異世界転移?
ある初夏の日。休日にやることもなく、散歩を俺はしていた。その時の俺はいつもの如くぼーっとしながら歩いていたのだろう。曲がり角で急に飛び出してきた車と衝突し、俺の人生は終わったはずだった。
そして今いる場所は真っ白で何もない。やっぱり俺は死んだのだろうか。
「ようこそ。ここは天界だ」
声が渋い白い髭の爺さんが目の前に急に表れた。
少し驚いたが、何故か冷静になれた。ぼーっとしていたからか。
「私は君の住んでいた世界で死人を誘う神だ。既に分かっているかもしれんが君はもう死んでいる」
「はい、・・・」
神様に死んでいると言われてもどう言い返せばいいか正直困る。
「本当は別の魂に転生するのだが、頼みがある」
あれ?この展開俺知ってるぞ?
「君の住んでいた世界とは別の世界があり、そこでは悪政を行う女帝がいるのだが、その女帝がその世界全体を支配しようと強力な兵器を造らせている。君にはそれを止めて欲しい」
やっぱりよくある異世界行って魔王倒すパターンじゃん。ちょっとワクワクしてきた。
「記憶と体はそのままで送ることになる。あとはその世界で有利になるような力はつけておく。頼めないか?君の世界でいうゲームのような話だが」
もちろん記憶を消されて転生より俺は記憶を残して別世界に行く方がいい。
「わかりました。記憶を残してくれるのならぜひ」
だから俺はこう答えた。
「それではその世界に送るぞ。健闘を祈る」
そう神様が言った途端俺の体が光に包まれた。