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第3輪 落ちるブルースター

おれつばやりたいなぁ

ここに来てからもう一ヶ月だろうか?


僕…アネモネは家族に売り飛ばされ奴隷市場(ここ)にいる。

そして、オトメに会った。


彼女は僕にとっての()()()だった。


始めて僕を守ってくれた人。

始めて僕と友だちになってくれた人。

始めて僕が…好きになった人。


こんな事、恥ずかしくて本人の前では言えないが僕は彼女と出会って幸せだった。


オトメは僕の事をどう思っているのだろうか?


ブルースターのように可愛い彼女は僕の隣で寝ている。

彼女には秘密だが、僕はオトメが眠ったあと起きて彼女の寝顔を眺めるのだ。


我ながら気色悪い行為だと思う。

でも、オトメの顔を見ているとそれも吹き飛んでしまう。 


コツコツ…その時、廊下の奥から足音が聞こえた。


珍しいなこんな時間に、なんだ。


僕は寝たふりをして耳に意識を集中させる。


足音は僕たちの牢の前で停まった。


「いやぁ~。にしても売れちまったなぁ!このお嬢さん。クソ…俺が買おうとおもってたこによぉ。」


「まったくだよなぁ。娼館に売り飛ばされるんだろ。もったいねぇ。今のうちにハツモノ貰っとくかぁ?」


「やめとけって、俺達が殺されるぞ。」


「まぁ、だよなぁ。…はは、クソガキは泣き喚くだろうな。」


「こんなガキの事はいいだろう。俺達はお嬢さんの顔を見るために来たんだ。もう帰ろうぜ。…さみぃ。」


「そうだな。」


そう言うと男たちは去っていった。


………………。


………。


…。




売られる?


誰が?


オトメが?


「う、嘘。」


いや本当だ。

だってここは奴隷市場だ。

僕たちは売り物だ。


当たり前の事なのだ。


でも、


オトメが


娼館に?


そんな。


逃げなくてはここから。

少なくともオトメだけでも。


逃げた先であてはあるにはある。

家族の元に行ってみよう。


売られた僕だ連れ戻されるかもしれない。

それでも今は、ソレしかない。

幸い両親達が何処にいるかの検討はついている。



僕はオトメの顔を見た。

気持ちよさそうに寝ている。


オトメ。


今度は僕が君の事を守るよ。


――――――――――――――――――――


「んん…おはようございます。」


「ああ、おはよう。」


アネモネはやけに暗そうな顔で言いました。

なんだか様子が変に感じます。


「…どうしたのですか?」


「オトメ‥落ち着いてきいてくれるかい」


「はい…。」 


アネモネは次の二つの事を話しました。

私達が娼館に売られる事。

一緒にここから逃げようという事。


「私、売られてしまうのですか‥」


「だから、逃げよう。」


アネモネは真っ直ぐに私を見ました。

いつ見ても綺麗な瞳だと思いました。


空の色と夕焼けの色‥。


アネモネは真剣に話し始めました。


「今から脱出の内容を話す。よく聞くんだよ。」


「はい。しっかり聞きます。」



……。


………。


「わかったかい?」


「ばっちりです。」


そう言うとアネモネは私の事を抱きしめました。


「…!」


「僕が君を守るから。」


私はそんなアネモネの事を抱き返しました。

こんな時がずっと続けばいいのに。

その為にはこの脱出計画を絶対に成功させなくてはいけません。


この時間のためにも、アネモネのためにも。




男が私たちの牢の前に来ました。


「お嬢さん…お別れの時だよ。こっちにおいで。クソガキ…てめぇはおとなしくしてろよ。」


私は男の言う通り牢をでました。


「商人さん。今までありがとうございました。」 


「あっははは!そうかいそりゃどうも。」


そうして男は頭を下げました。


今っ!


