なんか脳みそお花畑なやつに呼ばれて、即返品されたんだけど?
朝、時間があったので勢いで一筆書きした第一稿をぶん投げます。執筆時間、1時間程度?の超軽いやつ。
後日、ちゃんと読めるように推敲します。乞わずご期待!
(暇人の方以外、読まないことを強く推奨します。)
転移
気がつけば、そこは暗闇に支配された空間だった。
しかし……目の前には古めかしい台座、そこだけ光が差していて、唯一の光源となっていた。
そしてそこには、妙齢の女性がいかにも偉そうに鎮座していた。
「あなたが、井上裕也君、ね。」
声色は優しい感じだが、どこか鋭さも感じるなんとも言えないタイプだ。
大体においてこの場面は、ラノベとかアニメで見たことあるあれだな。
「これ、いわゆる、異世界転移ってやつか?」
「日本の有名国立大の物理学科、成績は優秀らしいわね。さすがね。その通り、あなたを勇者として、呼びました。」
「理解が早くて助かります。あなたには、ある世界を救ってもらいたいのです。」
「その世界では魔王が復活して、今や人類と魔族の戦争は必至。そこであなたに、介入してもらって……。」
「待て。」
「そんな同意した覚えないんだが?」
「ええ、あなたに拒否権はありません。」
「つまり……俺の自然権は無視して、勝手に呼んだってことだ。」
「確認したいことがあるんだが、いいか?」
「構いませんよ。混乱しても不思議ではないものね。なんでも聞いてちょうだい。」
「まず、お前は何ものだ?」
「え?」
「そ、そうね。私はシルフィーナ。この世界を統べる女神よ。」
「……女神の定義は?」
「はい?ああ……理系によくある定義の確認、ね。そうね……。」
「世界の秩序を保つもの、それが女神の定義よ。」
「なるほど。つまりあんたは秩序を保てなくて、俺を自分都合だけで呼んだというわけだ。」
「言い方!」
「あなただって、子供の頃、ゲームとかアニメで勇者に憧れたでしょ。それになれるのよ?」
「絶好の機会だと思わないの?」
「それは子供の頃の話だ。今の話ではない。正直、迷惑なんだが?」
(何こいつ、めんどくさいわね。)
「この世界は……多層空間なのか?並行宇宙なのか?それとも、別次元の世界なのか?量子論的に、どの立場を支持している?」
「え?え?何?」
「普通、こういう時って、『え、俺って選ばれたもの?チート?』とか言って、テンション上がるところっじゃないの?」
「テンション。」
「いつから、俺は張力になった?女神とか言ったな?お前、本当に女神なのか?」
「残念だが、俺はあんたらと違って、全知全能じゃないんでね。あんたが、その『女神』とやらの検証を行うことができない。つまり……不確定要員。あえてラベルを貼るとしたら、自称女神か。」
「あんた、面倒ね!本当!こんなやつ初めてなんだけど?」
「俺もあんたみたいな、自分のミスを他人使って解決しようとする奴、初めてなんだけど?」
「自称とはいえな、本当に神なら自分の手で世界の秩序回復して、ちゃんと維持しろよ。」
「なんでお前の尻拭いを俺がやらないといけない?」
「それと、今、こんなやつ初めてって言ったな?ということは前例があるわけだ。」
「はっ!無能な女神もいたもんだな。ついでに、そいつはどうなったんだ?そいつが魔王とやらを倒していれば、俺がここにいる理由ないんだが……ああ、くたばって、補充したパターンか。」
「最悪の環境で偽善者面してる自称女神。最高だな。」
「そもそも、魔王の定義は曖昧だな。それに、魔王側の意見は聞いたのか。人間側が正しいという検証は行ったのか?お前のやっていることは、自分都合の押し付けに過ぎないな。お前の管理どうなってんの?ガバガバすぎて草なんだが?」
「あなたね、ちょっと調子乗りすぎよ!こっちにはこっちの事情があるの!選んであげたんだから、喜んで勇者やればいいのよ!私はこれでも神よ!少しは敬いなさい!」
「その神とやらが自分の無能さを他人で代用するとか、これ以上に面白い展開あるか?『神は自身の責任を人間に転嫁したもうた』俺のMYバイブルに追加しておいてやるよ。」
(ほんっと、憎たらしいわね。もうこうなったら、こっちだって容赦しないわ!)
