1からのスタートですよ!二人との差がすごいあるんですよね・・・」

「ま、まぁ使えるスキルも増えたしよかったんじゃないの?」

「それはそうですけどー!あと、ユウタさんどうしてくれるんですか?ユウタさんが人に戻っても私の左目黒いんですけど。右と左の目の色が違うって少し気持ち悪いんですが」

「そんな事俺に言われてもなんにもできないよ!それに黒い目って事は闇魔法まだ使えるんだからむしろ感謝すべきじゃないか?」

「な、開き直るなぁー!」

「まぁまぁ、リンカちゃんヒートアップしすぎよ」


 ・・・まぁ、あんな事件があって、国が変わったり職が変わったり体が変わったりしたが、俺達は今まで通り、くだらない雑談をしながら歩いていた。ただ、元の世界には・・・日本には戻れないのか?なぁ、神様?







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






 目を覚ますと、真っ白な場所。ここは・・・まさかまた俺は死んだのか?

「君が私を呼んだから望み通り一時的にここに連れてきたぞ」

目の前には白い髭の老人・・・

「なら、話しは早いですね。単刀直入に聞きます。俺は日本には戻れるんですか?」

「それは・・・今のところは無理だな。私が言ったのは君が記憶を残して転移する事だけだ。本当はそれだけでも異例なのだ。だが、君も今の暮らしに満足しているようだし、いいんじゃないのか?」

「まぁ、満足はしていますがね」

「なら、このままでいいじゃないか。これからも君があの世界で活躍する事を祈ろう」

神様がそう言うと俺の視界が真っ白になって・・・







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「・・・俺何秒ぐらい固まってた?」

気がつくとさっきの場所に戻っていた。

「えーと、10秒ぐらいかな?」

「驚きましたよー!急に立ったまま動かなくなって」

「ごめん、色々あってな」

「色々って何ー?」

「笑わないなら教えますよ」

「笑わないから教えてください!」


「実は、俺は別の世界から神様の依頼を受けて、この世界に来たんだ。その依頼が女帝の作っていた兵器を止める事でさ。依頼を達成したから元の世界に戻れるかなー?って考えていたら神様の目の前に飛ばされて、それは無理だって言われて帰ってきた。本来記憶が残ったまま俺がこうしてこの世界に転移した時点で異例らしいぞ」

俺がそう言った途端、二人は笑い出した。・・・いつもの事だから慣れてるよ。うん、慣れてる。すると、リンカが真面目な顔で

「もし、その話しが本当だったら、ユウタさんはその元の世界に帰りたかったんですか?」

「いや、その世界に居た時より俺は今の世界にいる時の方が好きだ。ただ、もしかしたらって思って聞いただけだよ」

「ま、まぁその話し信じてませんけどね、ふふっ」

リンカが笑い出した。

「何そのセリフ?嘘の話してカッコつけたセリフ言うとか・・・ユウタ君黙っていればカッコイイのにふふっ」

スーさんも笑い出した。

「おい、二人ともせっかく俺が真面目な話をしていたのに・・・やっぱ日本に戻った方がよかったか?」

そう言って俺も微笑む


 こうしてこの世界に来て、素敵な仲間に会って。モンスターと戦ったりレベルを上げたりする時よりも、やっぱり俺は雑談をしている時が一番好きだな。

「ところで今日は何のクエスト受ける?」

「私はレベルを上げたいです!」

「ま、俺はお任せで」

俺達の冒険は、まだまだ始まったばかりだ。これからもこの幸せが続くように。この幸せをくれた神様に感謝と祈りを捧げた。

ここまで見てくれた方々、ありがとうございました!

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