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第2輪 アネモネの花

最近ベルセルク読んでます。

今のところただのダークファンタジー。

水面に映った綺麗な少女。


その少女は私の動きと見事にリンクするのです。


「…ええ?!」


私は驚きました。

だって綺麗な女の子になっているんです!


その時、私は思い至りました。

これはきっと神さまがくれたチャンスなのだと。

神さまが第二の人生をくれたのです!


「オトメ?どうしたんだい?。」


「う、ううん。なんでもありません。」


「なんだ、僕を驚かせないでくれよ。」


それにしてもここは何処なのでしょうか?

石の煉瓦で積まれた壁に、檻で区切られた部屋、明かりは廊下にあるロウソクだけ。


「す、すみません。ここは何処なのでしょうか?」


「なに?君…覚えてないのか。いやそれともショックで忘れてしまったのかい?」


「ごめんなさい。」


「仕方ない。説明してあげるよ。

ここは奴隷売り場だ。そう、僕たちは売られたんだよ。」


「売られた?」 


「そう。僕の家は公爵の位を持つ貴族だったんだけど没落してしまってね。僕は売られてしまったのさ。君は?」


「私ですか‥私は?‥えっと。」


しかし、私にはわかるはずもありません。

どうして私はここにいるのでしょうか?


「…わからないのかい?記憶喪失?…まぁ、いいよ。聞かないであげる。」


そう言うとアネモネさんはつまらなそうな顔をして横になりました。


「ここは地下だから時間はよくわからないけど、たぶん夜だ。オトメも寝るといいよ。」


「わかりました。」


私は冷たい床に横になり寝ようとしました。

しかし、なかなか眠れません。


「オトメ。」


「は、はい!」


急に話しかけられ驚いてしまいました。


「これから先、辛い事がたくさんあるだろうけど諦めたらいけないよ。諦めるのが一番駄目な事なんだ。」


そう言うとアネモネさんは寝息をたてて寝てしまいました。



ここはおそらく日本ではありません。

ここは何処で、私は誰で、これからどうなるのでしょうか?


『諦めてはいけないよ』


でも、とりあえず私は一人ではありません。

アネモネさんは少し偉そうな人ですが、きっと良い人です。


私は隣で聞こえる寝息に安心して私は眠りました。







目を開けるとそこは薄暗い地下室。

いつもの押し入れじゃありません。なんだか、不思議な感じがします。


「アネモネさん。おはようございます。」


それにアネモネさんがいます。挨拶できる相手がいるのは嬉しいです。


「ん。」


アネモネさんはぬくっと起き上がると檻の方に近づきました。


「……くる。」

 

「くる?」


「朝になると商人が僕たちに食料を運んでくるんだ。」


「ごはん…。」


「じっとしているんだよ。なるべく目を合わせてはいけない。」


カツカツ…と廊下の奥から足音を響きいてきます。

しばらくして、そこには長身で腹のでた髭面の男が現れました。


私は言われた通り、端の方でじっとしてなるべく目立たないようにしていました。


「…ッチ。クソガキ飯だぞ。」


「…ありがとうございます。」


アネモネさんがご飯を受け取ろうとするとその男は檻のすき間からアネモネさんを殴りました。

 