「あなた、どうせ童貞でしょ!ふん、童貞が許されるのはせいぜい高校生よ!マジワロ。」
「それが何か問題でも?統計的にいって、男女比を考えれば一定数の男が童貞になるのは、あの人たちが好きな言葉を使うと『偶然では説明しきれない』ってやつだな。つまり、俺が童貞なのは偶然でもなく、ただの仕様。」
「それより、女神が自分で呼んだやつを童貞とか言い出していいの?これ、全年齢版だよな?」
「ああ、なんて可哀想な子羊を召喚してしまったのでしょう。いいわ。もし、あなたが魔王倒したら、この美人の私があなたの彼女になってあげるわ。これならあなたでも……。」
「ああ、この話、タイトルこれで決定『女神、身体売りますw』とんだ女神もいたもんだな。ああ、それとも俺、気づかないうちにそういうお店ご来店しちまったか。」
(あ、こいつ、使えないんじゃない。……扱えないやつだ。)
「あなたの暴言は聞かなかったことにしてあげるわ。」
「いいでしょう、そこまでいうなら、今からあなたにスキルを付与します。」
(いくらこいつでも、これ理解すれば……なんか嫌な予感しかしない。)
パチンと、自称女神は指を鳴らす。
すると……。
特に何も起きなかった。
「あ、あれ?おかしいおかしいおかしい。」
「なんだ、自称女神、今何しようとした?」
「いや、本当なら魔法陣が現れて、あなたに特殊能力が身につくはず……なんだけど。」
「何も起きてないが?」
「……自称女神って新人の研修生なの?そういう制度なの?全知全能どこ行ったの?」
「くっ……!これでも私は今まで何人もの勇者を……。」
「はぁ……契約不履行。転送費用と機会損失の補償を請求する。」
「あーもう、なんでこんな面倒なの!もうあんたなんて返品よ!」
ポイッ
どこか、間の抜けた音が聞こえた。
そして世界は一瞬、暗転した。
気がついたら、自室にいた。
「なるほど……夢オチか。陳腐なやり方だな。」
「……夢の定義はなんだろうな。」
「ところで……俺の記憶とかしっかり残ってるんだが、それでいいのか、あの自称女神w」
スマホに通知が入っていた。知らない相手だった。スルーしようとしたが……。
『この馬鹿!あんたなんて最低のろくでなしよ!もう知ったこっちゃないわ!』
「あー、ロマンス詐欺か。めんどくさ。」
そしてなんの躊躇いもなく、そのメッセージは消去された。
「ん?」
「なんだろう、何か頭に残ってる。」
「フレアボール」
突然、空間に裂け目ができる。
そして何かが破裂した。
「……契約は成立していたらしい。スキルつけっぱなしで返品とか。最後までガバガバじゃないか……。」
「……で。」
「これ……単位取れるかな。」
後日。
魔王の間にて。
「魔王様、どうやら女神がまた勇者を召喚したらしいです。」
「ほう、今度はどんなやつが来るのか。まぁ、たいしたことなさそうだが。」
「我が四天王にすら勝てぬ腑抜けばかり……。話にもならんよな。」
「それが……どうやら、その勇者、女神に論戦ふっかけたらしく、最終的に女神が涙目にされて、強制送還された、ようなのです。」
「え……。」
「剣とか魔法じゃなくて、論理で殴ってくるとか……。」
「……来なくてよかった。」
こうして魔王は、平穏な日々を過ごすのでした。めでたしめでたし。
「……あいつ、絶対に許さないんだから!」
「次はもっとまともな勇者……。」
「あれ、『まとも』の定義って……なんだろう。」
了
お読みいただきありがとうございます。
さて、読者様、あなたはこの物語、「まとも」に見えただろうか。
犀川さんより




