第1週第2回
SmileyAzazel&九条 蓮十朗 の二人がお送りする、テーマとジャンルを決めて一週間で完結を目指すリレー小説。
【ジャンル】ファンタジー 【テーマ】妖精
今回は【九条 蓮十朗】がお送りします。
妖精の村は花や草を使った家が多くなかでも長老の家は樹齢2000年の木の家に住んでいた。
玄関であるドアにたたずむ二人。
最初にドアを開けたのはティッチだった。
少しオドオドしながらリドも後に続く。
「いつも思うけど長老の家って立派だよな」
リドが軽い感じで喋りかけてくる。
「そうね、まぁ妖精の長だし当然じゃない?」
玄関からの長い廊下、行く着くとまたドアがあった。
ティッチがコンコンとノックをする。
叩いた音が廊下に少し響いてリドは不安になった。
なにせお仕置きの話だったらティッチにどんな事をさせられるか…。
以前のお仕置きの時は村のはずれにある泉に住む妖魚を捕らえる事だったが自分の身の丈10倍近い魚に食べられそうなった時の事を思い出すと震えが止まらない。
やがてドアの奥から若い男の声が聞こえた。
おそるおそるドアを開けた二人
目の前の居たのは木の椅子に座っている長い髭と杖を持った小さな妖精の長老ポポルだった。
ポポルの横にはお世話役の妖精ディルが横に立っている。
「長老 ティッチとリドが来られましたよ」
「……」
「長老?」
「……」
返事が無い長老にディルはため息をついた。
そして脇にさしてある白い棒で長老を殴る。
「!!!」
戸惑う二人に殴られた長老は獅子おどしのようにグワングワンと首が縦横無尽に動く
「……ふぁぁぁぁぁぁ~~~~~~ なんじゃ?もう飯の時間か?」
「長老 ティッチとリドが来ておられますよ」
淡々と進めるディルに対して、あっけにとられていた二人
本来妖精の長老は村の守り神のような存在であり、しかもポポルは妖精の英雄と呼ばれた人物だった その人を殴れるディルはある意味トップクラスの妖精だった。
「長老 なにか急ぎの用事があると聞いて来たのですが? なんでしょう?」
口を開いたのはティッチだった
「ふむ? 急ぎの用事?・・・・・なんじゃったけ?」
「最近人間達の様子の事では?」
ディルがフォローにはいる
やがてポンッと手を叩いて思い出したリアクションをとる長老
「おぉ! そうじゃ! そうじゃ! ふぉっふぉっ」
「最近人間たちがな・・・」
「ちょっとまってくれよ!!」
リドがいきなり喋りだす
「いっとくけどオイラは何もしてないよ! 確かに人間が怒鳴り込んだ原因はオイラだけど 様子がおかしくなったのはオイラじゃないぜ!」
「???」
首をかしげる長老
「一体なんの話じゃ? 最近人間達の心が失踪する事件が多発してのぉ その調査についてなんじゃったが…」
「へ?」
ポカンとするリド ティッチはクススと笑っていた
「調査の内容についてはディルが話す」
会釈をしたディル そして内容について話し始めた