「ぁぐッ!」


「アネモネさん!」


「クソガキ!何だその目はッ!!」


嫌…。殴られるのは嫌です。

やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて。


男が再びアネモネさんを殴ろうと構えています。

男は腕を振り下ろした瞬間、私はアネモネさんの前にたちに殴られました。


「きゃッあ!」


私は衝撃で後ろの方に飛んでしまいました。


「オトメ!何をしているんだ!」


「私がいじめられるのはいいんです。でも、誰かがいじめられているのは嫌なんです!商人さん、お願いします。殴るのは私でお願いします。」


「ふん。…かわいいお嬢さん起きたのかい。へぇ……。ここはお嬢さんにめんじて許してやるよクソガキ。」


男は去っていきました。


ほっぺたがジンジンします。でも、何だか心地よい痛みでした。きっとアネモネさんを守れたからです。


「オ、オトメ‥何してるんだよ。何で僕を庇ったんだ。頬が腫れてるじゃないか。」 


アネモネさんは金色の眉を下げ、悲しそうな顔で私の顔に手を添えてきました。


「いいんです。大丈夫です。だってアネモネさんを守れたから。」


「何だい、守れたって。僕たち出会ってちょっとしたか経っていないだろ。それなのにどうして…。」


「…アネモネさん?」


「さんはいらない。‥……ありがとう。」


そう言うとアネモネさんは男がくれたパン2つをもってきて一つを私の方にくれました。


「食べようオトメ。」


「はい!あ、アネモネ…。いただきます!」


パンは汚れていてボソボソしていてお世辞にも美味しいとは言えません。

でも、なんたが、とったも温かいんです。

それに美味しいのです。

私は誰かと一緒にご飯を食べるのは初めてでした。だからでしょうか。


「…なんで君、そんなに笑顔なんだ?」


「その‥‥誰かとご飯を食べるのは初めてで…。えっと。嬉しくて。」


「そ、そうなのか。」


アネモネはじっと私の顔を見てきます


「…?どうしたのですか?」


「いや。‥君は笑うとブルースターみたいだなって。」


「ブルースター?」


「花だよ。小さくて可愛いんだ。……って、あ!別に君が可愛いって言ってる訳じゃない!!勘違いするんじゃないぞ!!」


アネモネは顔を真っ赤にして手をぶんぶん振って慌てています。

別に勘違いしないのになぁ。


でも、なんだか嬉しかったです。


こういう風に誰かとご飯を食べながらお話をするのは。

始めてで、始めてで、なんだか胸が温かいのです。




夜、正確には分からないのですがアネモネが言ってるので夜です。


私たちに横になって寝るまで会話をしていました。



「…オトメは家族の事、覚えているかい。」


「はい、覚えてますよ。」


「どんな家族だったか聞いてもいいかい?」


「大丈夫です。兄弟は居なくてお父さんとお母さんの三人家族でした。お母さんはお仕事とかでなかなか話せなくて、お父さんは……えっと、…。」


「無理に言わなくてもいいよ。僕のところはね両親と七人兄弟で屋敷に住んでたよ。誰も僕には関心がなくてね。いるのだけどいないみたいな。幽霊のような感じだったよ。それで没落して僕は売られてしまったんだ。兄さん達がどうなったかは知らない。」


「アネモネ…。」


「何だい。」


「なんだか私達…友だちみたいですね。」


「…友だちか、はは。いいね。僕は友だちがいなかったから。」


アネモネはこっちの方に顔を向け微笑みながら言いました。


「オトメ、友だちになろう。」


その時、私の胸はキュッと締まったのです。

なんだか、ドキドキしてソワソワしてとてもしあわせな感じ。


「…はい。私たち友だちですね。」


そして私たちは眠りました。






「わ、わあああああああああ!!」


大声で目が覚めました。

アネモネが顔を赤くして何か言っています。


「ぼ、僕はこんなに近くで眠っていたのか!?ああ、破廉恥なぁ!寝相が悪いのだろうか‥。」

 

「…アネモネ?おはようございます。」


「ああ、おはようオトメ。」


それから私達は商人の男のご機嫌を伺ってご飯を2人で食べ。1日の半分を2人で過ごしました。


その日の夜はすごく冷える日で、とても寒くて眠れませんでした。


「んん、とても寒いですね。」


「ああ、……オトメ。」


「はい、なんでしょうか?」


「よ、よよよ、よかったら一緒に寝ないかい?」


「いつも一緒に寝てますよ?」


「そ、そうじゃなくて…。こう、もっとくっついて、その。」


アネモネの顔はどんどん赤くなっていきます。

くっついて寝る。なんだかソレはとっても素敵です。


「いいですね。きっと温かいです。」


私はアネモネの腕を枕にして横になりました。


「ど、どうだい‥。」


「とっても温かいです。…それに、えっと。」


なんだかドキドキするのです。

そして、すごく温かくて安心します。

誰かと密着して眠るのも始めての経験でした。



それから私達はご飯を一緒に食べて、2人で1日中お喋りをして、2人でくっついて眠るようになりました。


すごく、すごくしあわせでした。

はじめてでした。こんなにしあわせなのは。

神さま、ありがとうございます。

出来たらこんな日々がずっと続いたらいいのになぁ。アネモネと2人で。





前回よりは明るい。

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