4.済崩葵の本音と「」
まったくだまされてんじゃあねーよ。なんてあの子は純真なんだ。うたがう心が欠如しているだけなのだろうか。だましたこっちが、罪の意識を感じてしまうじゃん。ちょっと、環境に不適合な仲間がいるから、ついからかってしまった。あの時、イラついて不機嫌になっていたから、彼に「幽霊」というわけのわからない言葉を使って混乱させてやろうと思ったんだ。まさか、あんな反応が返ってくるとは…。ぷっ…あはははは、ただの変人か。あの子は。まともに、受け取るなよ。
彼は、どこからどう見ても生きた人間だよ。
なのに、彼はまんまと私の発言を信じた。
一般的な平均的な思考の人なら信じるはずがないものを信じた。
つまり、彼のあの日の思考回路がなにか「幽霊を信じこまずをえない状態」になっていたからと仮定することができる。もちろん、そうではなくて、彼がもともとオカルトを信仰していたという可能性も否定できない。
三年間「誰からも話しかけられていない」という共通点しかないが。
それだけで、はたして幽霊だと判別できるのだろうか?
愚問。できるわけがない。
自分が幽霊である可能性なんて、一欠片も微塵も考えるわけがない。私だったら、怒る。なんで、そうだといいきれるんだよ!ふざけんな!お前だって、私と同じぼっち属性だろうがよぉ‼
自分のことを棚にあげて、人のこと言えるのかよ‼
って、激怒する。
どうも、月日頑固の思考が読めない。私では理解ができないのだ。この世の矛盾を、指摘することこそが正義なはずだろう。まったく、彼の倫理観はどうなっているのだ。本当、頭皮と頭蓋骨をかっぴらいて脳味噌をみたいものだわ。