アネモネは男の腹に勢いよく蹴りをいれました。


「ぐがぁっ!」


「今だ、走れ!!」


私たちは廊下を一心不乱に駆け抜けますます。

やがて階段がみえ駆け上がります。


久しぶりに浴びる太陽の光、そこは何もない森でした。


「オトメ!手を!!」


「はい!!」


私たちは手をつないで走ります。

ただただ闇雲に、ひたすらに走ります。


「ハァハァ!ハァ……。とりあえず大丈夫だろう。オトメ大丈夫かい?」


「ハァ!ハァハァ!…はい。へい、きです!」


随分と走ったため、私とアネモネはそこにへたり込んでしまいました。

息が上がって苦しくて、でもアネモネが近くにいるから少し安心しています。


「…オトメは何かしたい事とか、見たいものにはあるかい。」


「え?…んん。そうですねぇ。…あ!ブルースターが見てみたいです。」


「いいね。僕も君に見せたいよ。」


私たちは少し休むと立ち上がりまた、闇雲に走りました。

そして、また少し休むとを繰り返すとまた走り出します。


そうしたら、道が見えてきました。


「オトメ…。」


アネモネは私の目を真っ直ぐに見つめて言います。


「君の事は絶対に僕が守るから。一緒にブルースターを見に行こう。」


「はい!一緒に。」




私はその時、未来への希望に満ち溢れていました。 


神さまがくれたチャンス。そしてアネモネとの出会い。


きっとこれからはしあわせが、アネモネとのしあわせが待っているんです。


だから‥……


だから。


きっと。


今、目の前で起こった事は嘘なんです


そう


()()()()()()()()()()()()()()()



「せっかくの別嬪さんが逃げたゆうから焦って来たやけど、すぐ見つかってよかったわ。

ぁあ、お嬢ちゃん。抵抗せんといてや。一応まだ隣の坊主生きてはいるからなぁ。じゃ、お兄さん達と、一緒にいこか。」



それからの事はわかりません。

私は何か布袋のような物を頭に被せられ、馬車か何かで何処からに連れ去られたました。


アネモネ…。


アネモネ。


頭の中はアネモネこ事でいっぱいでした。


今どこにいるの?


今どうしてるの?


生きてるの?


お願いします。神さま…。




気がつくと、部屋の中にいました。


そこには上等な絵やソファがあって、なんだか高そうな感じです。


私はその上等なソファに横になっていました。

全身が拘束されうごけません。


部屋にさっきの男が入ってきました。


「いやぁ。オトメちゃん?よなぁ君の名前。ええ度胸してはるやん。男と駆け落ちしようなんてなぁ?」


男は私がいるのとは逆の方向にあるソファに腰掛けました。


「なぁ、知りたいやろ。その男…えと、確かアネモネ君がどうなったか。」


「…ッ!は、はい。お願いします。お願いします。教えてください。」


そうすると男はポケットから何かをテーブルに投げました。


「綺麗よなぁ…。」


ソレは丸くて赤く塗れていました。



ソレは()()でした。



その目玉の瞳は2色あって





空の色と夕焼けの色。






「綺麗な目、してはるよよなぁ。あ、ちなみにアネモネ君たぶん死んどるで。まぁ、たぶんやけど預けた相手が相手やからなぁ。生きてるとは思えんわ。」


男は立ち上がりドアの前に行きました。


「俺の名前はイチイや。ここの娼館のオーナーや。よろしく頼むわぁ。」


私はまた、布袋を被せられどこかに連れてかれました。





布袋を外されるとそこは部屋でした。

ベッドだけがある部屋。


ベッドの真ん中に女の人が座っていました。


「はじめまして。かわいい子ちゃん♡。私の名前はアリウム。よろしくお願いねぇ♡。」


アリウムと名乗る人は片目が包帯で覆われていて()()()()()()()()()()()()()()でも、とても美しい人というのがわかります。


「かわいい子…貴方の名前は?」


「あ、ああ。、あ。」


「落ち着いてかわいい子♡。深呼吸するのよ。」


「ど、どうしてなのですか?」


「…うん。」


「アネモネは?」


「ごめんなさいね♡、分からないわ。」


「涙が出ないのです。いつもならこの()()()()()()()()()を流してくれるのに。…とっても苦しいのです。」


「かわいい子…一つ教えてあげるわその感情はね









()()()()()()()()()()



憎しみ……。

にくしみ。


その言葉は私の胸に嫌になるくらい溶け込んだ。


私は全身を焼かれる程の強い感情を感じた。


それはグツグツと煮えたぎり全身の血液が沸騰しているような。



「……………る。」


「こ‥‥て………やる。」






「殺してやるッッ!!!!!」


「ふふ♡あーっははははは♡♡!!いいわぁ。その復讐…手伝ってあげる♡」



殺すのです

あの男を。



復讐するのです

この世界に。



何だか大変な事に。

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